第十六話 不思議な力と救える魂 ②
な、長くなったーーーーーーー!!!
だから、次に続きます!
では、また!!
私は何度かの呼び掛けをして、彼女の心の声を聴こうと、ずっと呼び掛け続けています
「ねぇ? 私の声が聴こえる? ミズナ? 貴女の声を私に訊かせてくれない?
「大丈夫だから、私が貴女の話を聞くから、ね?」
そう私はさっきから、同じ話を彼女に訊かせていると
【五月蝿いナァ! ワタシがミズナなの‼ もう忘れた? 貴女は一体ダレに訴え掛けてるんだろうね?】
私に、そう嘲りながら嗤い、私にいい募りましたけど、私を視る眼の奥には僅かに揺れ動く瞳があります
ほんの僅かに、ではあるけれど、彼女の心はまだ囚われてはいないことがわかり、私は少しの希望が生まれました
だからこそ、私は彼女を助けなければならないと心から強く感じていた
「違う! 貴女は魔女よ!! 私には視えてるから」
「ミズナの周りを囲むように、黒く靄のような形をして、彼女の心を蝕もうと弱い部分に漬け込む魔女」
「それが貴女であり、彼女のほんの少しの弱さ┄」
私は少し淋しさを感じて表情に出してしまったけど、すぐに頭を切り替えて、彼女のほうを見つめたら
❬ユーフィ~、私ね、私┄┄┄貴女のその、のほほんとした姿が、堪らなく好きなんだ?❭
そんなことを彼女は言うけれど、彼女の表情はとても酷く歪んでいるように、私には視えて何故か、痛々しいくらい胸が痛くて、服の胸辺りをギュっと無意識に握り締めてました
❬けどね? 私はそんな貴女が嫌いでもあるんだ❭
❬ね? どうしてだと思う? どうして私が貴女を嫌うか、考えたことある?❭
そう彼女に、問い掛けられて、私はすぐに答えることが出来ず、俯くことで彼女の視線から目を逸らす
(考えたこともなかった。私のこと好きでも嫌いでもないと思ってたから。貴族なんて皆、矜持の塊とか思ってたからね)
ただ比較的多く好意は、向けられているみたい、それだけわかっただったし、私としては
少なからず彼女のことは好意があって、好きなんだろうなぁ? とは思っていたし、嫌いではなかった
だから彼女のことは助けたい!
そして、あの黒い魔核を取り除き、彼女を救い上げそして彼女と存分に話し合わないといけない!
だから私は俯くのを止めて、彼女を真っ直ぐに見据えてみると
今度は彼女のほうから、目線を逸らし
❬ホントなんで、私のことそんなに真っ直ぐみるの? 嫌なのに、私のこと嫌いになってほしいのに、私のこと嫌いにならないでほしいって思っちゃう! 矛盾したこと言ってるのはわかってるけど、ねぇ?❭
❰私のこと助けてくれる? ユーフィ? あは、アハハ‼ ムリだよね? 助けて!❱
顔を歪めて、眼に涙を浮かべて、酷く辛そうな表情をしながら私を視る彼女のほうが辛そうに映る。
だから私は、彼女のミズナの視線を受け止めて安心させるために、微笑み大丈夫だよ! そんな意味を込めて彼女に呼び掛ける
「ミズナ、ミズナ! 私は貴女のこと嫌いじゃないからね⁉」
「だから喧嘩しよ? 戻って来て! ミズナーーーーーー!!!」
私が、そう叫んだら胸の中から何か暖かい不思議な力が、私の中から出てきて、私の身体を包み込む
「お、オイオイ┄┄なんだありゃあ? 一体何が起こって┄┄」
「これって┄┄? 兄ちゃんが言ってた? あの娘の? でも┄少し違う?」
「それはわからないが、彼女には何か不思議な力があるのかも、しれない」
殿下、カリエナ様、アズリヴィファスト様が、それぞれ動きを止めて、私を見つめます。
そうミズナも、彼女も他と同様に動きを止めて私だけを見続けます
私は、その間に一歩ずつ、彼女のほうへと足を踏み締めながら、彼女に近づく
【く、来るな! なんだ、その力は‼ あの娘と同じ? いや? もっと違う力か⁉ くそ! まったく忌々しい小娘どもめ!!】
魔女が、何か言っているが、私にはなんのことか、わかるはずも有りません! ただただ、私は大切な友人を助けたい! それだけです
【こうなったら、貴様の力ごとワタシに取り込んでくれよう! 小娘!?】
そう魔女が言う。
けれど
「なにか、わからないが、貴様の思い通りになると思わないことだな!」
「ま、まあ、彼女の力ことは後で、訊くとして、いまは彼女を助けることが先決だよね?」
「ああ。ユーフィリン嬢を傷付けることは、誰であろうと許す訳がない!!!」
再び闘いの火蓋が落とされる
◈◇◈◇★◆
影を操りながらも、縦横無尽に左右にと、死角となる部分を無くし、三人を翻弄させて
私への攻撃も仕掛けてくるが、魔女の攻撃は私にはくることがない
何故なら、三人が私に攻撃が届く前に防いでくれているから
【んもう! 小娘だけを八つ裂きにしたいのに、なんで邪魔するの? あっ! ワタシの姿見せたら、もしかして分かる?】
そう魔女が言うと、濃密な魔力が周囲を呑み込もうとしていたが
「させません。私の友人の身体に負担をかける行為は、私が阻止します!」
私はまだ力の使い方がわからないはずなのだが、誰かに訊くことなく、使い方が分かる。
だから、私は魔女が魔力の膨れ上がる物を消すことにした
【な!! 何故! まさか! そんな、馬鹿な┄┄┄】
「「「は、はあああァァァァァ!!!」」」
私が力を使ったら、青く淡い光が周囲を呑み込む勢いで、皆さんが呆気に取られています
すると私と彼女。だけが魂の共鳴をするような感覚を覚えました
◈◆◇◆☆◈◇★
あれはまだ、彼女と出会う前のこと
『アハハ! アンタまだそんなこと言ってんの? もう少し現実見なよ!』
『そうそう‼ アンタはあたしらのオ・モ・チャなんだから⁉』
『少しは、あの娘みたいに従順になりなさいよ!? それしか取り柄がないんだから』
『屑のクセに!! 生意気なのよ!?』
そういつも言われていた。
私が少し頭がよくなると、すぐに生意気だ!
自分達の言うことを利けと罵ることしか能のない連中
辛かった。このときが、一番┄┄┄私には苦しかった。
でも、私にとってあの時のことは、私の一番の思い出だったりする
そう彼女と初めて会った、あの時
私はいつものように、生意気だと呼びつけられていた。
『ホント生意気! そんなにあたしらを馬鹿にしたいの?』
『なによ! ほんの少し頭がいいからって、男に媚び売ったりして』
『┄┄┄┄違う。私┄そんなことしてない』
『嘘つくんじゃないよ!? アタシは見たんだからね‼』
『へぇえ~~、じゃあ、あの答案用紙は、あの男の人と寝て手に入れたんだ? 小汚い真似してまで成績優秀気取り?』
違う!! そんなことを声に出して言いたかったけど、そんなことをすれば、より一層罵る口が減ることはないとわかってる
だから私は黙ることしか出来なかった。
しかし、そんな私を助けてくれる人がいた
『ふ~ん。それって、貴女達のことだよね? あっ! もしかして、自分と同じだから、彼女に八つ当たり? それこそ自分達がカッコ悪いって言ってるようなもんでしょうに┄?』
『アンタ誰よ! それこそアンタには関係ないじゃないか!?』
『うん、そうだね。けどさ、弱い物イジメ? のほうがよっぽど質が悪い! って気付いてる?』
『私はね? それは貴族としても人としても、どうなの? って思っちゃうんだけど、貴女達はそういうのってないの?』
私は、そのときの彼女が、とても輝いて見え
そして彼女の口撃は、貴族として、そして人としての正論を述べて相手に隙など与える暇を出させず
『なっ! なによ!? いきなり現れて、正義のつもりかしら?』
『┄┄それは何故、そう思ったか? 聞いてもよろしいかしら?』
『あっ、もちろん。私が納得のいくこと、が条件ですけど。それでも宜しければ、どうぞ』
『~~~~』
『ないようなので、私が正義の味方かは、貴女方でどうぞ、好きにしたらよろしい、と思いますわ!』
そう彼女が、優雅に微笑みを浮かべて、彼女達を見下ろす
『ふ、ふん! 私達が』
『ああ!? 忘れるところでした。もし、貴女が私のことを悪く言ったり、悪い噂をするようなことが、ありましたら』
彼女は、そこで言葉を区切ると、意味深な笑みを浮かべて
『さあ? どうなるのでしょうね? もっとも、貴女方にその勇気が、おありなら、ですけども┄┄ね?』
そう彼女がこぼすと、言われた彼女達は真っ青になりました。