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ソウケンと呼ばれた親子  作者: タリ
第六章「収束」
82/96

閑話・冒険者という存在2

お世話になっております、いつもお読みいただきありがとうございます


月曜日更新できなくてサーセンッシターーー!


ついでにもう一言


さらに1話伸びました!サーセンッシターーー!!


内容をどうぞ!

20XX年


某研究所



――――――――――



「・・・ふむ」


カタカタカタという、キーボードを叩く音が響く

パソコンの画面にはゲームとしか思えないような、狼が人間になったような男の画像が映し出されている

ここだけを見たならば、きっと誰もがゲームやってないで研究しろよ、と言いたくなるような見た目だった

残念なのは、彼は仕事中にゲームをするような性格では無いということと、周囲にそんなことを言ってくれる人間が誰もいなかったことだろうか


(調べれば調べるほど・・・昔流行ったオンラインゲームのシステムと数値がぴったりはまるなぁ

でもあれって・・・このシステム作ったヤツが生まれる前にサービス終了してたよなぁ・・・?)


独り言が誰にも聞かれない状況ではあるが、言葉に出すのは控える

こんな画面を開いていて「ゲーム」なんて単語を口にして、それを誰かに聞かれでもしたら、内容はともかくとして性格を疑われてしまうだろう


「今度は狼男か?」


「ヒッ!?」


ガタンッと派手な音を出しながら、唐突に掛けられた声の方向に男は向き直る


「いつの間に入ってきたんですか・・・心臓に悪いなぁ」


「気づかないお前が悪い」


そこにいたのは頭がハゲている・・・というよりも全て剃ってしまったような坊主で中年のメタボが気になりそうな男だった

一応彼の上司にあたる立場の人物なのだが、温和な雰囲気がまるで威厳というものを感じさせない


「例のナノマシン外骨格とかいうシステムだろ?

軍で実験的に導入した部隊がこないだ大戦果をあげたらしいじゃないか」


「ええ、そうらしいですね

確か「冒険者組」だったかと思いますが・・・」


「それそれ、「冒険者組」だったらお前さんのデータ使ってるヤツいたじゃないか」



――――――――――



ナノマシン外骨格


それは魔物を生み出したメカニズムを応用して作成されたシステム・・・と言われている


その原理として、まず魔物とはどういう存在なのかという疑問がある

かつての研究所の記録を調べた結果、魔物とは遺伝子レベルでナノマシンによる改造を行い、通常ありえない進化と成長過程を持った生物、ということまでは判明している

ただしその過程がすっぽりと抜け落ちていたため、どういう部分に改造を施したのかは全くわかっていないというのがこの時代だった


それをさらに人間が従えられるようにする、あるいは人間そのものを同じようにする、というのは散々研究されていたにも関わらず、不可能とされていた

中には非人道的な実験も非公式に行われていたらしいが、その実験が実を結んだということは無い


しかしある時、同じ研究所のデータベース「マザーシステム」と呼ばれる存在が発見された時から状況が変わる


そのデータの中に、「ナノマシンと生体組織の結合」というファイルが保存されており、この発見がナノマシン外骨格システムを一気に形成することとなる


内容は明らかに魔物を生み出すメカニズムとは違っていたのだが、当時の研究者達は魔物を作り出すシステムとして認識していた

そのためすぐに導入とはならず、動物実験を繰り返し、その内容を必死に研究していくこととなる


やがて研究が進み、その内容が把握されてくると魔物対抗の切り札として認識され、世間的な問題の全てを無視して無理矢理研究が進むことになった


1年の歳月を経て実践導入に至ったそのシステム

それは人間を超えた人間を作り出すシステムだった


ファイルの名が示す通り、ナノマシンと生体組織を結合させることによって、生物ではありえない性能の皮膚を作り出す

皮膚だけではない、筋肉も、骨も、内臓も、脳でさえも、果ては血液でさえも、人間のそれではなくなっていく

やがて人間では無くなった彼ら自身の要望もあり、見た目さえも人間ではないものに作り変わっていく


ある者は虎の肉体構造を取り入れ、虎が二足歩行したような姿になったり

ある者は火を吐き出す器官を体内に作り出し、その火に自分が焼かれないように全身を耐火性の高い鱗で覆ったり

ある者は体内のナノマシンを自在に操れるようにと、耳をアンテナのような形状にしてみたり


もはや人間大のサイズにこだわることすら無くなった者たちもいた


あるいは魔物より巨大な魔物のような姿になったり

あるいはまさに動く岩石と言えるような姿になったり

あるいは最後の冒険的なゲームに出てくるバ○ムートやベ○ーモスのような姿になったり


生物の枠にこだわる必要さえ無いと言い出す者たちもいた


全身に銃を取り付け、意思一つでトリガーを引けるようにした者もいた

全身の皮膚を金属より硬い装甲に変化させたものもいた

「連邦の○○は化け物か!」と言われる白い化け物になったものもいた


多種多様なその見た目から、彼らはいつしか見た目に合わせてそれぞれの呼び名をつけられていた


「冒険者組」「機械組」「魔物組」


機械組は全身を機械化したような者たちのことを指す

彼らは脳と心臓以外はほとんどの部分が機械化しており、もはや人間ではないことを一番証明している者たちだ

武装も最も効率的に作り上げられ、人間が作り上げてきた兵器を再現・強化したような武装がほとんどだった

その分予想以上の性能を誇る、ということが殆どなく、予想外が起きれば一番脆いと言われるタイプだった


魔物組はまさに魔物のような者たちのことを指す

これは主に人間サイズを明らかに超えた、大型の者たちを意味する言葉として使われていた

しかし普通の魔物にも大型サイズのものは多くいたため、一見すると敵か味方かわからないという欠点があったため、嫌味もこめて魔物組と呼ばれている

しかし彼らは、人間の組織を明らかに超えた量のナノマシンと結合していたため、その火力には絶大なものがある

そのため切り札、最終兵器、戦略兵器として、人類側の最大戦力として活躍していた

ただし大量のナノマシンを操作するというのは、非常に精神力がいる

そのうえ意図していない能力が付随している場合も多く、暴走が多いタイプであったため、自滅が多い

生き残れる者は、決して多くは無かったという


冒険者組はまさにファンタジーが現世に出現したかのような者たちのことを指す

エルフ・虎男ウェアタイガー竜男ドラグナー

彼ら自身がファンタジーという世界観に則り、ゲームではよくある設定の「冒険者」と自らを名乗っていたのでこう呼ばれている


彼らはまさにファンタジーの世界の住人だった

自分が取り込んだナノマシンの一部を、肉体と結合させることなく保有しておき、有事の際にはそれらを使って臨機応変に立ち回る

その使い方は正に魔法のようだった


銃弾を通さない魔物の肉体を相手に、ある者は強力な武器をナノマシンを使って一気に強化した肉体で屠る

ある者はナノマシンに灼熱の業火の如き熱量を持たせ、それを吐き出すことで魔物を焼き尽くす

ある者はナノマシンによって生態組織そのものを分離させる「刃」を作り出し、ただの風のようなそれを持って魔物を細切れにする


最も応用が利きやすいゆえに、最もこの姿をとるものが多く、そして生き残る確立も最も高かったという




この人間を超えた人間、「新人類」とも呼べるそれを作り出す


それがナノマシン外骨格、というシステムだった



――――――――――



「そうなんですよね~、僕のデータが採用されてたなんて嬉しいんですけど・・・ね」


このシステム、新人類を作り出すのには必要なものは、実はそれほど多くはない

それは大量で最高の性能を持つナノマシンと、それを作り出す国家予算規模の設備

そしてそのナノマシンを全て操作・統括するための超がつくほど高性能なデータとシステムとコンピュータ


逆に言えば、それだけ揃えば新人類は作れてしまうのだった


しかしそのデータを作り出すのが、異常なまでに大変だった


人間の肉体組織はそれこそ一人一人違う、千差万別、十人十色


一つのデータが他の人間にも適用できる、ということが全く無く、不用意なデータを持って作り出そうとすれば、そこに残るのはただのナノマシンの残骸

そこに人間が「いた」という痕跡さえ残すこと無く、ただの砂のようなものが残るだけだった


なので個人単位でのデータが必要となり、一つのミスもなくプログラムを組み上げることができた者だけが、新人類になることができるのだった


「しっかしお前さんも変わってるよなぁ」


「何がです?」


呆れた、という表情で上司の男は声を出す

しかし言われたほうは、本当にわからない、という雰囲気で言葉を返した


「普通自分用のモン組むもんじゃないのかねぇ?

他人のデータとって他人を新人類にするなんて相手も良く了承してくれたもんだ」


「・・・そこは秘密というか、裏技があったというかなんというか・・・」


「裏技?なんじゃそりゃ」


「・・・無限進化の世界オンライン・・・っていうゲーム知ってます?」

はい説明だけで丸々一話使いました


ここで一言


サーセンッシターーー!!!


え?しつこい?


サーセンッシターーーーー!!!


次で終わりです・・・OTZ

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