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異端者の吸収  作者: 寫人故事
2-2章 序列戦
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船旅の終わり

 起きたのだが、アリナの顔が近くにあった。


 整った顔立ちなのは勿論のことだが、近くで見ると綺麗な肌を持っているのがよくわかる。その顔の中でも艶やかな唇に一番引き寄せられる。


 アリナから近寄って来たのだから幾ら観察されても文句は言えまい。


 髪の毛も綺麗だし、いい匂いがする。アリナが手入れをしているのは見たことがないのだが、よくこの状態を保てるな。


 アリナを観察していたらアリナを起こしてしまったようだ。


 開かれた瞼の奥の瞳を次は観察して瞳も綺麗だなと思ったのだが、アリナの瞳に反射した自分と目があってしまい急いで目を反らす。


「どうしたの?」


「自分と目が合った」


「その自分嫌い何とかした方がいいよ」


 そう言われてもどうすることも出来ない。


「私が聞きたかったのは何で私の目を見てたかなんだけど」


「折角顔が近いんだかたよく観察しておこうと思って」


「どうだった?」


 どうだったと言われても答えは一つしかない。


「とても綺麗だった」


「何でソウヤはそういうのを恥ずかしげもなく言えるのか分からない」


 確かに恥ずかしいと思ったことはないな。


「事実だからな」


 事実でも好きだとは言えないやつが言う言葉ではない。


「それじゃ、俺は着替えてくる」


 これ以上変なことを言う前に退散だ。着替えをバッグから取り出してトイレで着替える。


 この後は朝食を食べに行くとしようかな。


 リビングに戻ってきたのだが、そこには凄い光景があった。


 寝室の壁は光は透けるけど奥は見えないみたいな壁でできていて、ドアの反対側に東向きの窓がある。


「何でベッドの上で着替えているんだ?」


「何で分かるの?」


「壁に影が映っているんだ」


 そう、今は朝だから太陽の方向は東。東からの光は寝室に差し込みアリナが着替えているシーンが影となって映し出されている。


 こう見ると本当に綺麗な体の形しているよな。


 アリナの着替えが終わりそうなところまで見とれていたが、見つかるとまた面倒なことになりかねないので、リビングの窓から海を眺めている。


 海綺麗だな。


「本当に影が映っているじゃん」


「だからそう言っただろう」


「どこからどこまで見たの?」


 そう聞くと思っていたよ。


「声をかけた後はすぐに海を眺めていた」


「声をかけられた時が一番着ている服が少なかったんだけど」


 下着ってことかな?そんなに少なかったんだ。話題を逸らさなくては俺の今後が危ぶまれる。


「朝食食べに行こうよ。昼前には着くようだし」


 今のうちに貴族の料理を食べておかなきゃ損だからな。朝食を逃すと昼食は船では食べられないから会場で食べるしかないが、会場で受け付けをしたりするといつ食べられるか分かったもんじゃない。


「誤魔化したね。でも今回は見逃してあげる」


「ありがとう」


 素直に感謝を述べておこう。


「それで感謝されると申し訳なくなるけど、気にせずに朝食を食べにいこう」


 アリナは性格が良すぎて困りものだよな。俺なら絶対に申し訳なくなどならないし、見逃すことすらしないかもしれない。


「《召喚:ファフナー》」


 今回は最初から人形状態で召喚してアリナに渡す。


「ソウヤは本当に心配性だね。魔力を温存しておかなくていいの?」


 アリナがここまで美人じゃなきゃこんなことしない。アリナなら少し目を離した隙にナンパされかねないからな。ナンパされることは別に悪くないのだが、この船に乗っている貴族には大抵ボディーガードがついているから強引に連れていかれる可能性もある。


 そうなった時用のファフナーだ。


「会場に着けばアーサーがいるからアーサーに任せればいい。そうなれば俺が魔力を消費するのは朝食の時だけだから試合までには十分回復できる」


 それに俺はまだ魔力切れを起こしたことが無いし問題ないだろう。俺は心配性などではなく楽観的に物事を考えている。


 それはそれで問題はあるが大丈夫だろう、何て考えていてはいつまでも楽観的に考えてしまうから駄目だ。


「気にせず朝食を食べにいこう」


 朝食を食べに行ったのだが、何故かまた師匠と同じ席で食べることになった。


 これはチャンスだな。今のうちに師匠に勝つ方法の手掛かりを聞き出そう。


「師匠は試合では真剣一本で戦うんですか?」


「剣術しかできないからな」


 知ってはいたけど確認。


「剣に刻まれている術式は?」


「一応一本は持ってきたが会場の剣を使うつもりだからまだ分からない」


 会場に武器があるなんて知らなかった。


「会場に置いてある武器について教えてください」


「知らないのか?会場には様々な武器が置いてあって、参加者は自由に使っていい」


「ならいい武器を手に入れるには早い者勝ちですか?」


 それなら勝てる気がしない。


「そうではあるが、武器名やランクなど諸情報は伏せられているから後からでもいい武器を手に入れることはできる」


 武器の見極めも実力のうちということか。


「見極め方は?」


「う~ん、勘」


 さすがは剣の天才ですね。一般人には一切理解できない方法を教えてもらっても困る。


 俺は[魂]で武器に魂があるかないかで判断するか。全てになかったら俺も勘だよりになってしまう。


 魂が宿っている武器は最低Sランクの強い武器。


 Aランクの武器には魔石を使っているから術式をかけるのだが、Sランクになると材質の約九割が魔石で出来ているため、その魔石の細かい魂が集まって大きな魂ができる。


 そのサイズにならなければ俺には魂が見えないので俺が見極められるのはSランク以上か否かのみ。


 Sランクがあればラッキーぐらいの気持ちで探そう。


「ソウヤも会場で探すのか?」


「はい。棍はかさばるし、一番強い棍がまだ直っていないので、素手で戦おうと思って武器を持ってきていませんから」


 アリナの家の家宝はまだ直っていないのだ。時間が経てば直るらしいけどまだひびが入ったままになっている。


「私はもう話すことが無いから手掛かりを探そうとしても無駄だ」


 バレていたけど一応全部話してくれたみたい。


「本選で戦えるのを楽しみにしている」


 一対一の勝負を望まれているのか。それはこちらとしても好都合。持っている魔力を全て師匠に充てることができるから多少は勝ち安くなるはずだ。


「ええ、全力で勝ちにいきますのでご覚悟を」


「それなら私も全力で戦わざるをえないな」


 そこまで評価していただけているとは嬉しいな。


「それでは私はこれで」


 師匠が席を立って居なくなった。


「勝てそう?」


「五分五分ぐらいだとは思うけど、師匠の全力次第かな。だけど勝つさ。勝つために来たんだからな」


 負けてもいい何て思いで俺はここまで来たわけじゃない。師匠をも越えようと思って来たのだ。


「ソウヤなら出来るよ」


「ああ、勝つから見ていてくれ」


「うん」


 これで負けたら恥ずかしいから、負けるわけにはいかない。勝つのみ。勝ってファーストになる。


「それじゃあ、俺たちも部屋に戻ろうか」


「そうだね。戻ろうか」


 ということで部屋に戻ってきたのだが、戻っている最中に「間もなく到着します」なんてアナウンスがかかってしまったせいで大慌てだ。


 急いで荷物をまとめて、部屋を片付けてで忙しい。


「俺の荷物は纏め終わったよ」


「私も終わったから次は部屋の掃除」


「その前に歯磨き」


「そうだね」


 朝食後は歯磨きをするようにしている。それはアリナも同じなので二人とも洗面台まで移動し、歯磨きをしてから歯ブラシを捨てた。


 それから二人で掃除をする。掃除をすると言っても掃除用具が無いから、ゴミがないかくらいの簡単なものだが。


「次はシーツを整えようよ」


「ああ」


 今度は寝室に移動してシーツを整える。


「これで終わりだな」


 部屋を整えたところでちょうど船もついたようだ。ようやく着いたようだな。


 俺たちは荷物を持って部屋を出ていき、橋を渡って足を踏み入れる。


 この島の名前は決戦島その名の通りこの島にあるのは決闘用のコロシアムと武器庫、そして簡素な宿泊施設のみの戦うためだけの島だ。

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