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第四話 まずは整えようか



野営の準備が落ち着いたところで、なんとか二人を説得し武器を納めてもらう事に成功した。

物騒なものをしまってくれて本当にありがたいよ。刃物を前にして生きた心地がしなかった。


《ガイトル》のおかげで部分的だった彼らの全体もよく見えるから改めて雪豹族の子を観察してみる。


雪豹らしいアクアマリンの瞳にこちらも子猫らしさを残している愛らしい顔つき。美しい白い毛並みに映える黒の斑模様。

その頭にある丸く小さい耳は可愛らしく、腰にはフワッフワで長くも太くたくましい尻尾。

こちらも体は人間の構造をしているようでまだ子供体系だが細いながらも筋肉質…と言いたいところだが痩せすぎだ。服もサイズが合ってないのかブカブカっぽいし。

でも、胸元の毛並みは立派なもので逆にそこのモフモフに顔をうずくめて猫吸いがしたくなるほど魅力的に見える。


うん、やっぱり二人ともどう見てもケモナー大歓喜間違いなしの獣人!

あぁ、俺は今感動している…!!


思わず抱きしめたくなる衝動を抑え込みながら感動していると、二人が顔を見合わせたのちこちらを向いてこてッと首をかしげて…俺を悶え死にさせるつもりか、恐ろしい子達!!



「えっと、遅れたけど改めて自己紹介を…僕はシュガル・フォータルト。それでこっちが…」


「私はレイフォンといいます」 


「シュガルにレイフォンか、良い名だな」



しかし、レイフォンといいシュガルといい、まだ子供だっていうのにかなり顔が整ってるしここまでくるとなんか秘密がありそうだな。

なんというか、落ちこぼれ組が力を手に入れて下剋上で勝ち組になってハッピーエンド?

物語ならそれでいいんだろうけど俺的にはそいうのはどうでもいいんだよな。ただこの子たちを育ててみたいってだけだし。

ここで質問。物語と己の欲望、優先すべきはどちらか?



それは勿論、己の欲望ですとも!!



あれだけ楽しみにしていて、さらには未知のごちそうが目の前にいるってのに我慢なんぞ出来るはずもなし!既に俺の中でこの子達を育てることは決定事項!育て終わった後の事は知らん、そこからはご自由にどうぞ!


そういうわけで、まずは警戒心を下げるために友好な証として下級装備をプレゼント♪

あんまり強すぎる装備を与えて、力に溺れて傲慢な態度になられても困るからその辺りはしっかり教育させていただきますとも。

今の彼らでも扱えるくらいのものなら下級の物で十分。レイフォンには専用装備、じゃないと死んじゃうからね。

それぞれの装備を思い浮かべれば地面から食虫植物みたいな箱が現れ口が自動で開く。

なんで見た目が食虫植物なんだよっ、二人ともびっくりしてイカ耳になっちゃってるし俺もその中に手を突っ込みたくないわ!



「これは…?」


「ささやかな物ではあるが今のそなたらに必要なものであろう。特にそこのレイフォンと名乗ったか、そなたには必要不可欠なものである」


「どういうことですか?」


「そなたは本来ここにいるべき者ではない。故に体調が優れず弱っておるのではないか?」


「…っ…!?」


「今のままでは命を落とすだろう、それを防ぐための物である」



自分が弱ってるってことは自覚していたんだろうな。

火の代わりに《ガイトル》を使用し、夜で涼しくはなったがそれでもまだ顔色が悪いのは変わらないし。さっきも眩暈とか言ってたもんな、このまま放置してたら本当に命を落としかねない。何とかして確実に装備してもらわねば…。

俺は意を決して箱の中に手を突っ込んで中に入っていたものを取り出してみせる。



「それは…布、ですか?」


「これは《雪華のマフラー》、首に巻くと周囲の温度を下げる効果を持つ…口で言うよりも実際に使用した方がわかるであろう」



レイフォンの傍に行き首にマフラーを着けてあげると、レイフォンの頭上に大きな雪の結晶が現れ、それが弾け粉雪となって降り注ぐと体を包み込み温度が氷点下にまで下がっていく。

するとレイフォンの顔色が見る見るうちに良くなっていく。まぁ、本人が一番びっくりしているけどな。



「すごい…これを着けたらとても涼しくなりました」


「あ、レイフォンの顔色が良くなってきてる。病弱ってわけじゃなかったのか…」



病弱で済ませるなよ!

俺と出会えてなかったらと思うとぞっとするわっ、本当に危なかった…。


このマフラーは《雪華シリーズ》の一つで、雪豹族専用の装備だ。

使用者のみの周囲の温度を氷点下まで下げる効果を持つため、他の者が着ければ一発で凍死するだろう。

何はともあれ、レイフォンが大人しく着けてくれて助かった。これで彼も回復していくだろうし、他の装備も渡したいところだけどここは我慢我慢…。


シュガルには暗器であるナイフをと思ったが、体つきを見ると全体的にあんまり筋力がなさそうなので様子見のため遠距離タイプにさせることにした。

《ニャモン》と呼ばれる獣人の手を模した浮遊する魔導義肢、これは所有者の意のままに動いてくれるので武器を持たせて遠距離攻撃も可能。下級装備とはいえ魔道義肢なのでそのままでも十分力が強いからいざという時でも身を守るのに役立ってくれるだろう。

普段は猫の姿に擬態するので見た目も怪しまれないし、なによりシュガルとセットにすると可愛さが倍増。今回はバステトに合わせているのか黒猫で金の隈取が入っている子猫の姿をしている。あぁ…可愛い、癒される♪


さて、プレゼントが渡ったことだしこれでとりあえずは大丈夫だろう。

あとはどうやって二人についていくかだが、今日はもう夜遅いから休ませることにする。

お腹もすいてるみたいだから持ってた果物類を渡したら喜んで食ってたよ。

ただ、中には加熱しないといけないモノとかもあったらしく…。



マジかよ。普通に生で食ってたわ。

【状態異常無効】がなかったら今頃どうなってたか…恐ろしや。




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