信頼
※注意1
グロ表現あり!そんなにガッツリグロイわけじゃないと思いますが念のため!
※注意2
ご都合主義あり!そんな都合良く話しが進むか!という展開ですが念のため!
※注意3
説明過多あり!そんなんここで書くなよ!という部分がありますが念のため!
以上を理解したうえで、ばっちこーいという方はご覧くださいませ
「しゃーねーな!読んでやるか!」な方もご覧くださいませ
「グロ好きじゃないんだけどなぁ」な方はご覧になっても大丈夫かも?
「mjd!グロ超期待wktk!」な方は是非ともブラウザバックから戻ることをお勧めイタシマス
鋼鉄の剣が振り切られ、その後を追うようにしてどす黒い血飛沫が舞う
血飛沫に遅れて、巨大な丸太ほどある黒い岩のような腕が宙を舞う
その腕を視界の中央に映しながら、アリサの意識はその向こう側にいる存在に向けられていた
「オーラブレイド」
短く呟くように言葉を発し、彼女は魔法を発動させる
少し前まではまともに使えなかった魔法を
使おうという意思さえなかった新たな武器を
使わなければ勝てないと思うだけの敵に向けて、発動させた
空中で両手に一本づつ構えた剣を二本とも振りぬき、そのままの勢いでさらに体を回転させる
さらに体の軸を若干ずらし、横方向へと回転しようとしていた体を、回転が終わるころには無理矢理縦回転へと変化させる
それだけでは剣の長さを足したとしても、腕一本分とはいえ巨体を誇るレッサーデーモンへは刃は届かないはずだった
しかし
魔法の言葉が呟かれた瞬間から、剣には白い膜のような魔力が張り付いていて、それが正しく効果を発揮することでその距離はゼロへと縮まった
「GYAAA!?」
一瞬
白い光が鞭のようにしなりながらレッサーデーモンの体を通り過ぎる
アリサの剣に纏われていた白い膜が、一瞬で剣の何倍もの長さへと伸びたのだ
X字に切りつけるように上段から振り下ろされたその光の筋は、そのままレッサーデーモンの体にX字に交差した
直後
突然光が接触した部分が刃物で切り裂かれたような傷ができた
それなりに深い部分まで切れたようで、まるで噴霧器を使った時のように霧状の血が大量に噴出す
痛みに反応して萎縮した筋肉が、無理矢理に傷口を塞いでしまったためにそれも一瞬ではあったが、確実なダメージを与えた
オーラブレイド
魔法のレベルとしては中級程度にランク付けされている魔法
使用自体は簡単なほうなのだが、中級に位置づけされているのは実用的なレベルで使用できるものは意外と多くないからである
魔法剣と同じ理屈で、意識しつづけないとすぐに効果が切れてしまうというのが理由の一つ
特定の属性や、副次的な作用(火傷や凍結)が無いために、使える者は他の魔法剣を使うというのも理由の一つ
しかし、今アリサがやったように、射程を延長できるという他の魔法剣では実現し難い現象を割と簡単にできるうえ、基本的な威力が高いためアリサは頻繁に使用している
なによりアリサの剣速によって放たれるそれは、直線的な軌道を描くにも関わらず、回避が非常に困難な攻撃と化す
アリサの倍以上の体格を持つレッサーデーモンが、それを避ける術などあるはずも無かった
「GAAAROOO!!!」
とはいえ、それで倒せるほど「悪魔」という種族は弱くはない
たとえそれが下級に位置する存在であろうとも、人間という枠組みの中から見ればそれは十分に上級の存在なのである
十分に訓練をつんだ騎士が小隊規模で立ち向かう相手、それをたった一人で傷を負わせただけでも、本来ならば賞賛ものなのだ
ダメージこそ負っているものの、そんなものがどうしたと言わんばかりの勢いでレッサーデーモンが残っている方の豪腕を振るう
すでに着地していたアリサは体を上半身を思い切り仰け反らせて回避
その上半身を戻す勢いを利用し、垂らしていた両手を突き出し再びオーラブレイドによる突きを放つ
腕を振り切った姿勢のせいで顔のあたりを隠していたため、目を狙おうとしていたその突きは豪腕の分厚い肉によって遮られる
遮られはしたものの、突きは腕に傷を作り、血が吹き出たことによってダメージを与えたことを証明する
レッサーデーモンは腕を振り切った姿勢のまま、元の位置に戻すようにして裏拳を放つ
今度は上半身だけで避けられないようにしたのか、やや地面に近い位置を薙ぎ払うようにして豪腕がアリサに迫っていく
一見すれば防御するために受け止めるしか無いような攻撃
しかしアリサは、その攻撃こそ反撃のチャンスだと判断した
アリサは手放し側転とでも言えるような、曲芸じみた行動によって迫る豪腕を避ける
頭が豪腕すれすれのところを避け、体はなめるようにしてギリギリのタイミングで腕から逃れていく
何も知らない人間がこの光景を見たならば、アリサが飛び上がろうとして攻撃に当たり、無様に転倒していくように見えただろう
そうでは無い、ということが理解できるのは、よほどのベテランレベルの人間でなければ、当たった感触が無いことをわかっているレッサーデーモンと、回避した本人であるアリサだけだろう
側転をしながらアリサは突きを放つ
オーラブレイドによる中距離攻撃とも呼べる突きが光の筋となって飛んでいく
それは正確に一本づつレッサーデーモンのサメを潰したような顔についている二つの目に突き刺さり、再びどす黒い血を噴出した
さすがに筋肉の萎縮で傷口が塞がるようなことは無く、激しい勢いで噴出した血が痛々しい光景を作り出していた
悪魔に同情するつもりなど微塵も無いアリサは、そのままレッサーデーモンとの距離を一気に縮めようとする
「っ!?」
近づいたと思った瞬間、レッサーデーモンの影が盛り上がったのを視界の端で確認したアリサは、そのまま踏み込む足を無理矢理止めてバックステップする
次の瞬間には影が噴水のように噴出し、レイジン○ストームのようにちょっとかっこいい攻撃が繰り出された
周囲の壁や天井が一瞬で崩壊していき、もしあのまま踏み込んでいれば致命傷を追っていたかもしれない
しかしその攻撃も消費が激しいのかそういう魔法なのかはわからないが、すぐに消えて収まった
影が再び動き出す様子も無いため、生徒の首を吹き飛ばしたダークアローが飛んでくることも無いだろうと思われる
もし飛んできたとして、視認ができない現状ではそうそう当たることもない
アリサはそう判断し、今度こそ接近しようとした瞬間
それを目撃した
上方に激しい勢いで噴出した魔力、闇の本流、影のレイジ○グストーム
それは消え去ったわけではなく、ただ上方から魔法を降り注がせるための布石にすぎなかった
崩壊した天井から見える青空、そこに浮かぶ無数の黒い円
ダークアローを真正面から見たときに見える真っ黒な円が、大量に空中に浮かんでいた
まずい、とアリサは思う
数だけでもぱっと見ただけで30以上はある
避けられない、とも思う
しかし避けなければ死ぬ、悪魔の使うダークアローは人間のそれとは威力の桁が違うのだから
人間のタックルと自動車の正面衝突なみに威力が違うのだ
それが30個以上、あれでは目が見えていようが見えていまいが、相手がいそうな位置を広範囲に攻撃できる
気配を察知する程度は悪魔であればさほど難しいことでもない
一発当たれば即死、とまでは言わないが、少なくとも瀕死は間違いない
そしてその全てを防ぐ手段は、アリサには現時点では無い
普段こういうときはどうしていたかを思い出してみるが
普段こういうときは
「・・・アレックス」
防ぐ人間がいた
守護者とも呼べる仲間がいた
あらゆる攻撃のことごとくを遠ざける、信頼できる仲間がいた
思えば今まで、アリサ自身が何かを防御したかと言われても、咄嗟に思い出すことができないくらい
そのくらいに彼は、全てから自分を守ってくれていた
「・・・アレックス・・・!」
思えば、もし彼がいなかったら、自分たちは生きていられたのだろうか
入学試験のとき、ウォードラゴンとの戦いでさえも全滅していたかもしれない
在学期間中、命の危機なんていっぱいあった
それでも生きていられたのは、地味な役回りのくせに謙遜して、手柄を欲しがらない彼がいたからなのかもしれない
一人で戦って、一人で脅威に立ち向かって、一人で感情的になって
一人で死にそうになって
やっとわかった事実
だからこそ、彼女はその名を呼んだ
「アレックス!」
その言葉と同時に、空に浮かぶダークアローはアリサ目掛けて放たれた
声を聞きつけたのか、かなり正確にアリサへと向かってくる
これがアリサでなかったならば、自分が死ぬことをはっきりと理解できたかもしれない
しかし、アリサは理解しない
できない、のではない、理解する必要が無い
彼は来る、必ず
それを信じるだけだから
彼女が今、信じているのは、かつて同じように自分を死の直前から救ってくれた父親では無い
彼女が信じているのは
「我が盾は完全無欠!シールドオブシールド!!」
アリサの後方から薄い膜のようなものが高速で迫ってくる
それはアリサを通過し、水のように膜の内側に包み込みながらさらに前へと進む
お互いに勢いをつけたまま、ダークアローと膜がぶつかった
シールドオブシールド
こと魔法攻撃に関しては、まさに完全無欠とも呼べる防御
魔法を分解する魔法を展開する
それは悪魔の魔法であろうとも、例外ではない
アリサを死にたらしめたはずのダークアローはしかし、毛ほどの傷さえつけることなく全てが消滅していった
「・・・呼んだかい?」
アリサの後方から、聞きなれた声が聞こえてくる
しかしそちらを向こうともせず、アリサは言葉だけで返事をした
「ええ、呼んだわ
手伝ってくれない?」
ガシャガシャと鎧がこすれる音をたて、声をかけた主はゆっくりとアリサの横に並んだ
「ああ、喜んで」
ズンッと重量感のある音をたて、地面に巨大な盾を突きたてて、男は悪魔を睨みつける
アレックスと呼ばれた男が、そこに立っていた
「君のためなら、例え魔王が相手でも付き合うよ」
恥ずかしくなるような台詞を真顔で言い切り、彼はレッサーデーモンへと突撃していった
※注意1
作者は現在本職で若干忙しい状況です
なので感想をいただいても返事が遅くなる確立が高いです
※注意2
こんなん戦闘描写って言わねーんだよボォケェ!
って言われることは覚悟しておりますが、できるだけオブラートに包んでいただけないと作者の心が折れます
現在仕事で心が若干すさんでおりますので・・・
※注意3
上記は決して感想を求めるものではございません
以上をご理解していただいたうえで、今後ともソウケンをよろしくお願いいたします