第六話 休日のマヨネーズ作りそして森でスライムと謎の気配
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ありがとう!
イービス達が旅立ってから、一夜明けた次の日。
俺はまたピンさんと、調味料を買いに来ていた。
「うふふ。またユニサス君と、デートだわ♪」
「はは。ピンさんには、敵いませんね」
「あらあら、冗談よ。ユニサス君が買い物に行くって言うから、付いて来たのはワタシだもの」
「そんな事はありませんよ。ピンさんが来てくれて、とても心強いですよ」
「あらあら、うふふ。そんな事言われたら、ワタシ照れちゃうわ♪」
そんな会話をしながら、目的の調味料屋に着いた。
品揃えが豊富で俺が買った、塩・砂糖・醤油・味噌以外にも、酢・胡椒・みりん・油などが取り揃えられていた。
「おや?この前始めて来た、坊やじゃないかい」
「!?…よく、覚えてますね!」
「この街じゃワシの店にしか、調味料は売ってないんじゃよ。だから皆、ワシの店に来るんじゃよ。それに、この街の住人はあまり変わらんからのう。新顔は珍しいから、覚えられるんじゃ」
「あらあら、お婆様ったら。まだまだ、お元気なんですから」
「そうだったんですか」
「で、何の用じゃ?」
「ああ、すみません。この前買った調味料が無くなったので、また買いに来ました」
「そうかい。確か、塩・砂糖・醤油・味噌を一週間分じゃったな。え~と、13,000マドカじゃ」
「はい。有難う御座います」
「今日は、使い終わった壺を持って来てないようじゃのう。もし必要なかったら、買い取るからのう」
「…いえ、小さい壺ですし。邪魔にならないので、今は大丈夫です。それに少し使い道も、考えていますから」
「そうかい。なら、いいんじゃが」
「じゃあ、俺達はこれで失礼しますね」
「お婆様、また来ますね」
「ああ、待ってるよ」
そして調味料屋から宿舎に帰って来るまでに、卵を1個買っておいた。
「じゃあピンさん、すみませんが出かける前に分けてくれるって言っていた。酢と胡椒と油を、少し貰っていいですか?」
「あらあら、早速ね。台所にあるから、好きなだけ使ってね」
「じゃあお言葉に甘えて、それぞれ少しだけ使わせて貰いますね」
「でもユニサス君は、何を作るのかしら?」
「俺の故郷で、大体の人が好きだった。マヨネーズって言う、調味料です」
「あらあら。ユニサス君は、その…マヨネーズを作れるの?」
「一通り作り方は知っているので、出来るはずです」
「うふふ。それなら、ワタシは違う仕事があるから。ユニサス君は、マヨネーズ作り頑張ってね♪」
「はい!」
俺は宿舎の台所に移動して、陶器の器に卵の黄身と酢と塩と胡椒を適量入れて掻き混ぜ、卵黄と調味料を混ぜ合わせていく。
そしてしかっり混ぜ合わせたら、次に油を数滴加えて今度は混ぜ合わせた卵黄と油を、また混ぜ合わせていく。この工程を何度か繰り返し、卵黄と油がうまく混ざり始めたら入れていく油の量を増やして、ひたすら混ぜ合わせる工程を繰り返した。
「…ふぅ、出来た!」
どのくらいの時間がかかったのか、集中していてよく分からなかったが。満足できるマヨネーズが出来たので、気にしない事にした。
「あら?マヨネーズが、出来たのかしら?」
「はい、結構上手く出来たと思うんです!よかったらピンさんも、味見してみませんか?」
「あらあら。いいのかしら?…じゃあ、お言葉に甘えて頂きますね。…!?初めて食べる味だけど、美味しいわ!ユニサス君、凄いわね♪」
「いえ俺じゃなくて、先人の人達が凄いんですよ!俺は唯、作り方を真似しただけですから」
「それでも作れるんだもの、ユニサス君は凄いわ♪」
「じゃあピンさんのお墨付きも頂けたし、俺は奴隷施設に行って来ます」
「あらあら。行ってらっしゃい」
出来たてのマヨネーズを、調味料の入っていた小さな壺に移し替えて、俺は宿舎を出て奴隷施設に向かった。
奴隷施設内にスイングドアを通って入ると、すぐにロアとルリンと目が合った。
「…ユニサス。…どうしたの?」
「ふん!また用もないのに、来たんだな!」
「今日は俺の故郷で使われている、マヨネーズって言う調味料を持って来たんだ!ロアとルリンが、マヨネーズを気に入るかどうか気になってね。少し味見してくれないか?」
「…ん。分かった、味見する」
「ロア姉が、味見するなら。ボクも、…嫌だけど!味見してやるよ!」
「この壺の中身が、マヨネーズなんだ。どうぞ!」
「…ペロ。…!?美味しい!」
「…あん。…!?ホントだ!凄く、美味しい!」
「気に入ってもらえたみたいで、よかった!そのマヨネーズは、ロアとルリンにあげるよ!」
「…いいの?…ありがとう♪」
「まぁマヨネーズは、貰っといてあげる!」
「喜んでもらえて、俺も嬉しいよ!」
この後また材料を買って来てマヨネーズを作り、お世話になっている人達に配って歩いた。
まずは宿舎の台所を貸してくれて、調味料も好きに使っていい。と言ってくれたピンさんに、最初に渡した。
「あらあら。マヨネーズを、私のために作ってくれたの?ありがとう。ユニサス君♪」
「いえ、いつもお世話になってるし。今日は台所を使わせてもらって、そのうえ調味料も分けてもらったんですから、気にしないで下さい。あと、台所にあった調味料用の小さな壺を、数個お借りしました。あとで、必ず返しますから」
「あらあら。そんなの、気にしないでいいわよ。ユニサス君の事だから、他の人達の分も作ったのよね」
「ピンさんには、お見通しでしたか。お世話になっている、人達の分だけ作りました」
「じゃあ、行ってらしゃい♪」
「ピンさんに見送られるのは、今日はもう二度目ですね。行って来ます!」
冒険者ギルド本部では、フレアさんに渡した。
「お!?ユニサス、今日は休日のはずだろ?なんで、ギルド本部に来たんだい?」
「フレアさんに、いつもの感謝の気持ちとして、俺の故郷の調味料を自分で作ったので、貰ってもらおうと思いまして、持って来たんです」
「それは、嬉しいね!早速、味見させてもらうよ!…!?何だい、この味は?初めて食べたよ!うん!美味しいね!ユニサス、ありがたく貰っとくよ!」
「では俺はこれで、他の所にも回る予定なので失礼します」
「ああ!気を付けてね!」
奴隷施設では、セインさんに渡した。
「あら?ユニサス様、どうかされましたか?」
「セインさんには、ロアとルリンの事でいつもお世話になっているので、その感謝の気持ちとして、俺の故郷の調味料を自分で作ったので、貰ってもらおうと思いまして、持って来たんです」
「それは、有難う御座います。あとで、頂きます」
「あともう1個を、ロアとルリンに渡してもらっていいですか?このままだと、二人で1個になちゃうんですよ。なので、お願いします!では俺はこれで、他の所にも回る予定なので失礼します」
「はい、分かりました。お忙しい中、届けに来て下さり。有難う御座いました。お気を付けて」
門では、クーリさんに渡した。
「あれ!?ユニサス君、今日は森には行かないはずだよね?なんで、門まで来たの?」
「いつも門で頑張ってくれているクーリさんに、ありがとうの気持ちを込めて渡したい物があるんです。俺の故郷の調味料を自分で作ったので、貰ってもらおうと思いまして、持って来たんです」
「え!?…ワタシに!?ありがとう~、ユニサス君~!早速、味見させてもらうよ~!…!?何、この味?初めて食べたよ!うん!美味しいね!ユニサス君、本当にありがとう!大事に、使わせてもらうよ!」
「では俺はこれで、あと一箇所だけ回る予定なので失礼します」
「うん!気を付けてね!」
最後に、調味料を売っている店のお婆様に渡しに行った。
「おや!?坊や、また来たのかい?」
「はい。お婆様に、俺の故郷の調味料を味見してもらいたくて、俺が作ったんですが皆知らないらしいので、お婆様なら知ってるかと思いまして、聞きに来ました。どうぞ、貰って下さい」
「それは、嬉しいね!早速、味見させてもらうよ!…!?何だい、この味は?初めて食べたよ!うん!美味しいね!坊や、ありがたく貰っとくよ!」
「では、俺はこれで失礼します」
「ああ!気を付けてね!」
皆、喜んで貰ってくれた。この数ヶ月後、マヨネーズの事がお婆様を経由して、セタ大陸で広がるのだが。それは、まだ先の話だ。
そして今日は、もう宿舎に帰り。ピンさんの作ってくれた夕飯を食べてから、銭湯に行ってお湯に浸かって疲れを癒した。その後部屋に戻り、ベッドでゆっくりと寝た。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
今日は、森に行くつもりだ。前回やっと、魔物・ビックラビットを見つけて戦う事が出来た。だが、まだまだ魔物との戦闘経験が浅い。
(ロアとルリンを迎えに行った後は、たぶん三人で旅をするだろうから。二人を守れるように、もっと強くならないとな)
俺がそんな事を考えながら一階に下りて行くと、ピンさんが朝ご飯の準備をしていた。
「おはよう、ユニサス君。昨日貰ったマヨネーズを、早速使わせてもらったわ。大体の料理に合うから、使い易いわ。また今度作ってくれるかしら?」
「いいですよ。何ならピンさんにだけは、作り方を教えますよ」
「あらあら、本当に?うふふ、嬉しいわ♪」
「はい。じゃあ、今度一緒に作りましょう」
「じゃあ、お願いしちゃおうかな。うふふ♪」
「はい。任せて下さい」
その後、奴隷施設に寄った。
「セインさん、おはようございます」
「ユニサス様、おはようございます。昨日頂いた調味料は、大変美味しかったです。有難う御座いました」
「いえ、喜んでもらえたなら作ったかいがありますから。気にしないで下さい」
「ユニサス様になら、ロアとルリンを安心して送り出せますね」
「セインさんにそう言ってもらえると、凄く嬉しいですね!」
「セインさん!なんでボク達が、こんな奴に付いて行く話になってるんだよ!」
「…ん。別に、嫌じゃない♪」
「ロア姉!?お前が来てから、ロア姉がボクの事よりも、お前の事ばかり気にするんだ!なんでお前なんかが、ボク達の前に現れたんだ!」
「俺達三人の出会いは、偶然かもしれないし運命かもしれない。でも、これだけは確実に言える!ロアとルリンは、俺が必ず迎えに来るよ!だから、俺の家族になって欲しい!」
「…ん。待ってる♪」
「ロ、ロア姉!?」
「まぁ。まだ迎えに来れるだけの、実力はないけどね。…だから、少し待っててほしい!今日もこれから森に行くので、失礼します」
「はい。また、御越し下さい。ユニサス様」
「…ん。またね♪」
「二度と来るな!」
奴隷施設を出てすぐに、冒険者ギルド本部に顔を出した。
「お!ユニサス!昨日の調味料は、ありがとね!いろんな物に使ってみてるんだけど、美味しくて止められないよ!」
「いえ、フレアさんに喜んでもらえただけで、作ったかいがありますから気にしないで下さい。でも、食べ過ぎには気を付けて下さいね」
「そうだね、気を付けるよ!今日は、これから森かい?」
「はい。そのつもりです!」
「なら、気を付けなよ!コハクとレオナが、報告してくれたんだが。今森に、誰かがいるらしいんだよ」
「はい。俺も、コハクとレオナに聞きました」
「なら話が速い。ユニサスが街にいた日に、街の人達に調べて来てもらったんだけど、人影を見かけたけど見失ったそうだよ。高レベルの元冒険者を煙に巻くんだから、そいつはただ者じゃないから。新米冒険者のユニサスは、本当に気を付けて行動しなよ!」
「はい、気を付けます!」
冒険者ギルド本部を出て、門に向かった。
「ユニサス君!昨日の調味料、凄いね!ワタシの好きな食べ物に、どれでもよく合ったよ!」
「気に入ってもらえたなら、何よりです。じゃあ俺は魔物を探しに、森に行って来ます!」
「うん!ユニサス君、行ってらっしゃい!」
森に入って、数時間後。
俺の願いは叶わず。昼まで、魔物の魔の字も。見つける事は、出来なかった。
(お!ウサギ発見!弓矢で、さっさと射っちゃおうっと。……よし!いつも通り、一発だ!…うん?まだ、動いてる!?…なら、もう一発!……よし、また当たった!…まだ気配がする。…なんでだ、今までのウサギと、何か違うのか?)
そして、よく観察しながら。気配感知で、調べると。ウサギの近くに、とっても小さい何かが。存在する事に、気付いた。
「なんだ!?ウサギが、動いてたんじゃないのか。…でも、よかった。まさか、ゾンビが現れたのかと思った。でもこの動く物体は、いったい何なんだ?」
近づいて確認すると、海岸に打ち上げられたクラゲのような、透明でブニュブニュしたゼラチン質の物体だった。
分からないし触りたくもないので、鑑定してみると。
《スライム》最弱の魔物。《魔神ダナン》によって、最初に生み出された魔物の元祖。生物の体内に入り、体を支配する。
思いがけない所で、魔神の名前を知ってしまった。
ビックウルフやビックラビットの時は、名前の部分がビックウルフやビックラビットで、説明文が魔物になった狼や兎などで、あとは少しだけその魔物の特徴などが、それぞれ表示されていただけだった。
「これが、魔物スライムか。想像以上に、……小さいな。まぁ、生物の体の中に入るためだろうから、しょうがないのかな。…あれ!?もしかして、あれが魔石か!?」
体は大体、ペットボトルの蓋1個分くらいしかなくて、魔石なんてBB弾程度の大きさしかない。
とりあえず、ブロンズナイフを出して突き刺した。すると、水風船が割れたようにバシャっと液体が零れて無くなった。
「うわっ!?…ビックリした。…ん!?この気配は、人か?」
気配感知が、人の大きさ程の気配を感知した。
慌てて感知した気配の方を向くと、そこには外套のフードを目深に被った者がいた。その者のフードの上の部分がピクピク動く事から、獣耳があるワービーストだと考えられる。そして身長があまり高くない事で、大人ではないと予想が出来る。
(こいつが、コハクとレオナが言っていたやつか?)
コハクとレオナに聞いた時から、会った時の事を考えていたので、まず話しかけてみる事にした。
「俺は、この街で冒険者になったばかりの、ユニサスって言うんだけど。君は、…誰?」
「……」
「君は、街の人なの?」
「……」
「君は、いったい何者なんだ?」
「……」
「もう少しそっちに、行ってもいい?」
「……ダメ」
初めて、返事をしてくれた。
(言葉は、通じてるようだな。もう少し、聞いてみるか)
言葉を理解して話す事が出来る事が分かったので、続けて質問してみる。
「…分かった、近づかない。でも、もう少しだけ君の事を聞かせてほしい。…君は、何でこの森にいるの?」
「……主の、…ため」
「主って、誰?」
「……お前に、少し雰囲気が似てる」
「俺と、雰囲気が似てる!?…あ!?待って!」
そのワービースト?は、森の奥へと走って行った。俺も、追いかけようとしたが。突然上から数匹のスライムが顔に落ちて来たので、目を反射的に閉じてしまい。スライムをどうにか顔からどけた時には、もうワービースト?は、いなくなっていた。
「結局、何者だったんだろう?それに俺に雰囲気が似てるらしい、主の事も気になるな」
その後、街に戻り。ギルド本部によって、フレアさんに報告した。
「そうかい。ユニサスは、特に何もされなかったんだね」
「はい。この通り、無傷です」
「でも、不思議だね。他の人達はすぐに逃げられたのに、ユニサスだけは話が出来たんだから」
「たぶんなんですけど、俺が気付いてから一歩も近づかなかったのがよかったんじゃないかと。会話でも、初めて答えてくれたのが。近づかないで欲しい、でしたから」
「あとは、そうだね。ユニサスが、主に少し雰囲気が似てたから。話してくれたか、だね」
「そうですね」
「まぁ今のところは、害はなさそうだし。よかったよ」
「ええ、そうですね。見た感じでは、ワービーストだと思うんですよね」
「それも、ちゃんと見たわけじゃないんだろ。今は、保留だね。で、今日の報酬は10,300マドカだよ」
「はい。この最初のスライムの魔石は、無色だったので換金も出来ませんから、お守りとして持ってますね。じゃあ、俺は帰りますね」
「報告、ありがとね!」
「いえ、冒険者の義務ですから!」
奴隷施設にも少し顔を出して、今日の出来事をロアとルリンに話した。
「…ユニサス。…無事でよかった」
「大丈夫だって、俺だって少しは強いんだから」
「ふん!常識は、全然ダメだけどな!」
「ルリンは、痛いとこ突くな。まぁ、実際そうなんだけど。でも出会った頃よりは、少しはマシになっただろ?」
「…まぁ、本当に少しだけだけどな!」
「お!ルリンが、認めてくれたよ!ロア!」
「…ん。おめでとう♪」
「ありがとう!」
「お前ー!少し褒めれば、調子に乗ってー!ロア姉に、近づくなぁー!」
ロアとルリンと、楽しく話しをしたりして、また一日が終わっていく。
誤字脱字、変な表現などありましたらご指摘ください。
2017/10/14 改稿しました。
現在のステータス
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ステータス
《ユニサス》
Lv.2 【ランクG】【¥56,300】
ジョブ:狩人
HP:64/64
MP:52/52
スキル: 短刀剣:Lv.3 弓:Lv.2(UP) 投擲:Lv.3 全力全開:Lv.1 鷹の目:Lv.2 心眼:Lv.2 解体:Lv.2 気配感知:Lv.3 隠密:Lv.3 暗視:Lv.2 仮眠:Lv.2 鑑定:Lv.3 早成
魔法:自然魔法:Lv.2 【基礎】 【植物】 【土】
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