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第1話   体 ♂→♀

朝、起きたら女になっていた。

ふと、そんな事を思ったので書いてみました。


アドバイス、感想、評価お願いします。

「うーん」


俺は日曜日、いつも通り目を覚ました。

ベットから体を起こすと、体の異変に気が付いた。

自分の声が可愛かったのだ。それだけじゃない。

胸に『なにか』ついているのだ。え? なにこれ?

その『なにか』を触ってみると、めちゃくちゃ柔らかかった。マシュマロみたいだった。

おい、やべえよ……。


「これって女の人についている……」


ようやく俺は、その『なにか』が何か分かった。

胸だ。男のではなく、女の。

え? どういうことなの……。


「ハッ!」


俺はパンツの中を確認した。


「な、無い……。」


そこには本来ついていなければいけないものがついていなかった。

俺、女になったようです。


「マジで女になってるじゃん……」


~~~~~~~~~~~~~


俺は洗面所の鏡の前で自分の姿を確認していた。

そこに映っていたのは、美少女だった。

整った顏。ショートカットの髪で、若干茶色がかっている。

身長も『男』の頃の俺と違って低くなっている。

比較的小柄になっているため、その標準の大きさの胸は大きく見えた。


「見た感じ、同年代ってところか……」


俺は今の自分の姿を冷静に分析していた。

まあ、さっきまではテンション上がって、ずっと胸をもんでたんだが。


すると、トコトコとこっちに向かってくる足音が聞こえてきた。


「あれ? 電気ついてる。(かえで)いるの?」


その女性はそう言うと、洗面所に入ってきた。


「な!? だ、誰よアンタ!?」


驚愕の表情を浮かべてその女性は言った。


「姉ちゃんか……」


完全に固まってしまっているこの人は、藤宮翼(ふじみやつばさ)。俺の姉ちゃんだ。

俺と一緒の水ヶ丘高等学校に通っていて、俺の一つ上の学年で高校3年生だ。

頭がよく、スポーツもでき、おまけにルックスもいいのでかなり男子からモテているらしい。

女子からの評判は知らないが。


「ね、姉ちゃんって!? もしかしてあんた楓?」


訝しげに姉ちゃんは聞いてきた。


「ああ、そうだよ。楓だよ」


かわいらしく答えてみた。


「どういうことなの!? 女になってるじゃん……」


まあ、信じれないのも当然だろう。俺もさっきまで信じ切れてなかったから。

すると、姉ちゃんは訝しげな視線をこちらに向けてきた。


「本当にアンタ、楓?」


信じてくれないか……。ならこれを言えばよいだろう。


「あれは確か、姉ちゃんが中学3年の頃――」


俺が言い終わると、姉ちゃんは納得してくれたようだった。


「あの話を知ってるのは楓だけ……。てことはほんとに楓なんだ……」


「やっと信じてくれたか……」


ちなみにあの話というのは秘密だ。他の人に言ったら姉ちゃんに殺されてしまう。


「でもなんで、女になってるの?」


「いや、俺にもわからん……」


すると姉ちゃんは突然、怒りだした。


「てかなんで、私より胸が大きいのよ!」


そういいながら俺の胸をわしづかみにした。


「痛い! 痛い! 取れちゃうから! それになんで胸が姉ちゃんより大きいかは知らないよ……」


俺は目線を姉ちゃんの胸へとやった。

いや、ちゃんとあると思うよ? まな板がふくらんだぐらいは……。


「姉ちゃん……」


姉ちゃんは怒ったまま俺の胸を握りながらこちらを見た。


「何?」


俺は優しい微笑みを浮かべて言った。


「まだ望みはあるよ」


「黙れ」


「うっ!」


腹を殴られてしまった。女の子にそんなことしないでよ……。


~~~~~~~~~~~~


俺達『姉妹』はリビングに行ってすぐ異変に気付いた。

親がいない。親の部屋に行ってもいないのだ。

父と母は、今日は仕事が休みのはずだ。

二人で出かけたのかと思った。でもそれは違った。

リビングのテーブルの上に置手紙があった。

その手紙には衝撃的なことが書いてあった。その手紙を姉ちゃんと一緒に読んだ。

内容はというと


『毎年、いつ出ていこうかと思っていましたが、楓の誕生日の今日、出ていこうと思います。2人ともこんな母と父を許してください。17歳の誕生日おめでとう、楓』


こう書いてあった。


「そうだったな……。6月14日は俺の誕生日だったな……」


ただ、疑問は残った。


「てか、どういうことだよ……。俺が女になっているのと関係があるのか?」


姉ちゃんは少し考えるそぶりを見せたあと口を開いた。


「多分そうだろうね。じゃないと、親が出ていった理由がわからない……」


しばらく無言が続くと姉ちゃんが口を開いた。


「うん。大丈夫だよ! いつか2人とも帰ってくるって!」


いつか、か……。それはいつになるのだろう。ただその疑問を姉ちゃんに投げかけることはできなかった。姉ちゃんは笑顔だったがその笑顔の間に不安そうな表情も見え隠れしていたからだ。

俺も、無理やり笑顔をつくり姉ちゃんに言った。


「そうだな……。いつか帰ってくるよな!」


「うん。そうだよ! 二人とも長い旅行に行ってるんだよ!」


「そうだよな……」


「よし! 買い物へ行こう!」


「は?」


唐突すぎるだろ……。

すると、姉ちゃんは首をかしげて「なんで?」みたいな表情をしてきた。


「だって、男物の服しかないでしょ?」


「そうか……。ブラも姉ちゃんのだったら合わないしな……」


「うるさい」


「うっ!」


また姉ちゃんに腹を殴られた。だから女の子を殴るなって……。

なんでこんな奴がモテるんだよ……。

誤字脱字があれば教えていただけると幸いです。

評価などお願い致します。

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