後輩系ヤンデレ
――――私は、センパイに恋をした。
それは何時だったか、私と最初に出会ったのは、何も無い通学路。
私はその時高校一年生、センパイはもうじき卒業間近で、影の薄い人だった。
黒ぶちの眼鏡に染め上げていない真っ黒な髪、地味目である印象だったけど、何故か私はセンパイから目が離せなくなった。
たった数分の出来事、センパイと距離の遠い隣り合わせ、センパイの視界に入らない程度に、私の恋愛飛行は走り出す。
一度も会話を交わせる事も無く、夏を過ぎて秋を過ぎ、とうとう冬を過ぎて、春になった頃には、センパイはもう居ない。
独りよがりの恋の道に、私は自らの肉が食い潰される様な苦痛が広がる。
センパイが居なければ、私は駄目になってしまう。
センパイの傍に居なければ、私は可笑しくなってしまう。
この感情は、既に狂気に満ちたものなのは知っていた、私の恋は、人を殺める程に危険なものだと知っていた。
けれど、それでもセンパイへの思いは断ち切れない、本当に好きなら、諦めるべきなのに、本当に愛しているなら、首を括って、一つの狂気を取り除かなければならないのに。
けれど、死ねばもう二度と先輩には会えない、たった一つの悩みは、私を射殺すほどまでに昇華して行く。
悩んで、悩んで悩んで悩んで悩んで、悩んで悩んで悩んで、其処で私は、答えに辿り付く。
だったら、センパイを殺せばいいんだ。
センパイを殺せば、もう誰の手にも入らない、私の、心の中だけで生き続ける。
その答えは、酷く醜いものだった、自分の"生"の為に、他人に"死"を要求するなんて、最低だ。
けど、それしか方法は無い、私の手で、センパイを殺さなければ、この心は、私の人格を殺して、他の人を殺してしまう。
それだけは嫌だ、私はセンパイに、ただの後輩として見てほしいだけなのに。
私の狂気で、人を殺して、"ただの後輩"から"殺人鬼"に、変わりたくない。
今はまだ、小さい爆弾、けれど、センパイを思えば、この爆弾はクレーターを作り上げる。
そのクレーターを作るまでの時間までに、私はセンパイを殺さなければならない。
―――ねえ、センパイ、大好きですよ?
センパイが笑わなくても、私と目を合わせなくても、私がセンパイを見て、私がセンパイを想うだけで、私は幸せです。
だからセンパイ、お幸せになって下さい、私はセンパイを愛しています、けれど、私はセンパイを不幸にさせます。
だから、だから、センパイ、一番じゃなくてもいいんです、私を見て、この矛盾する狂気に気が付いて。
それで、私を抱きしめて、心配するな、何て声をかけて、私を、私をギュっと、抱きしめて。
でも、一番じゃなくてもいいけど、やっぱり、他の女には取られたくないです。
私が一番センパイを想っているから、私が一番、センパイに恋をしているから。
センパイ、大好きなセンパイ、私の想い人、私が殺さなければならない人。
今はまだそんな時期じゃないけど、いつか殺さなくてはならないと思うと、心が痛みます。
けど、センパイならきっと分かってくれます、あの時みたいに、笑って許してくれます。
許してくれますよね?センパイ、センパイ。
センパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイセンパイ
許してくださいそう云ってください私は悪い子なんですセンパイが私を正してください私は誰も殺めたくありませんだからセンパイ死んでください私のものになってくださいお願いしますセンパイのためなら何でも捧げます何でも云う事を聞きます暴力も受け入れますエッチも頑張ります痛いこと全てが先輩の愛だと思えば何でも出来ますセンパイのためなら人も殺せますし友達も親友も家族も誰でも殺しますだからお願いします私を見て私だけを私だけをずっとっずっとずっとずっとずっと私だけを永遠に見続けてください私以外の女を見ないで下さい私以外を愛さないで下さいお願いします私が何でもしますからだからだからだから
――――だから、この愛を受け入れてください。
センパイがいったい何なのかと思わせるぼどのゲシュタルト崩壊ヤンデレの愛は深い(白目)