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人生の終わりと始まり

初投稿です。

昔から想像していた設定で、少し書いてみました。

文章を考える事がとても下手です。なので、情景などの細かい説明とかがあまり出来ません。

すみませんが、そこらへんの事には目を瞑ってもらい読んで頂けたら幸いです。

あと、私は打たれ弱いので悪い批評・批判・感想はやめてください。お願いします。

 突然だが、俺は今日という日を決して忘れる事は無いだろう。なぜなら、俺の人生が根底から大きく変わった日だからだ。



 ❖ ❖ ❖ ❖ ❖



 今日は5月6日で、朝から黒い雲に覆われていて、時々雨が降っている。


 俺の名前は、雪谷(ゆきたに) 禎康(さだやす)。今年の10月13日で31歳になる。

 高校卒業と同時に上京し、入社した会社で数年働いていたが、同期入社した同僚に裏切られ、仕事の失敗の責任を取らされて、クビ同然に会社を辞めた。

 それからすぐに、俺は逃げ去るようにして田舎の実家に帰った。と言っても、今は結婚して子供もいる(あつし)兄さんの家のような物だが。


 そして仕事人間だった俺は、それまで使い道がなくて、ただただ通帳に貯金されていたお金を切り崩し、生活費や家賃代わりに月数万円を忠兄さんに払い、昔俺が使っていた部屋を使わせてもらって生活している。

 今は職に就かずに貯金を使って、本やインターネットで得た知識を、実際に試して過ごしている唯のニートだ。

 だが貯金もさすがに底を突きそうなので、そろそろ仕事を探して働かないといけない。

 それに忠兄さんの娘達も、もうすぐ中学生になるので、これを機に家を出て行った方がいいかな。とも考えている。


 この家で、今一緒に暮らしている家族は父の雪谷(ゆきたに) 玄蔵(げんぞう)と母の雪谷(ゆきたに) 美春(みはる)。そして、雪谷(ゆきたに) (あつし)兄さんと忠兄さんの二人の娘。最後に俺だ。ああ、それにペットで愛犬のサクラがいた。

 なぜ、忠兄さんの奥さんが住んでいないのかと言うと。離婚や別居ではなく、お義姉(ねえ)さんである雪谷(ゆきたに) 豊愛(とよえ)さんは、数年前にそれまでの無理がたたって、重い病に罹り亡くなったからだ。


 それというのも、豊愛お義姉さんはまだ幼い頃に両親を亡くし、それから叔母夫婦に世話になっていたらしい。そして豊愛お義姉さんの両親が宮司と巫女を務めていた神社を守るために、叔母夫婦は仕事を辞めて、宮司になるために色々頑張ったらしい。なので叔母の家族の中では肩身が狭く、家事や巫女の売り子などの自分に出来る事は積極的にしていたらしい。

 そして、忠兄さんと結婚した後も、神社が忙しい年末年始などは手伝いに行っていた。それは子供が生まれて、子育てがあっても変わらず。その無理が積もり積もって、とうとう発病してしまったのだ。医者が忠兄さんに最初に言った言葉は、「もう手遅れです」と、そう言われたそうだ。

 そして死期を悟った豊愛さんは忠兄さんに、自分がどれだけ幸せだったか。そして最後に、「私の分まで娘達を幸せにしてあげてほしい」と伝えて、息を引き取ったらしい。


 豊愛お義姉さんが亡くなった頃俺は、ちょうど仕事を辞めるきっかけになった大仕事で集中していて手が離せなかったため、忠兄さんからの連絡にも気付け無かった。

 そして俺は仕事を辞めて、この家に帰って来た。それから最初に行った事は豊愛お義姉さんにお線香をあげて、お葬式に参加する事だった。


 父と母は近所でも有名なおしどり夫婦で、月に一度は夫婦旅行に行っている。そして今も、両親は昨日からオーストラリアに旅行に行っていて、当分は家に帰って来ないだろう。

 そして忠兄さんは、豊愛お義姉さんの最後の望みである。私の分まで娘達を幸せにしてあげてほしい。と言うお願いを守るために、娘達には何不自由ない生活をさせようと仕事人間のように働き続けている。

 だが豊愛お義姉さんのように、娘達を失う事を一番恐れるあまりに門限を決めたり。俺や両親に、娘達だけでは外出をさせないようにお願いしてきたり。過保護なくらいに娘達を大切にしていて、休日はどんなに疲れていても娘達と共に過ごしている。


「ただいま!」

「おかえり」


 今帰って来たのは忠兄さんの娘で、俺にとっての初めての姪の雪谷(ゆきたに) 空海(くみ)。7月20日の海の日に生まれて、今は11歳の小学6年生で、母(美春)の遺伝なのか瞳と髪の色が明るい茶色で、目は豊愛お義姉さんに似て大きくて優しい感じで、髪型は肩にかかるほどのミディアムで髪一房を横で結んで残りの髪を下に(おろ)したワンサイドアップヘアにしている。なぜだか俺は、空海が小さい頃からこの髪形しか見た事がない。

 性格は豊愛お義姉さんに似て、いつも明るく元気で誰にでも優しくしているので、近所ではアイドルのように慕われている。

 まだ帰った来ないが、忠兄さんにはもう一人だけ娘がいて、空海の1つ年下の妹で、俺にとってはもう一人の姪の雪谷(ゆきたに) 星雪(せいな)。星雪は(うるう)年の2月29日生まれで、今は10歳の小学5年生で、瞳と髪は豊愛お義姉さんに似て綺麗な黒色で、目は忠兄さんに似て少し細くて冷静そうな感じで、髪型は胸の辺りまでのロングで前髪を揃えたぱっつんヘアにしていて、神社で巫女の売り子を手伝う時などは後ろで一本に結んでいる。

 性格は忠兄さんの真面目な所と豊愛お義姉さんの優しい所に似ている。そして巫女の娘だからか特別な才能があり、勉強もスポーツも何でもそつなくこなしているので、周りの人達からは天才少女と呼ばれているが、誰も見ていない所で影ながら努力を怠らないしっかり者で大人びた子だ。

 そして今日も、最近習い始めた弓道のために、当分は帰って来ないだろう。


 俺は無職(ニート)で家にいるので、忠兄さんの代わりに姪達と遊んであげたり、学校での出来事などの話を聞いてあげたり、いろんな所に連れて行ってあげたりもしていた。


「ちょっとサクラの散歩に行って来ますね!」

「キャンキャン!」


 さっき学校から帰って来たばかりの空海が、愛犬のサクラの散歩に出かけると言い出した。

 でも今日は朝から空を厚い雲が覆い、外は薄暗く今にも雨が降り出しそうな空模様だし、忠兄さんにも出来るだけ一人で外出をさせないでくれ。と頼まれているので、特に用事も無いが俺も一緒に出かける事にした。


「空海ちょっと待ってて、俺も一緒に行くよ。それから、雨が降りだしそうだから傘をちゃんと持ってね」

「え!?散歩に付き合ってくれるんだ!嬉しいな♪…サクラ、よかったらフリスビーもやる?」

「キャンキャン♪」


 なぜか空海が、とても上機嫌になり。フリスビーと聞き、こちらも上機嫌になったサクラと共に、フリスビーを持って先に玄関から外に出て行った。

 そして空海とサクラに続き、俺も外に出て玄関の鍵を閉めてから、家の前の人通りがほとんどない道に出て、いつもの散歩コースをサクラを先頭に、空海と俺が並んで十分程歩いた頃。ぽつぽつと雨が降り出し、ものの数十秒後には土砂降りになっていた。なので俺と空海は、持って来た傘を差した。


「雨が考えてたより強くて、空海が濡れて風邪をひいちゃいけないから、空海は散歩はやめて先に家に帰ってて。俺はそこのコンビニまで行って、空海の好きそうなお菓子でも買って帰るから。はい、家の鍵」

「え~、私も一緒に行きたいなぁ。…風邪ひいても、別にいいですし」

「そんな事言ってると、お父さんが心配しちゃうよ。…それに、サクラも風邪ひいたら可哀想でしょ?」

「クゥ~ン」

「…そうですね。じゃあ私は先に帰って、お風呂に入りながら、買って来てくれるお菓子を楽しみにしてますね♪」


 空海が(もと)来た道を差した傘をクルクル回しながら、引き返して帰って行くのを数分見送ってから、俺も傘を差しながらコンビ二に向かって歩いて行った。

 目ぼしい物は、ほとんど何もない田舎道を二十分程歩き、国道沿いのコンビニが見えてきた頃。急に背後から、雨音に混じるエンジン音が聞こえてきたので振り向くと。そこには、俺に向かって走って来る車が一台だけ見えた。その距離は、もう十メートルもなく。一瞬の事で、俺は何が起こっているのか分からずに、その場で立ちすくんでいた。

 そして次の瞬間には、俺は車に轢かれていた。


 ドンッ!!

「カハッ!?」


 とても強い衝撃を受け、肺の空気が全て出たような錯覚と、体中を激痛が駆け巡ったと思ったら、一瞬で痛みが引いた。

 無意識で閉じてしまった目を開けると、そこには。白い壁に四方を囲われていて、床が大理石のような石で出来ていて、それから天井が学校などでよく見るような模様の板張りになっている、何ともちぐはぐな六畳程の小部屋だった。

 この小部屋には、二人掛けのソファーが向かい合わせに二つあり、間に長方形のガラスのテーブルがあって、どこか応接室のような感じだ。

 そして何故か、ソファーの一つに俺は座っていた。


「……ここは何処だ!?さっきまでの出来事は、…夢だったのか!?」


 ここが何処なのか、そして俺がどうなったのかも分からずに、周りの様子を窺うように見回していると。


 コンコン、ガチャ。


 白い扉が開き、白いワンピースのような服を着ている、黒髪黒い瞳の女性が現れた。

 だが俺は、白い壁に一瞬で白い扉が出来たかのように、扉自体に全然気付いていなかった。


「この度は、お忙しい中御越し頂いて有難う御座います。あなたの担当になりました《ルリ》と、申します。本日は、簡単なアンケートにお答えしてもらいたく、御呼び致しました」


 言っている事と服装がちぐはぐだが、見た感じ普通の女性が平然と話しかけてきた事により。俺はほんの少しだけ、安心してしまった。


 (俺が車に轢かれたのは、やっぱり悪い夢だったんだな。よかったぁ~!…でも俺は、いつの間にアンケートを受けるために、こんな所に来たんだ!?)


 まだ状況が全然理解出来ていない俺は、彼女の言葉に疑問を持ちつつも条件反射で返事をしていた。


「あ、はい!?分かりました」

「では、こちらのアンケートにご記入をお願いします」


 俺は、アンケート用紙とペンを受け取り。アンケート用紙の項目を見た。


 下記の質問に答えてください。

1.生まれ変わるなら? 男/女


2.異世界は、あると思いますか? YES/NO

 YESなら3.~10.に答えてください。NOならここで終了です。


3.今までの人生で、一番楽しかった時は? 【         】


4.好きな色は? 【         】


5.冒険を、してみたいですか? YES/NO


6.人間以外の種族は、いると思いますか? YES/NO


7.武器・魔法を使ってみたいですか? YES/NO


8.魔物は、いると思いますか? YES/NO


9.勇者は、いると思いますか? YES/NO


10.ハーレムを、どう思いますか? 【         】

 お疲れ様でした。


 (なんだこのアンケートの項目は、ほとんどがファンタジー的な質問だ!?…これで何を調べるつもりなんだ!?)


 アンケートの項目を読み。俺の頭の中で、ますます疑問が膨らんだが。まずは、アンケートに記入する事にした。


 (え~と。まず1.は、性別が変わるなんて考えたくないし。当然、男だろ。…次の2.は、YESだな。俺達が住んでいる世界があるんだから、異世界があっても不思議じゃないしな。…そして3.は、【小学生時代】かな。あの頃は何も気にせずに自分らしくいられたし、何でも出来そうな気がしていた。4.は、【青】だな。それで5.は、今までの人生は退屈だったしYESでいいかな。…で6.が、う~ん?俺達の世界にはいないけど。ファンタジー小説なんかでは、異世界には普通にいるからYESかな。…で7.は、日本男児たる者、一度は刀なんかを持ってみたいな。それに、魔法は使えるなら使ってみたいから。YESっと。…で8.が、そうだな~。ファンタジー小説とかだと、ほとんどの場合は、人類の敵だけど違うかもしれないからな。もし一般的な魔物なら、それはそれでスリルがあるかもしれないから。YESっと。…で9.は、勇者は異世界ファンタジー小説の王道だから。YESで!そして最後の10.は、まさに【男のロマン!】かな。……で、終わりか)


「終わりました」

「はい、お疲れ様でした」


 俺はアンケート用紙を彼女に渡した後に、疑問に思った事を質問してみた。


「これは、いったい何のためのアンケートだったんですか?」

「そうですねぇ~。…あなたのように寿命(じゅみょう)以外で亡くなった人達を、この後どうするか決めるためですよ♪」

「…は!?」


 彼女は笑顔で質問に答えてくれたが、いつの間にか髪が金髪になり瞳が碧眼になっていた。

 そして彼女の言った内容にも彼女の変化にもついていけずに混乱している俺をよそに、彼女は畳みかけるように話を続けた。


「では、あなたのアンケートへの回答から。あなたには異世界ハーピアで、12歳の男の子から人生をやり直してもらいます」

「え!?」

「勇者や魔物。そして、多種族が存在する。剣と魔法のファンタジー世界です。それでは、第二の人生を楽しんで下さいね♪」

「ちょ、ちょっとm」


 彼女の話の内容が受け入れられず。ちょっと待って。と、言おうとした瞬間。

 俺の意識は、闇の中に落ちていった。


「ふぅ~。今回の人も、どうにか新たな人生に送り出せました。良かった、良かった。でも、異世界ハーピアへの転生者は、私の知る限り久しぶりでしたねぇ。…あ、中途半端な転生なのに、お金を渡すのを忘れてました!?…どうしましょう?」



 ❖ ❖ ❖ ❖ ❖



 ぼんやりとした意識で目を覚ました俺は、まず最初に鼻孔(びこう)をくすぐる花の匂いと頬を撫でる心地よい風を感じた。それに今までの、日に日に増していった荷物を下ろして、子供の頃の体みたいに軽く感じ。そして、耳元でガタガタ雑音が鳴るのと同時に体に振動と衝撃が来るのだった。

 そのおかげ(せい)で、意識が覚醒してきたので目を開くと、そこには在るはずの天井が無く。どこまでも続くかのような、青く透き通った空が広がっていた。


 (なんて綺麗で、壮大な空なんだ。まだこんな空が、日本にもあったんだな。そういえば子供の頃に、父さんの軽トラの荷台で寝ちゃった時も、こんな感じだったな。まあ振動と衝撃は、あの時よりキツイけどな)


 と、のんきな考えで、体を伸ばしながら上体を起こした。


「う~ん。……え!?」


 目に飛び込んできた景色があまりに衝撃的で、一瞬意識が飛んだ。それもそのはずだ、なぜなら今見える景色は、見渡す限り今まで一度も見た事がない程の大平原だったからだ。


「ここは、いったい何処だ!?」

「お、起きたようじゃな」


 大声を出した俺に、背後から声をかけられたので振り向くと、そこには馬の手綱を握っているお爺さんが、御者台に座って俺の方を振り返って見ていた。

 そして俺は、自分が今まで何処で寝ていたのかを知った。

 なんとそこは、変なお爺さんの馬車の荷台だった。



 ❖ ❖ ❖ ❖ ❖



 この時の俺は、まだ気付いていないが。この日から俺の、新たな人生が始まっていたのだった。

誤字脱字、変な表現などありましたらご指摘ください。

あと大まかなストーリーは出来てますが、最初に書いた通り文章を考えるのがとても下手で時間がかかるので次話以降の投稿がいつになるか分かりませんが長い目で見て頂けると幸いです。


2017/7/1 改稿しました。

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