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ソウケンと呼ばれた親子  作者: タリ
第五章「アリサ編」
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グレイの学園トップを狙え作戦1

お久しぶりでございます


えー・・・言い訳・・・しようもありませんね、はい


前回11月22日に投稿ですので・・・ええ、まぁまたしても3週間近く・・・

読んでいただいている方々には大変申し訳ない

と、思いつつも毎日ちょっとづつ書き足していけば1週間で1話くらい書けたかも?と思っているタリでございます


ちょっと今回はというかこの連話に関しまして、今までと違ってかなり軽くゆるい感じでお話が進んでいきます、コメディパートってやつですかね?


あまり期待しないで軽く読んでいただければと思います、本編をどうぞ

炎鬼族の事件から1ヶ月


あれから特に何事もおこらず、アリサ達は学園で平和な日々を過ごしていた


マキアは事件直後こそ多少落ち込んでいたものの、1ヶ月も経った今では依然通りの馬鹿なマキアに戻っている

むしろ馬鹿に拍車がかかってる、と言ったのはグレイだったが、それは全員が思っていることだろう

今のマキアは我武者羅がむしゃらという言葉が似合うほど、以前以上に修行に励んでいる


修行をし、疲れたらキャンプファイアー並みの火の中へ飛び込み、無理矢理回復させる

回復したらまた修行をして、疲れるまで修行しつづける

精神的な疲労で動きたくなくなるまで、毎日毎日そうやって修行を続けているのだ

そのせいなのか頭のほうが緩くなってきているようで、勉強はもちろんだが普段の行動も若干馬鹿が多くなってきている


具体的に言うなら素で女性用シャワールームに入り、女性に気付かずシャワーをそのまま浴びて、普通に着替えて出ていくとか

授業中なら黒板をガン見して、真面目に授業を受けているかと思いきや、目を開けたまま寝ていていびきが聞こえてきたとか

実践訓練では全力で攻撃してしまい、森の一部を焼き切ったとか、それに周りの生徒を巻き込んだとかなどなど・・・


とにかく馬鹿だった、いや馬鹿は前からなのだが、さらに馬鹿になっていた


しかしそんな状況も長くは続かず、周りの説得(主に女生徒から)によって落ち着いてきたようだった


そんな状況のある日

グレイはマキアを気にする必要が無くなったと思ったこともあったが、前々から考えていた計画を実行に移そうとしていた


今までも計画自体はしていたが、2年生までは時期が早い、せめて3年生になってからでないと効果が薄いと思い、保留していた計画だ

炎鬼族の事件以来、実行に移そうとは思っていたのだが、マキアが気になって下準備以降の行動をとれなかったのだが、今となってはそれも気にする必要は無い

むしろ可能な限り早く実行しておかないと、いつライアンが動き出すかわからない現状、非常に危険だとグレイは考えていた


その計画とは・・・



――――――――――



どんな場所でも、どんな環境でも


集団というものがあれば、派閥というものができる


人為的にできる場合もあれば、自然にできる場合もある


二人や三人ならできないこともあるだろうが、それが十人・百人・千人ともなれば、むしろできていないほうがおかしいだろう


当然魔法学園は千人とは言わないまでも、数百人がいる場所だ

そんな場所で派閥ができていないほうがおかしい話だろう

そんな派閥の中でも今現在、学園内で最大と言える派閥が二つあった


その二つはお互いにお互いを認め合っているものの、自分達の組織こそが最高であり崇高であり至高であると信じてやまない

今まで認め合っている部分があったからこそ、お互いにいがみ合うことこそあれ、争うことは無かった

しかし今、その均衡は脆くも崩れ去ろうとしていた


「ふっふっふ、今日こそ決着をつけてやる!」


「馬鹿が!それはこっちのセリフだ!」


今、二つの派閥のトップ同士が向かい合っていた


場所は模擬戦で使われる闘技場

アリサ達がよくいるこの場所で、二大派閥は決着をつけようとしていた


「我々こそが!いや我々が信じるものこそがこの世において最も美しいのだ!

今日はそれをいやというほどわからせてやろうじゃないか!」


「二度も言わせないでもらおうか!それはこっちのセリフなんだよ!

俺達こそが!いや!俺達の信じる存在だけがこの世で最高の称号を与えられているんだ!」


ズゴゴゴゴ・・・という音が聞こえてきそうなほどに、お互いの気配が強まり、背景に雷とか火山の噴火とか竜とか虎とか見えそうな雰囲気で対峙する


お互いの後ろに続く部下らしき者達も、二人と同様にお互いの派閥を睨みあい、牽制しているようだ


「まずはお互い、最初の一手から行こうか・・・」


「ふん、一手で十分だ」


ザッと地面を鳴らし、二人は一歩づつ近づいていく、そしてお互いの手が相手に届きそうな距離まで来たとき、二人は同時に動いた


「・・・っ!!!」


「これはっ!?」


お互いに手を相手の顔に向かって突き出した

しかし、その手は相手の顔に当たってはいない

顔の少し手前、手に何かを持ち、それを見せつけるようにして止まっている


「・・・・・馬鹿な・・・こんな一手を持っていただと・・・っ!?」


「・・・ぐぅ!・・・馬鹿な、俺が足に来ているだと?」


お互いにその何かを確認し、驚愕の表情でよろける


しかしその手にしっかりと握りしめたそれは決して手から放すことなく、まるで宝物のように大事に抱えている


「くそっ!なかなかやるじゃないか『レディの涙目見てみ隊』の隊長!」


「ふん!お前も認めてやるぜ!さすが『アリサ教』の教祖をやってるだけあるじゃないか!」


そう、この戦いは学園二大派閥

『レディの涙目見てみ隊』と『アリサ教』の対決だった

つまりレディとアリサはどちらが素晴らしいかを如何にして語るかという途轍もなくどうでもいい対決だったのだ!!!

そして彼らが手に持っているのはカメラという道具が無いこの世界において、唯一といっていいほどに風景を紙に映し出す魔法

記憶描写メモリーデピクション

という開発者の執念さえ感じる素晴らしい魔法によって作り出された、カメラとほぼ同じ効果を持つ魔法である


使用者が見た風景を数分以内のものに限り、再現して描写するという魔法なのだ!

ただし風景を完全に再現するわけではなく、使用者の記憶を再現するので微妙に使い勝手が悪い

人の脳という曖昧な空間を経由してしまうことで、使用者の主観や思い込みの部分が入り、完全な再現となると現場を見ながらでないと描写ができない

さらにどこまで精密に描写できるかは使用者の技術や経験によって大幅に変わってしまう

冒険者の間ではこの魔法のみに特化し、専門の職業としている人物までいるほどに、その内容は変わってしまう


しかし二人が持っている写真は、明らかにそのへんのちょっと使えます程度の人間が作った写真ではない

細部まで事細かに描写され、被写体の美しさが欠けるところなく全て映し出されている、むしろ余計なものまで描写されている気がしなくもない


「くっ!まさかレディさんの着替え写真とはっ!」


レディの涙目見てみ隊の隊長が持っている写真には、女性用更衣室で着替えをし、薄いネグリジェのようなものとショーツのみの姿でロッカーに手をかけているレディの姿が映し出されていた

すぐ隣には上半身裸の女性が映っているのだが、そんなものに興味は無いとばかりに半分切れていいところが見えていない、実に残念だ


「この程度を持っていなければ隊長は務まらんのだよ!」


そういいながら何故か足に来ているらしく、ぷるぷる震えている隊長はチラと教祖の写真を見る


「ふふふ・・・しかし貴様の写真・・・なかなかいいじゃないか・・・」


「ふん、教祖を名乗る以上、信徒よりいいものを持つことは義務だからな!」


バン!という効果音が聞こえそうなほどに教祖は立ち上がり、胸をはって自分の立場を・・・いや写真を強調する


そこに映っているのはなんと


「まさかアリサさんの入浴写真とはな!しかも目線がばっちりこっちを向いているとは命がけじゃないか!」


そう、教祖の写真はアリサの裸の写真だった

シャワールームらしい状況が映し出され、湯気で下半身といいところが全く見えないが間違いなく全裸の写真だった

しかも映っているアリサの顔がこちらを向いており、明らかに気づかれている

にもかかわらずこの写真が存在するということは、撮影者である教祖は数分以内にアリサから逃げ切ったということだろう

それでいいのか教祖と言いたくなるほどに、宗教とは思えない不埒な行為だがきっとアリなんだろう


「ふはは!この後アリサパーティー全員から殺されそうになったわ!

しかし私は生き延びた!そして書き写した!これこそが私が教祖としてここに立っている理由だ!!!」


「まだだ!まだ終わらんよ!

写真の説明など不要!お互いに最高の一手を出しつくすまで!」


「望むところだ!

私の全コレクションを持って!貴様を叩き潰す!」


一触即発、さらに二人が次の一手を出そうと走り出す・・・


その時っ!!!


「そこまでだ!!!」


ある人物の声が闘技場に響き渡り、二人は足をとめた


「誰だ!」


「我々の神聖なる戦いを汚すつもりか!?」


二人は周囲を見まわし、声の主を探す

だが見つからず、周りの人間達も周囲をきょろきょろとするどっかのヒーローアニメみたいな状況ができあがる


「どこを見ている!私はここだっ!」


「「上かっ!」」


二人が同時に気付き、その方向へと目をやる


そこにはフードつきの膝下まである長いコートの上から軽鎧を着け、動きやすさを重視しているらしい魔導師風の男がいた

コートを風にたなびかせ(注:周辺に風は吹いていない、魔法で無理矢理やっている)、広場で争っている二人を見下ろしている


「とうっ!」


仮面○イダーのごとく、それ掛け声必要なのか?と言いたくなる掛け声で男は飛び上がり、二人の近くまで飛び移る


「・・・馬鹿な・・・」


「な・・・なぜあなたがここに・・・?」


着地した男はゆっくりと立ち上がり、一歩一歩を確認するように二人に近寄っていく


「「グレイ・ティンカー!!」」


二人の前に現れたのは、グレイだった

グレイは二人を一度づつ見つめ、言葉を放つ




「・・・二人ともまだまだだな」




その言葉とともに、周囲の空気は凍った

11/12/11 誤字修正 ご指摘ありがとうございます


こんな感じです


二度と出てこないとか言ってたはずのアリサ教とレディの涙目見てみ隊がなぜか再登場してしまいました

なぜこんな話を書いているのか・・・今後にご期待ください


・・・とかいって次がいつ投稿できるかわからない状態で申し訳ない

恐らくクリスマスまでには・・・?って感じです(笑)


更新速度が亀ですが、今後ともお読みいただければと思います

もうちょっと頑張って早めに投稿していきます


ではまた次話でお会いしましょう

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