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異端者の吸収  作者: 寫人故事
2-1章 異世界での生活
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研究の始まり

 週末になり研究をする日になった。


 ジョージに研究は何をとるのかを聞かれ、魔法具だと答えておいたらすぐに魔法具の研究が決定された。


 なので俺はすぐに研究にアリナを誘った。


 アリナはすぐにOKしてくれたので、研究するための部屋を借りるための申請書を出したが、すぐには許可は出されない。


 そのため許可されるまでは保証なしで使用することになる。


 保障というのは研究をしている時に物を壊すと損害賠償を払わなくてもよいというものだ。


 そんな感じだから、今日はアリナとの研究はせずに何の研究をするか決めるだけだ。


「アリナは何の研究をしたいとかあるか?」


 この部屋は正面に黒板があり、その前に教卓、その手前のスペースに長い机が数個並んでいる理科室のような部屋でアリナと向かいに座っている。


「私はなんでもいいよ」


 それが一番困る答えなんだけど、今回は俺はやりたいことがあったから丁度良かった。


「テレビを作りたいんだ」


「てれび?」


「そうテレビ、テレビジョン。別の場所からでも見ることができるんだ」


「う~ん、全然分かんない」


 うん。


「俺も自分で言ってて理解できなかった。頑張って説明するから聞いてくれ」


「私も頑張って理解しようとするから、頑張って」


 理解して貰えるように頑張るが、そこまで俺の説明は理解に遠いと思われているのか。


「例えば、特殊なきか、魔法具をアリナに向けると、その機械から、じゃなくて魔法具から見えているアリナと周りの風景が別の場所から見えるんだよ」


「あー、まあ何となく分かったかも」


 アリナの理解力凄すぎるな。


「聞いた感じで作れそうか?」


「これから頑張れば出来ないこともない感じかな」


 現状は厳しい感じか。そういう感じの雰囲気を感じる。


「魔石借りれるようにしておくよ」


「ああ、うん。あ、ありがとう」


 魔法があるんだから魔石もあるのかー。


「何かもう話し合い終わったな」


「終わったね~」


「何する~」


「何しようね~」


 一気に雰囲気が緩くなってしまった。


「帰っちゃ駄目なのか?」


「あと四時間は帰れないよ」


 四時間はちょっと長いからな、何しようかな。


「移動は自由なのか?」


「自由だよ、図書館でも行くの?」


「あっ、うん。良く分かったな」


「本が好きじゃなければ、図書館に閉館時間までいないでしょ」


 あの時のことの後は思い出したくないんだ。


「じゃあ、図書館行ってくる」


「私も行くよ」


「よし、行くか」


「うん」


 図書館に着いたが当然のように誰もいない。


「誰もいない」


「そりゃそうだよ。今日はみんな研究してるから、図書館に来るのは私たちぐらいだよ」


 そりゃそうか。


 今回は研究の下準備をしに来ただけだし俺たちも研究に入るはず。とりあえず建前はこんな感じだが、今回の俺の目的は他の転移者か転生者を見つけることだ。


 誰か他にいるなら記録が残っているか、何か残してくれていると思うのだが、何かを残すなら本が一番残りやすいはず。


 異世界について書かれている本か、何か地球っぽいタイトルの本を探しているのだが見つからない。


 見つからなかったため、現在2周目だ。


 今回はより注意してタイトルと作者をみていたら、作者の隣に英語でも名前が書かれていた。


 英語だ!やった…のか?俺は英語苦手だからきついかも。


 取り敢えず読もう。


『異世界について

 異世界は実在し、私は異世界人だ。

 私は異世界転生をしたため、生まれたころからこの世界の言語を聞いていた。

 そのおかげで私は異世界の言葉を理解できたが、異世界転移をした人はそうはいかない。

 異世界転移をした人たちにとって初めての場所に突然、転移し知らない言語が話されるのだ。

 どうか別の言語を話す人に会ったら下記の住所に案内して欲しい。』


 かなり簡単な英語で書いてあったのである程度読めた。この文章の下に住所が書かれているが、俺は行く必要がないため無視する。


 問題は異世界転移をした人間が異世界の言葉を話せないことだ。俺は転移した日から普通に話せていたから気にも止めていなかった。


 俺は何故か最初から分かっていたような気がする。


 幾ら考えても答えが出そうにないから、これはもう考えても仕方ないな。


 諦めて真面目に魔法具について調べるか。


「アリナ~。魔法具について教えて」


 本を読んでいるアリナに話しかける。


「いいよ。こっち来て」


 こっちに向いて答えてくれて、紙とペンを取り出している。


 そんなアリナの様子を見て隣に座る。


「教えてください」


「はいはい。それじゃ、まずは基礎からね」


 アリナの説明によると、魔法具は魔法石の組み合わせで作られたものだそうだ。


 魔石は迷宮の魔物からとれるもので、魔石に魔法陣を直接書いて魔力を流すことでその魔法が使えるらしい。その魔法陣が書かれた魔石によってわざわざ魔法陣を描いたり詠唱する手間を省けるようだ。


 魔法具のメリットは魔法石の組み合わせによって出来ているため複数の魔法陣を同時に発動できる点だ。複数の魔法陣の同時展開は魔法使いでも難しいらしく、魔法具を使えばそれが可能になるとのこと。


 思っていた以上の魔法具の凄さに驚いている。


 基礎が分かったところで、本でより詳しく調べるか。


「ありがとう、アリナ」


「どういたしまして。そういえば、迷宮はどうすんの?」


「どうするとは?」


 どうしようも何も武器を用意したし、クラスでいくのでは?


「一緒に行く人だよ」


「クラスで行くんじゃないのか?」


「言ってなかったっけ?ほとんどの人は研究仲間と行くけど」


 なら俺はアリナとか。


「二人でいけるの?」


「最低三人だから後一人必要だよ。そもそも私たちみたいな三人未満で研究している人はまずいないから余っている人ももういないと思うし」


 なるほど、俺が常識知らずだからこういうことになるのか。


「誰か余っている人いないの?」


「いないと思うんだけど……あ、一人いるかも」


 一人余りは事情がありそうな感じだな。


「その人は誘っても大丈夫な人なのか?」


「うん、優しくていい人だよ」


 優しすぎるような人だから嫌がらせを受けているのかもしれない。


「とりあえず誘ってみるか」


「うん。じゃあ、案内するね」


「頼む」


 移動してきたのは半分屋外の場所で、ここには魔法を使っている人が多いからここは魔法の研究用の場所だと思われる。


 その場所の端の端に1人で壁に向かって魔法を使っている少年がいた。


「アーサー、今暇?」


 アーサーと呼ばれた少年がこちらを振り返る。


 金髪に金色の目をした整っている顔だ。


「暇に見えるのかい?」


 確かに暇には見えなかった。


 そう思っていると、少年と目があった。


「どうも初めまして。アーサー・シギュルセウス・ジークフリートです」


 そう言って少年はお辞儀をする。


 礼儀正しいな。


 俺は礼儀には礼儀で応えるようにしているし、そうしなければいけないと思っている。


「どうも、ソウヤです」


 こちらもお辞儀をする。


「何の用があって僕に会いに来たんですか?」


「ダンジョン試験を手伝って欲しくて」


 そういうとアーサーは目を丸くする。


「僕でいいのですか?」


 こっちが誘っているのだから俺たちにダメな理由はない。


「何かダメな理由でも?」


「僕はいいんですけど、そっちがいいのかなって思っただけだからいいんです。」


 何か嫌われている理由に心当たりがあるのか。


「偏見のない目で見ると、今のところ君は悪い人じゃない。だから、何か自分が原因でもない限り自分に自信を持つべきだと俺は思うよ」


 ダンジョン試験に誘った以上に目を丸くし、


「ありがとう。初対面の人にこんなに励まされるなんて思わなかったよ、ありがとう。是非ダンジョン試験を手伝わさせて欲しい」


 そういってアーサーは手を差し出してきたので、その手をすぐにとる。


「こちらこそ、宜しく頼む。」

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