ダレカー、タスケテクダサイ
スタール·ブレイバー…俺が一番苦手な人物…嫌いではなく苦手…何が苦手か?性格だ!正義感が強く、真っ直ぐで正直者、こいつを見てると自分に対する劣等感がえらいことにゲフンゲフン…とにかく俺はこいつが苦手なのだ!
なのに…な!の!に!!!…この男は姫様といっしょに居ることが多いのだ!…いや別に嫉妬してるわけではないよ?姫様の意思でいっしょに居られるなら私程度の愚人が口出しするようなことじゃないし。
だけど…だ!け!ど!!!…気まずいんだよ!スタールといると!
せっかく姫様がこんな近くにいるのに全然楽しむことが出来ないんだ!
しかもすっごく和気あいあいしていて離れる気配も無いし~。
正直訓練なんか止めておとなしくこの場から退場してお二人だけの空間を作ってあげたいですはい。
…しょうがない…邪魔者は黙って退散しますか…団長にばれたらどうしよう。
「あ!そこの人!ちょっといいですか?」
「え?あ、はい何でしょうか?」
うわビックリした~、話しかけられたし…しかもスタール…。
「はい!実は少しだけ訓練の相手になって欲しいんですが」
…何てこった、彼が頼んで来たのは訓練の相手…騎士団内で言うところのいわゆる「模擬戦闘の相手をしてくれ」…だった。