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異世界に《俺は転生》《姪は転移》した。  作者: ブルーアワー
第一章 新たな旅立ち 第三幕 思いがけない出会いセタ王国第二王女 《ヒナ》
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第七話 ミルキーウェイの建国祭と王女

『ドン、ドドン、ドドドン、ドン』

「「「「「「「「「「「「「「「建国祭の始まりだ~~~~~~~~!!」」」」」」」」」」」」」」」


 いつもなら一日が始まる朝の六時に、大きな爆発音の後に続けて大人達の大きな声が街中に響き渡った。

 そう七月に入ってから準備が始まった建国祭当日が、ついに今日やって来たのだ。街は俺が知る中でも一番盛り上がり、大人達は自分達が育てた作物で料理を作って道の両端で屋台を出し安い金額で提供してくれている。

 たぶん、今日から冒険者になる若者達に対しての配慮なのだろう。これから命がけの冒険が始まるから、美味しい物をいっぱい食べて頑張ってもらいたいと考えているのだろう。ちょっと考えたくないが、人によってはすぐに死んでしまうかもしれないから最後の晩餐ぐらいたくさん食べられるように、と言う事ではないと信じたい。

 それ以外にも数は少ないが、服やアクセサリーなどの屋台もあり若者達はそれぞれ自分の楽しみ方で楽しんでいる。

 と言っても、まず冒険者ギルド本部で冒険者ID機能を付与したID(身分証)を受け取り、人によっては奴隷施設に寄って従者を決めたりするので、朝早くに見て回る若者はあまりいない。まあ俺は、セインさんにお手伝いを頼まれたロアとルリンを送って行き。約束していたヒナと合流して二人で屋台を回っているんだが、ヒナは顔がほとんど見えないほどフードを深くかぶっていた。


 ヒナはあまり食べ物を欲しがらないようで、唯一口にしたのは日の魔石と風の魔石をうまく使い作っていた綿アメだった。そのほかには、数少ない服やアクセサリーの屋台を回る事が多かった。ヒナと回った屋台の中に、あのアクセサリー工房のエルフさんの屋台もあった。エルフさんの屋台では、金属製の風鈴が並び(ぜつ)の部分が小さな星の形をしていた。

 (うた)文句(もんく)は、願い事を叶えてくれる風鈴だった。


「まぁ、可愛いですね」

「そうだね。よし、ヒナに一つプレゼントしてあげるよ。どれがいい?」

「そ、そんな!?ワタクシそんなつもりではなくて、その…」


 ヒナが目を輝かせて見ていたので、一つ買ってプレゼントしてあげる事にした。だがヒナは、俺に買って貰う事に抵抗があるのか選びそうになかったので、冗談っぽく『早くしないと、俺が選んじゃうよ』と言うと、顔を赤くして小さな声で『その方が嬉しいです』と言った。仕方ないのでヒナに似合いそうな風鈴を選び、代金を払って紙で包装された風鈴をヒナに渡した。


「有難う御座います、ユニサス様。この前貰った銀の星と一緒に、一生の宝物にします♪この先、何があってもユニサス様に頂いた宝物を見て頑張っていけます」

「そんな大げさな」

「す、すみません!?ワタクシあまりに嬉しくて、ついおかしな事を言ってしまいました」

「いや、そんなに気にしないでいいよ。じゃあ、次に行こうか」


 それから昼の少し前までヒナと一緒に行動して、お城の近くでヒナと別れ冒険者ギルドの広場まで戻ってくると、奴隷施設のスイングドアからロアとルリンが出て来た。すぐに俺に気付くと、ロアが走って来て勢いよく抱き着いた。そして少し後に来たルリンが、親の仇でも見るような目で俺を睨み付けるという、最近では当たり前の光景が広がる。


「お手伝いは終わったの?」

「…うん」

「セインさんが、もう大丈夫だから二人で建国祭を楽しみなさいって言ってくれたんだよ!」

「…違う。…ユニサスと合流して、…楽しみなさいって…」

「…そうか、丁度良かったよ。一人でどうしようか考えてて、ロアとルリンの様子を見に来たところだったんだ」


 ただ一人で建国祭を見て回るのもつまらないしロアとルリンにも悪い気がしたので、ロアとルリンが頑張っている姿を見ていようと考えてギルドまで戻って来たのだが。()()にも、ヒナと別れたお昼頃にロアとルリンのお手伝いが終わり、三人一緒に建国祭を回れるとは思ってもいなかった。

 ロアとルリンはヒナと違い、ミルキーウェイで育った夏の作物で作る料理を売っている屋台を回って行く。


 十二時の鐘が街中に響くと、街中の大人がお城のバルコニーを見上げた。つられるように俺やロアとルリン、そして今日のためにミルキーウェイに集まった若者達もバルコニーを見上げると、そこにはお城の兵達が二列になり向かい合うようにして立っていた。その兵達の間をプリンセスドレスに身を包んだ二人の少女が、バルコニーの手すりの手前まで歩いて来た。

 見た目が年上の少女の方が一歩前に出た。


「ワタクシは、セタ王国第一王女マリン・セタ」

「ワタクシは、セタ王国第二王女ヒナ・セタです」


 少女がこの国に第一王女だと言い、続いてもう一人の少女も一歩前に出て第一王女の隣に立ち第一王女と同じく第二王女と言った。と言うかその少女は、俺も何度も会っているヒナだった。

 ヒナは第二王女と同名ではなく、本人だったようだ。だが、王女が護衛も無しに森に居るなんて、普通は誰も考えないだろう。だから誤解をしていた俺を、誰も責めないでほしい。


「「ワタクシ達がセタ王家の名において、本日このミルキーウェイで冒険者になった皆様を祝福いたします。皆様がこれから先、冒険者として人類の希望になる事を御祈り致します」」


 王女様二人が声を合わせて、この街に集まった冒険者達を祝福してくれた。この祝福の対象に俺やロアとルリンも含まれている事を願う。


「そして本日のみ、水鏡の湖に入水し体を清める事を許可しています。湖に入る際は売っている水着に着替えてから入って下さい」


 最後に第一王女が、今神々しい光の柱が出ている水鏡の湖へ入ってもいいと許可を出していると話していた。なのでロアやルリンにどうするか聞いてみると、ロアは水着に少し興味があったようだが湖には特にはなく、ルリンもいつも浴びていた用水路の水つまり今では銭湯でのお湯も同じ水だから別に興味がないと言っていた。

 それよりも夏野菜の料理を出す出店を回り一杯食べる方がよさそうなので、予定通り出店を回り焼きトウモロコシなどを立ち食いして三人で楽しんだ。


 もう日が沈み建国祭も、もう終わりのようだ。大人達はギルド本部のある建物で打ち上げをしていて、今日冒険者になった若者達は宿舎のある建物で今日の建国祭の話で盛り上がっていた。

 例えば、いい仲間が見つかったと話す人やこれから先の夢を語る奴。水鏡の湖に入り水の中が光り輝いていて神秘的だったなど人それぞれの感想を語り合って盛り上がっていた。


『ギィ』


 音を立てスイングドアが開き、二人の少女と鎧を着たゴツイ男性が宿舎に入って来た。少女とは、第一王女のマリン・セタと第二王女のヒナ・セタで、ゴツイ男性は護衛のモカンだった。


「本日冒険者になった皆さん、これから先困難な事が沢山あると思いますが。何事も諦めないで、頑張って下さい」


 第一王女のマリン・セタが一つ一つテーブルを回り冒険者になったばかりの若者達に、エールを送っているようだった。そしてヒナは、俺達が居るテーブルまで来て俺に頭を下げた。


「……ユニサス様、すみませんでした。ワタクシがセタ王国の第二王女だと黙っていた事」

「いや、ヒナは悪くないよ。俺が勝手に思い込んで、ヒナが言い出しづらい状況を作っちゃったんだから。俺こそごめんな、でも俺にとってヒナはヒナのままだから」

「…あ…有難う御座います」


 ヒナは俺に本当の事を言うのが不安だったようで、俺の言葉を聞きダムが決壊したように涙を流し始めた。なので同じテーブルに着かせて、ヒナが落ち着くまで待った。

 ヒナが落ち着いた頃、セインさんが近づいて来て俺達に一つの提案をしてくれた。その提案とは、今日売れ残った水着を持ってセタ大陸の最東端にある岩に囲まれた入り江に皆で行って来ないかと言う事だった。

 その話を聞いた少女三人組が嬉しそうに顔を見合わせて頷き、ロアとヒナだけが俺の顔を見てきたので俺も頷き返した。だが二人の奥で、ルリンだけが舌打ちをしていた。


 明日からの計画を立てていると、第一王女のマリン・セタが全てのテーブルを回り終えたようで、ヒナを迎えに来たようだ。


「お姉様、御願いがあります。明日から一週間の間、ワタクシに自由な時間を下さい」

「…ヒナがワタクシに頼み事なんて、初めての事ですね。……いいでしょう。これから先、ヒナに自由はほとんど無いのですからね。但し、護衛としてモカンを同行させる事だけは守ってもらいます。宜しいですね、ヒナそしてモカン」

「はい、お姉様」

「了解しました、マリン姫」

「では、お城に帰りますよ」


 そう言って、第一王女はスイングドアを通り出て行った。それに続くように、ヒナとモカンさんも出て行った。

 そしてロアとルリンは、売れ残りの水着を見にセインさんに付いて行った。いつの間にか一人になった俺は、明日から少し大変そうなので少し早いが部屋に行き睡眠をとる事にした。

誤字脱字、変な表現などありましたらご指摘ください。

現在のステータス 【7/7】

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ステータス

《ユニサス》

Lv.5  【ランクG】【¥19,300】

ジョブ:狩人

HP:118/118

MP:89/89

スキル: 短刀剣:Lv.4 弓:Lv.4 投擲:Lv.4 全力全開:Lv.2 鷹の目:Lv.3 心眼:Lv.3 解体:Lv.3 気配感知:Lv.4 隠密:Lv.4 暗視:Lv.3(UP) 仮眠:Lv.3(UP) 鑑定:Lv.3 早成

魔法:自然魔法:Lv.2 【基礎】 【植物】 【土】

従者: ロア・ルリン

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