第二話 約束
ブックマーク件数が、あまり増えなくなりました。
まぁ、これが私の作品なら普通かな。と、思っている。今日この頃。
ちょっと今までが、異常だったんですよ!評価やブックマーク件数が増える度に、嬉しさと不安がいっぺんに来てましたから。
読んでくれている、皆さん!これからも、私の作品を宜しくお願いします!
目を覚ました少女が起き上がり、眠そうな目で俺を見た。
少女が動く事で、セミショートヘアに日の光が当たり。光り輝く少女の綺麗な紺の髪に、俺は目を奪われていた。
少女の銀の瞳には、やはり光が失われていた。そう、少し前の俺のような眼だった。
(この世界は、こんな幼い少女が絶望を感じるような世界なんだな。俺はこの子の、力になってあげたい!)
自分自身が救われたように、少女の力になってあげたいと考えていた。
「…誰?」
「ああ、ごめん!お昼寝の邪魔に、なっちゃたよね。俺は、ユニサスって言うんだ。君は?」
「…ロア」
「ロアちゃん、隣に座ってもいい?」
「…ん」
「ありがとう!ロアちゃんは、ここに来て長いの?」
「……」
首を振って、否定した。
「そうか。俺も、ここには五日前に来たんだ。来たばっかりは、右も左も分かんないような状態だった。でも、この街の人達が優しくしてくれたから、昔ある少女達に助けられた事を思い出したんだ。もし、よかったら。俺の話を、聞いてくれるかな?」
「…ん」
「ありがとう。あれは、まだ暑い夏の日だった。―――」
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
―――俺が、まだ会社の仲間達と力を合わせて、困難な壁に立ち向かっていた頃の話だ。
「それにしても、毎日暑いなぁ~!」
彼は、俺と同期に入った同僚。名前は、涼海 深祥。
「涼海なんて、苗字なのにな?」
「それは言わんのが、常識やぞ!」
「あぁ、熱いな~!」
「ふふ、はははは!」
「ふ。ちょっとは、涼しくなったかな」
「そや、俺がもしヘマした時は、禎康が助けてくれや!」
「何で、俺が?」
「俺達は、親友!やろ?」
「いつからだよ」
「…嘘や!?親友思っとたのは、俺だけなんか?」
「ぷ。冗談だよ!じゃあ俺がピンチの時は、お前が助けてくれよ!深祥!」
「分かっとる!男と男の、約束や!」
このような会話が、日常茶飯事だったように。
俺達は、同期であった事と気が合った事もあり。会社では有名で、よく二人で仕事を任されていた。
そんな、ある日の事。またいつものように、二人で仕事にあたっていた。それも会社の今後を、左右するかもしれない重要な仕事だった。
そして、その重要な仕事の期日の日の朝方の事だ。
「おい、深祥。こっちは、終わったぞ。そっちは、どうなってる?」
「………」
「はぁ~、深祥。忙しくても、返事ぐらいしろよ」
「……スゥ」
「深祥?」
「……グゥ」
「!?おい!起きろ、深祥!データが消えてってるぞ!」
「…う、う~ん!?……あ、ああ!?」
それから数分後、どの程度のデータが消えたかのチェックが終わった。二人では、到底半日で終わる量じゃなかった。
「………禎康。俺は、どうすりゃあいい!?」
「俺も、約束だから!手伝ってんだ!まずは、口じゃなく手を動かせ!」
「こんなの、頑張っても!期限の昼までに、間に合うわけないやろ!」
「間に合うか、間に合わないかじゃない!まずは諦めないで、やる事だ!」
「そない、ゆうたって!どう考えても無理やん!終わったんや!俺の、社会人生活が!」
「まだ、諦めるのは早いって言ってんだ!早くその口閉じて、手を動かせ!」
「…悪かった。ちょっと、気が動転してもうた。禎康、俺も諦めへん!」
「そうだ!まだ希望はある!出社して来た奴に、片っ端から頼んでみようと思う!」
「…そうや!その手が、あったやないか!禎康は、頭いいなぁ~!」
「これでも間に合う保証は、どこにもない!だから、早く手を動かせって言ってんだ!」
「ああ!本当に悪かった!俺が、間違っとったわ!」
それから急ピッチで、データを作り直していき。入社して来た同僚に、無理を言って協力してもらって、期限である昼の十二時を、数分過ぎた時に完成した。
「よし、出来た!皆!協力してくれて、ありがとう!」
「「「「「今日は、奢って貰いますよ!」」」」」
「ああ、お安い御用だ!」
数分遅れたが。どうにか商談は、纏まったそうだ。
皆の協力により。どうにか、切り抜けたと思った。次の日。俺と深祥は、社長室に呼ばれていた。
「貴方達を呼んだのは、他でもありません。昨日の事です。貴方達のおかげで、仕事が遅れた者や商談が無かった事になる所でした。商談相手の社長は、遅れた原因を作った者に、責任を取らせて辞めさせれば、今回の商談を成立してくれると。そう言っています」
そう社長に説明されて、深祥を裏切れないので、俺は黙っている事にした。
「…」
「…」
「どっちが、原因なんですか?」
「…」
深祥がやっと口を開いて、一言言った。だが、信じられない一言だった。
「…雪谷君です」
「…え!?……嘘だろ!?嘘だよな!嘘だって、言ってくれ!深祥!」
「そう、では雪谷君。今日一杯で、自主退社してくれるかしら」
「…ハ、……ハハ、………ハハハ!…………分かり、ました」
こうして俺は、会社を辞める事になった。―――
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
だが実際に、ロアに話したのは。
「―――俺は、仲の良かった親友と約束したんだ。必ず助け合うって、だけどあの日。俺達は力を合わせて一つの事を、やり遂げようとしていたんだ。でも最後の最後で、親友は俺を見捨てて逃げだしたんだ。それからというもの、俺は誰も信じられなくなって、誰も寄せ付けなくなった。でもそんな俺の前に、―――」
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
―――母親を亡くしたばかりの、空海と星雪が現れた。
「…」
「…おじさん、どうしたの?お腹でも、痛いの?」
「お姉ちゃん、違うよ。おじさんは、お胸が痛いんだよ」
「…そうだね。どっちかと言えば、…胸かな」
「じゃあ私が痛いの痛いの飛んでけ~って、やってあげる!」
「お姉ちゃんばっかり、ズルい!」
「じゃあ、せいなも一緒にやればいいよ!」
「うん!」
「「せーの。痛いの痛いの飛んでけ~!痛いの痛いの飛んでけ~!」」
「うん!?痛みが引いて、体が軽くなったよ!ありがとう!空海、星雪」
「「うん!」」
この純粋で優しい子供達の前で、みっともない姿は見せられないな。―――
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
だが実際に、ロアに話したのは。
「―――妹のような、二人の女の子が現れた。その子達は、世界の残酷さをまだ知らない、純粋で優しい子達だった。俺は、そんな彼女達が大きくなるまでは見守ろうと。そう決意したんだ。だけど、俺がとても遠くまで来てしまった。帰り方も、分からない。だから、どうかあの二人が幸せである事を、いつも願っているんだ!」
「…」
「ごめんね。つまらない話して」
「……んんん!」
強く首を振り、否定してくれた。そしてロアの瞳には、確かに光が見えた。
「!?…俺はまだ、新人冒険者になったばかりだけど。もし、お金が貯まったら。その時は、君を迎えに来るよ!その時、もしロアがよかったら。俺の、家族になって欲しい!」
「!?!?」
「これは、俺とロアの約束だ!」
「!?!?!?」
「あー!お前ー!ロア姉から、離れろーー!」
二人っきりの空間に、怒り狂ったような叫び声が突如響いた。
声のする方に、振り向くと。俺に向かって、突っ込んでくるルリンの姿があった。
「おっと!?いきなり、どうしたんだ!大丈夫か!?」
「アイツの質問が終わって、来てみれば!ボクの大切なロア姉を、誑かしやがってぇー!」
「!?誤解だって!ちょっと、俺の昔話を聞いてもらってただけだよ!なぁ、ロア」
「!?……!」
返事はないが、顔を背けた。
「今の反応は!ボクの中で、アウトだよー!このー!」
「…ルリン!…やめて!」
「…ロア姉?なんで!?そんな奴を、庇うの!?」
「おい!お前達が、喧嘩してどうする!?ロア、ルリンが俺に怒ってるのは、ロアが大切だからだよ。そして、人は人と真正面からぶつからないと、相手の人の事を理解できない。だから俺も、ロアやルリンと直接話して、二人の事を知りたいし俺の事も知ってほしいんだ」
「…ん。…分かった」
「悪かったよ。今度ロアと話す時は、ルリンも一緒にな!」
「ハァー!ふざけるな!ボクは、常識も知らないお前となんて、話したくない!ボクはロア姉さえいれば、それでいいんだから!」
「お!ユニサス、ここにいたか?こっちの用は、済んだぜ!あとは冒険者ギルドに戻って、ギルドIDを回収したら!代金を払って、契約するだけだ!」
「契約?」
「またか!?まあ実際に、見せながら説明した方が!速いだろ!」
「え!?部外者がいても、いいのか?」
「別に、観てる分には構わない!じゃあ、ギルド本部に行くぜ!」
「ああ!また、来るから」
「…ん」
「ふん!もう二度と来るな!」
俺達二人は、ギルド本部に戻った。
「お!待ってたよ、アンタ達!」
「お待たせしました」
「ほら、イービスのギルドIDだよ。アンタは、商人て言ってたけど、確認はしときな」
「そうだな!ステータス!」
俺以外で、ステータスを表示させただろう瞬間を始めて見たが。
(確かに、何も見えない。そして、イービスの目だけが。何かを読んでるように、左右に動いている。俺も、ステータスを読んでた時や。鑑定スキルの、鑑定結果を見る時。あんな感じなのかな?チョ~恥ずかしい!)
そして突如イービスは、とても良い笑顔で笑い出した。
「ふ、ふはは!確かに、商人系だった!今日は、最高の門出だ!良い友に恵まれ!良い仲間を得て!そして、良いジョブだった!」
「良いジョブだったのか?」
「ああ!オレ様の野望を達成するのに、持って来いのがな!」
「友達として、お祝いするよ!おめでとう!」
「ありがとよ!ユニサス!じゃあ、オレ様の野望のために必要な仲間を。迎えに行くか!」
「おう!」
「アンタ達、なんか楽しそうだね!奴隷施設で、いい事でもあったのかい?」
「ああ!オレ様の野望のために必要な、運命の出会いだ!」
「俺はそこまでは、恥ずかしくて言えないけど。運命的な、何かは感じたよ!」
「十分同じ事を言ってると、アタシは思うけどね」
「オレ様も、そう思うぞ!」
「…そうですか?」
「はぁ~、もういいよ。それより、まだ用があるんだろ?」
「そうですね」
「行くぜ、オレ様の野望のために!」
それから、すぐに奴隷施設にとんぼ返りする前に、テーブルの方から一人の女性が近づいて来て一言言った。
「……あの~、坊ちゃま。まだマドカを移していないので、奴隷施設に行っても代金払えませんよ」
「…それもそうだな!」
「………ワタシの事、忘れてましたね」
暗い顔になったラワーさんから、マドカを移して貰ってから。今度こそ、奴隷施設に向かった。
誤字脱字、変な表現などありましたらご指摘ください。
ステータス、変化なし。
2017/9/14 改稿しました。




