第十四話 揺れ動く心と新たな絆を紡ぐ! 前編
私は、また一人屋上付近で、呆然としていた。
少しの間、呆然としていたけれど、ハッとして辺りを見渡し、動揺した心を落ち着かせるため、息を吸って吐いて吸って吐いてを繰り返し、最後に深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。
「はあ~。ちょっとは落ち着いたかな?」
「うん、さてと。これからどうするか┄┄」
此処に居続けるわけにも、いかないだろうし
かと言って、このまま此処にいるわけではないし
自分の教室にでも、戻ろうかな?
うん。そうした方が良い気がする!
あっ! でも、ミズナも同じ教室だから、一緒に戻った方がいいよね?
じゃなくて、一緒に戻ろう! 階段を下っていったから、そこまで遠く離れていないとイイケド?
◈★◈★◈◇☆◇
う~ん。何処にいるのかな~
結構捜したけど、見つからない┄┄
ん?
あれは┄┄? クリシュナ様?
あとの二人は、ドナタ様? 誰?
あっ! み、ミズナ‼
え? な、なんで? まっ! 待って┄┄だ、ダメ! やだ!
ダメ! やだ! だめ! ヤダ!
「ダメーーーーーーーッ!!!!」
「‼! ユーフィリン?」
「え? うわッ! え、な、なに? 誰? アズの知り合い?」
私は、無我夢中で声のかぎり叫びながら、走りました。すると、私の声に反応してくれた人が、私の名前を呼び、それに反射で反応した人も、私の方向を向いて、私のもとまでは何かを言っていることしか分からなかった。
私は、やっと近くまできて、声を掛けようと、息切れしながら言葉を紡ぐが
「はあはあ、あ、あっあの!」
「ここは危ないんだ! 元来た道に戻れ‼」
「嫌です! だってだって、ソコにいるのは、私の知り合いの彼女だから!!」
「「はあ~~~!?」」
◇★◇★◇◈☆◆
「そ、そりゃあ一体どういうことだ! あの黒い禍々しい奴が彼女?」
「┄┄┄┄もしかして、ユーフィリン┄君はアレが視える?」
「アレって? よくわかりませんけど、彼女をクリシュナ様達が傷付けているのは、分かります」
私は思ったままをクリシュナ様方に言いました。
すると、二人は顔を見合せるようにして
「┄┄どう、思う?」
「そのままじゃないか? ユーフィリンには、あの黒い靄が友人の彼女に視えているってことなんだろう」
「それって、彼女には、あのモヤモヤした影か何かがわからんってことだろ?」
「まあそうだな。┄┄いや、もしかして視えてはいるんじゃないか?」
「┄なにを根拠に?」
「アズ? どうした?」
┄┄┄┄┄┄┄┄あの、靄なんでしょう? え?
あれ? ミズナ? どうして嗤ってるの? え? なに?
❪くす! クスクス。ねぇ? ユーフィ、私ね? いまとっっッても楽しいの!? さいっこうにイイ気分なのよ♪❫
【だからね? 私の邪魔しないで? ねぇ、まだ遊ぼう♪】
❰貴方達の大事で大切な物が、壊れてしまう前に? ああ⁉ でも、壊れても皮を剥がしたら、悲鳴を上げるから、そしたら正気に戻るから、また壊して、アソンデ良いよね♪❱
『大丈夫だよ♪ フフフ♪ また正気に戻して、皮を剥いで~~悲鳴を聴きながら、壊れるまでわ・た・しがアソンデ上げる♬』
そんな声達が、私達のもとに次々と聴こえてきて、私は絶句し、そして彼女から出た言葉達にも唖然としていた。
私は知らず知らずに、身体が震え、自分の体を自分で抱き締めていました。
「大丈夫か?」
「┄┄┄」
声を掛けてくれてることは、わかるけれど私は、首を振るだけしか出来ません。
「なぁ? さっきの声って、彼女から発した声、なんだよな?」
「ああ。そのはずだが? 何か、違和感でもあるのか?」
「ああ、まあな? さっきから、頭に直接的に伝達してるだろ?」
「まあそうだな。それが、どうしたんだよ!」
「声がな。一つずつ違って、聴こえてくるんだ」
「間違いなくな。アズはどうだ? そう聴こえてくるか?」
「いや。これといって、違いがわかるわけでもないし、ただ一部魔女みたいな声だな? とは思ったが」
魔女? あの黒い研究室に立て籠るような人?
それとも、エグイことしか考えないような醜い欲望の塊の人の形をしているだけの怪物?
「なぁ、お前の知り合いが、いまとてつもなく物騒なこと口走ってるんだが?」
「うむ? イイ魔女もいれば、悪どい魔女もいる。それだけのことだろ?」
まあそうだが、と二人が会話していたけれど、彼女は私だけを見て、ずっと嗤うことを止めない。
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