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預言の信憑性  作者: まめ
3/9

兄と仲を深める?!

「ああ、これから、どうしたものかって思ってね」


それを言われ、シュナーゼも悩む。


「そうですね。あのセズンさんを出し抜くのは、なかなか難しいでしょうね」


「同意見で、嬉しいよ」


「だって、我々は完全に彼の気配すら読めなかった。彼が本気になれば、一発必中で我々は今頃死んでますよ」


「そう言うってことは、お前もセズンを認めているってことか? でも、お前なら」


「いいえ。僕は負けたんです、彼に。側近としても」


悔しそうに唇を噛む。


「別に、慰めるわけじゃないが、お前は負けてないと思うぞ」


「どうして、そう思うかを聞いてもよろしいですか?」


シュナーゼはどうして、そう思えないらしく、カミューに聞く。


「お前は私にそっくりな兄を見ているからだ」


「そんなことが、理由になりますか?」


「お前が警戒しなかったのは、私の身内だからだ」


「そんなもの理由になりません」


と、シュナーゼは叫ぶように、言った。


「そうだな、理由にはならないな。だが、前の王宮での暮らしを見てればそうも言えないんじゃないか?」


「ですが、私はあなたを護るのが、役目」


「そうだな、その役目は果たせませんでした。申し訳ありません」


そう言って、シュナーゼは頭を下げる。


「いや、それは、私も同じだ。あいつはいつもああやって気配を消しているんだろう。だから、あいつは何も感じさせなかったんだ。たぶん、お前が気付かないで無理ない」


「でも、俺は彼に負けたんです」


「勝った負けたとか、どうやって決めるんだ? お前がそう思っているだけだろう?」


「そうですが、でも、俺はどうしても彼に勝ちたいです」


ションボリするシュナーゼに、カミューラは笑いながら慰める。


「時間は沢山あるさ。勝てるまで何度でも挑戦したら良いさ」


と、言ったら、シュナーゼはそれに、頷く。


「そうですね。勝てるまで、僕は挑戦し続けます」


「オー、頑張ってくれ」


笑ってあくまでも、冗談のように、言う。


「カミュー様、慰める気はありませんね」


「当然だろう。俺が慰めると思うか?」


「私なら、いつでも受けますよ」


セズンは笑って言う。


カミューが当然のように胸を張って言うと、いつからいたのか、兄とセズンが笑っていた。


「ごめんごめん。一応ドア、ノックしたんだよ」


と、兄は謝る。


「どうしましたか? えっと?」


「ああ、私のことはルマンドとお呼び下さい。王子とかは止めてください」


「分かりました。では、ルマンド様、どう言ったご用権で訪ねてくださったのですか?」


「兄弟の中を、深めたくってね」


そう、ルマンドは言った。


「そうだな。俺も、深めたいよ」


カミューも頷く。


「良かった」


嬉しそうにルマンドは言った。


「じゃあ、どうします?」


カミューが聞くと、ルマンドが待っていましたとばかりに言う。


「過去を聞かせて」


「面白い話しなんかないぞ」


カミューが言うと、セズンは「それでも良いから、聞かせて、君の歩んできた道を僕にも教えて。何もなかったとは思わない。今まで辛酸と言うのを君は味わってきただろう。それを教えて欲しい」。


「なぁ」と、セズンに聞く。


「ええ、私達の想像もつかないものに違い有りません。話すのが、お辛くなければ、聞かせてもらえませんか?」


「ただ、話せば笑えるかもな。私が拾われて王宮に行った際、占い師に私は18までしか、生きられないと最悪な預言を受ける。後継ぎとして役に立たない俺は、王宮の奥深くに閉じ込められたって話だ。このシュナーゼは私の見張り役として、俺のところに来た。頭良いのにバカだよな」


「いいえ。頭良いからこそ考えられたんです」


と、セズンは、言う。


「何を?」


「自分が命を懸けても良いと思えるものに、私が王に会えたように」


「でも、こいつは俺にその時はまだ、会っていないんだぞ」


「それは、関係ないさ。あそこに俺がつかえる人がいると、何となく感じるんものなんだ」


セズンの言葉にシュナーゼは頷く。


「そうかもしれませんね。私も感じました。王宮のこの下に私がつかえる人がいるってね」


「そうなのか?」


カミューは驚く。


「ええ、そうですね。私もこの下に私の主がいると思いましたから」


「弟に言われたから、配置になったんじゃないのか?」


「違います。自分から希望を出して、それをそれならと頼まれただけだ。けして、頼まれてきたわけじゃありません」


「お前、そうなのか?」


「ええ、そうです。僕は誰かの指示で動いたりはしません」


「弟の命令じゃないのか?」


「命令じゃ有りませんね。僕は僕の意思できました」


それに、セズンは笑う。


「やっぱり、お前良いな」


「何がです」


ちょっと怒り気味にシュナーゼは言う。


「申し訳ありません。そんな意味で言った訳ではありませんが、じゃあどう言う意味でって聞かれても困りますが」


それを聞き、カミューは笑う。


「別に気にするな。こいつはマゾだ。苛められて、喜びをかんじるよ」


「誰がですか? カミュー様」


「お前しかいないだろ」


「カミュー様がそんな風に思っていたのは心外です。訂正を」


シュナーゼが、頬を膨らませて言う。


それに、カミューは笑う。


「お前いくつになった?」


「私はあなたの弟さんと同い年ですよ」


「つまり、お前は14なんだよな。そうなんだよな。お前それなのに、幼いぞ」


「失礼な。皆さん、私を大人だと言いますよ」


「そうだよ、カミュー彼は、僕らより年下だよ。それなのに、すごいよ。もう仕事をしてるなんて。それだけで、尊敬すべきだよ」


すごく尊敬の眼差しだ。


「そうだな」


カミューは少し引き気味に言う。


それに、何か納得いかず、ルマンドは怒る。


「もっと、誉めてあげなよ」


その言葉にカミューは笑う。


「こいつには、これぐらいで良いんだよ」

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