電話で相談した結果。
コンコン
「失礼します。」
メイドが電話を持って部屋に入っていくる。
「冥王様からお電話でございます。」
魔王は、ふとあることを思い出した。古くからの付き合いのある冥王のところにもよく似た年の子どもがいることを・・・
魔王は、メイドから電話を受け取ると、子どものことを相談した。
コンコン
ガチャ・・・
「パパ・・・」
「ママ・・・。」
魔王と妃が部屋に入ってきたことで、桃花も柚子も驚きを隠せなかった。
「桃花・・・柚子もどうしてご飯食べないの?」
妃は、同じベットの上に座っていた姫達にそう問いかける。しかし、姫達は答えようとしない。
「寝てないらしいな・・・そんなくま作ってたら、揚羽にも不知火にも芙蓉にも引かれるぞ。」
魔王のその言葉に、姫達はびっくりして、魔王を見つめた。魔王から出た“揚羽”“不知火”は冥王の子どもたち“芙蓉”は閻魔の一人娘である。魔王と冥王と閻魔は古くからの友達で、子どもたち同士も幼い頃から付き合いがあり仲がいい。そんな友達の名前がいきなり挙がったことで、姫達は驚きを隠せずにいる・・・。
「来週な、みんな遊びにくるって。それまでに、このくま何とかして、元気になってないとみんなびっくりするぞ(笑)」
「遊びに・・・来るの?」
「そうだ。さっき冥王から電話があってな。みんな楽しみにしてるぞ~。」
「マジで・・・。」
「そうだ。だから、早く元気になれ。」
魔王は、そういいながら机の上に置いてあったパンを手に取ると、千切って桃花と柚子の口にほうり込んだ。
「龍鬼、緑虎。・・・少し出てもらえるか?」
「「かしこまりました。」」
魔王の一言で、龍鬼と緑虎は部屋を退室する。
「で、どうしてこんなことしたんだ?」
魔王は、姫達にことの原因をやさしく聞いてみる。柚子は、口にほうり込まれたパンをゆっくり噛んで飲み込むと「龍鬼の監視がきつい。」と静かにつぶやく。魔王は、何も聞かずに柚子の言うことを聞くと「桃花は?」と聞く。すると「緑虎が・・・本を取り上げるの・・・。」と泣きそうな顔で魔王にいった。
魔王は、しばらく黙ると「そっか・・・パパから少し言ってみる。でも、龍鬼も緑虎も、桃花と柚子のことを大事に思っているからこうしているだと思うぞ。それもわかってあげな。」といって、姫達をベットに寝かしつけた。
妃は、にこっとしながら「明日はママが野菜スープ作ってあげるから、きちんとご飯食べようね。」といって、姫達の頭をなでる。
そうすると、姫達はぐっすり眠ってしまった。魔王と妃は、部屋の電気を消して静かに部屋を後にした。