オリーブとトリカブトとノウルシ〔後編〕
二人はタワーの内部へと侵入していった。中では軍人達がピュトン達を誘導していた。ピュトンの頭にはアンテナのようなものが埋め込まれており、恐らくそれでピュトンに電波を支配しているのであろう。
突然タワーの壁が爆発し何人かの男達が出てきた。
一人は鉄球のようなものを持っていた。本来鎖の部分は植物の弦だ。 果実の使用者らしい……
すると男が言う。『俺たちチームムグンファがお前たちの野望を止めてみせる!』
『い、いまなら……あいつらが戦ってるうちに……』トムがそういうとタワーのおく深くへと進んで行った。
少し進んだところで軍人がある部屋を守っていた。『このままじゃ見つかっちゃう……』由紀がそういった直後、トムの頭の中に声が聞こえた。
‘’トーマスくん……右の通路の四ブロック進んだ所に隠し通路があるよ‘’
由紀に確認したがそんな声は聞こえていなかったというトムたちは言われたとうり進んでみるとたしかに4ブロック進んだ所に不自然な壁があった。
押してみるとパスワードを入力する装置が出てきた。‘’28614083‘’トムの頭にまた声が聞こえる。パスワードは見事入力に成功、由紀は唖然とした。
開いた通路の先には3つの部屋があった。
1つにはトリカブトと狼とカラスが混ざったようなマーク、1つには紫のノウルシという花のマーク、もう1つはオリーブをくわえた鷹のマークだった。
‘’僕はオリーブだよ‘’トムはそれを聞くとオリーブの部屋に入ろうとしたが、由紀が止めた。『罠かもしれない……止めようよー』『たぶんこの人はなにもしない……だって俺は普通の人間だし』由紀はあきれたようにして、『じゃぁ……私はこのノウルシの部屋の中を調べるね』そう言って由紀は部屋へと入っていった。トムもオリーブの部屋へと入っていった。
『よく来たね……』そう言ったのは全身植物で覆われている人形の物だった。『こっちへおいで……トーマスくん……君にあげたいものがあるんだ……』そう言って差し出されたのはガーベラの果実だった。
『あなたはいったいなんなんですか?』トムはそれに聞いた『僕は初めての果実の使用者……月で植物にとりつかれたものだよ……』トムは何かを思い出した
『オリーブ……鷹……まさか…アポロ11号!!』そう、鷹がオリーブをくわえているマークは元々アポロ11号のマークだったのだ。『そうだ……僕はね、アポロ11号の搭乗者、ニール・アームストロングだよ』
トムは唖然とした。ニール・アームストロングは2012年8月25日に死んでいたからだ。『テレビではそう言っているけどあの後生き返ってね、このザマだよ……あ、僕の能力は脳内を覗いたり、声を送ったりできるんだ』そう言ってトムに近づいて、『君の宝物だった本と同じさ……僕は鷹のようだね』ニールはトムの頭に手をおいた。その瞬間トムの頭に全ての言語、全ての歴史、これから起こることが脳内に入ってきた。トムはいつの間にか果実を食べていた。
『さぁ……ゼィゼィ……君はアメリカへ……』そう言ってニールは倒れた。
そのころ由紀は部屋であるものに発狂していた。悪魔のようなその見た目の果実の使用者だった。『へっ、人間がここに入ってきたか。まぁ暇してたとこだし、いたぶってやる……苦しみ、もがけ!!ユーフォルビン!』由紀の脚に紫の水が飛んできた。由紀の脚は紫に変色し、激しい痛みに襲われた。このままではまずいと思い、由紀は部屋を出た。少し進んで倒れ込み、苦痛にさいなまれていた。
『貴方が苦しむ必要はないわ』そう言ったオレンジ色のマフラーをした女性は由紀の首をしめた。
由紀はあり得ないほど早くしんだ。
駆けつけたトムは由紀の死体を見ると、何が起こったのか、全てを理解した。記憶にあったからだ。
トムはタワーを出てアメリカへと向かった。
そのころムグンファはピュトンと戦っていた。そこへスヨンがやって来た。『素晴らしい戦闘能力だ。驚きだよ……私の十分の一程だな』スヨンは空へと手を伸ばした。その瞬間小石程の大きさの隕石がムグンファの全員の頭を貫いた。『ふん、すぐにタワーをアメリカに向けて発進させろ』タワーはジェット機へと変形し飛び立った。
『ついに時が満ちた……』黒由利が囁いた……




