柚子の部屋と魔王の部屋で・・・
「これでよしっと!」
「柚子・・・なにするの?」
「うん・・・みんなで愚痴ろうの会だ!」
「みんなで・・・愚痴ろうの会?」
みんなで愚痴ろうの会・・・それは、日ごろから一緒にいる“執事に関する意見交換会”である。
その言葉にぴんと来たのは、不知火だった。彼は、部屋中のドアと窓に結界を張り、誰も入れないようにした。
状況を理解した芙蓉と揚羽は、その結界の上からさらに結界を張ったり、音もれ防止のための術をかけたりする。そして、桃花と柚子は、術で部屋のベットなどを動かし、その結界の内側からバリケード作成した。
「これなら大丈夫・・・だよな?」
柚子のこの言葉に、みんなも不安になりながらも中央のテーブルに集まって、用意しておいた菓子と紅茶を片手に話し始める・・・
その頃、魔王の部屋では・・・
「久しぶりじゃねぇか、冥王、閻魔も。」
「久しぶりだな。」
「・・・ひさしぶり。」
「顔色悪いぞ、大丈夫か?」
魔王は、閻魔の様子がおかしいことに気づく。そして、龍鬼に芙蓉を呼ぶように伝えようとした時「ごめん・・・本当大丈夫だから。」といって龍鬼を呼び止めた。
妃は、その様子を見て、執事達に子ども部屋へ行くように指示をした。
「ありがとうございます、妃様。」
「いいえ、気になさらないでください。」
「じゃ、酒でも見ながら話でもしようじゃないか!」
魔王のこの言葉で、彼らは父親として、友達としてそれぞれの悩みを打ち明けていくことにした。