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ソウケンと呼ばれた親子  作者: タリ
第四章「現在編」
58/96

対話4

いつもお読みいただき、ありがとうございます


累計PVが6万件を突破・・・の記念を書いていたんですが、これを投稿するころには7万件を突破しそうな勢いで驚きました

みなさま、私の拙い文章を読んでいただきましてありがとうございます!


1時間後に記念の人物紹介を予約投稿してあります

よければそちらもどうぞ


さて、この話にて連話「対話」編は終了となります


説明会なんですが、説明口調にならないように・・・しかし必要なことは伝わるように・・・気を使ったつもりなんですが、難しいですね


正直に言います、つまらないかもしれません


それでも読んでいただけたら、感謝です


それでは本編をどうぞ

「・・・99%」


「そう、99%さ

・・・うん、正直ぱぁせんとの意味はよくわかんないんだけど、かなり高いってことだよね?」


ガクッと項垂れてしまうのはきっと仕方がなかったのだろう


「・・・百分率も知らずに行動したのか

・・・せめて無謀に近いこと・・・という理解はあったんだろうな?」


「ひゃくぶんりつ?

っていうか無謀だったの?説明求む」


はぁ〜と長い溜め息を吐いたのも、きっと仕方ない

百分率も知らずに99という数字だけでここまで行動したということは、自分がどれだけ無謀な挑戦をしていたかわかっていないと言うことだ

現実を知らせるため、そしてしっかりと理解できるように慎重に言葉を選び、整理して、一気に話す


「・・・百分率とは、簡単に言うと、例えば百回同じ行動をした場合に、そのうち何回が予想した結果になるかを数値化したものだ

1回なら1%、10回なら10%、全部なら100%

100に近ければ近いほど予想通りの結果になりやすい、99%と言ったら・・・不測の事態が無い限り確実に起こるくらい高い数値だな」


1回なら1%、と言ったあたりから彼の放つ雰囲気が大分怪しくなる

相変わらず姿は見えないというのに、すっとぼけた表情をしているのだろうな、というのがはっきり伝わってくる

説明が終わるころには、不思議な感覚だが、汗をだらだら流して明後日の方向を向きながら口笛さえ吹いているような感じまでしてくる


「♪~♪~~」


「・・・とりあえずもう一度死ぬか?」


「ごめんなさい

今死ぬと本当に消滅するから勘弁してください」


「・・・つまり、・・・100回に1回しか成功しないような賭けをした、・・・というのはわかったな?」


「ああ、うん、それは理解しました

ま、わかっててもやったと思うけどね?」


「・・・ならいい、・・・成功したようだしな」


「おかげさまで

とはいえ、力はほとんど持っていかれちゃったから、大変なのはこれからだけど・・・」


「・・・説明求む」


「うん、まあわかってると思うけど、ここは現実なんだ

現実で「すきる」とか「しょぉとかっと」とかってのがありえないことはわかってるよね?」


「・・・まぁな」


「今残っているのは、「めにゅー」と「あいてむ」の情報だけだね

空間魔法アーカイブに記録してある道具類は無事だけど、肝心のアーカイブが使えない状態だ

どれだけ致命的かはわかるよね?」


「・・・肉体はどうなんだ?」


「無事とは言えないかな?

彼が奪ったのがダウンロードによって得た力だけだったのが幸いだったみたい

肉体は僕の魂を使って再構成したものだから、彼に奪われることは無かったようだね

まあ「グラハルト」の強さを身につけたのは確かだけど、君の体が弱くなったわけじゃない」


「・・・つまり強さ自体は変わってない、・・・ということか?」


「その通り

でも今後は、ダウンロードの恩恵が受けられない

頭で考えた通りにしか体は動かないし、魔法を使うと意識しただけで勝手に発動してくれたりはしない

今から改めて鍛え直す必要がある

もちろん・・・」


彼は一度言葉を区切り、間を置く


「君がやる気があるなら、だけどね」


「・・・根本的な質問なんだが」


「なんでしょ?」


「・・・お前は・・・いや、俺達は・・・何なんだ?」


「僕達は・・・」


再び間が空く


だがさきほどのそれとは違う


言葉を強調するための「溜め」ではない


言いにくい言葉を言わなければならないという「躊躇」


それでも伝えられるべき言葉は、空気の振動となって伝わった


「過去・・・だよ」


「・・・過去?」


「そう、過去だ

僕は5年前、君は・・・数えられないほど遥か昔の・・・」


「・・・数えられないほど遥か昔・・・?」


「君は・・・異世界から呼び出された存在なんかじゃない、ダウンロードにそんな力はない

君は今の時代より遥か昔、この世界に存在した一人の人間、それが現代に蘇った存在なんだ

・・・当然・・・元の世界に戻る方法なんて無い」


「・・・そうか・・・そう・・・か・・・」


「すまないと思っている」


「・・・」


「僕の自分勝手な理由で君を呼び出した、それに付き合わせるのは正直言って、かなり心が痛い」


「・・・それでも」


「それでも?」


「・・・それでも・・・叶えたかった願いなんだろう?」


「そう・・・だね・・・僕にとっては、何よりも叶えたい

例え悪魔と恐れられても、例え命の冒涜者と罵られても、例え自分が死んだとしても

何よりも叶えたい願いだ」


「・・・一つだけ聞かせてもらいたい」


「僕に答えられることなら」


「・・・俺は・・・生きたのか?

・・・過去にいた俺という存在は、・・・死ぬまで・・・向こうの世界で生きたのか?」


「僕には・・・わからない」


悲しみの雰囲気があたりを包む


グラハルトのものなのか、姿の見えない彼のものなのか


おそらくはグラハルトのものだろう


なぜならば、姿の見えない彼は「でも」と話を続けたから


「でも、きっと生きたはずだ

ダウンロードは過去のある時点にいたある存在を再構成する魔法だ

少なくともその存在ごと未来に転移させるような魔法じゃない!

だから、きっと、君は・・・っ!」


グラハルトは泣いていた


顎の無い鉄色の兜、その露出された肌からは、涙が筋となって残っている


「・・・じゃあ・・・いいさ」


「でも・・・」


「俺が生きたなら、それでいい

俺が気になっていたのは、元の世界に戻れるかどうかじゃない

元の世界に残してきた、友人達が心配だったんだ

最後の瞬間まで一緒にいてくれて、一緒に馬鹿をやっていて、一緒に笑って、喜んで、怒って、泣いた、そんなあいつらが気になっていただけだからな

俺が生きていたなら、きっと最後まで一緒だったはずだ

あいつらと俺が一緒に生きたという事実があるなら、俺はそれだけで十分だ

・・・会えないのは、寂しいが・・・な・・・」


「・・・すまない・・・ほんとうに・・・すまないっ!」


「いいさ、それだけ強い願いなら、聞いてやる」


すっとグラハルトはある一点を見つめる


何も無い空間が広がっているその場所の中にあって、何も無いはずの空間の一点


「お前の願いは・・・何だ?」


空間が波打ったような気がした


グラハルトの見つめる一点から、波紋のように広がった


「僕の願いは・・・」


また空間が波打つ


今度は気のせいではない


確実に空間が波打った


そして、その波は収まらず、何度も繰り返し波打っている




「アリサを救うことだ」




「ならばその願い、このグラハルトが受け取ろう」




「ああ、頼むよ、相棒」


「ふ・・・長い付き合いになりそうだな、相棒」


空間の波は唐突に止まり、静寂だけを残した


グラハルトが見つめる一点には、新たな存在が現れていた


身なりのいい格好だが、嫌味のない装飾をした服装


金髪に蒼眼の整った顔立ちは、モデル並みに整った顔立ちをしている


身長は高く、180センチを超えているのがわかる


「・・・名前を聞いていなかったな、貴族さん」


「あぁ、そうだったね

では改めて、初めましてグラハルト

アリサに恋した貴族・エドワード=グラトニアス=シュトラッサーです

といっても家名はとっくの昔に捨てたから、今はただのエドワードだけどね」


「・・・よろしく」


「ああ、よろしく」


グラハルトとエドワード


二人の出会い・・・いや再開が、何をもたらすのか


それを知っているものは、誰もいない



――――――――――



「・・・ところで、これからどうするんだ?」


「特訓だね!体に頭を追いつけないと!」


「・・・この年で特訓とは・・・いやな響きだな」


「はっはっは!何を言う!勉強もやり直すんだから覚悟したほうがいい!」


「・・・いやな響きだ」


「ま、そう言うなって

それに良い情報もあるぞ?」


「・・・良い情報?」


「そ、良い情報」


「・・・あまり聞きたくない気がするんだが」


「いや聞いてもらわないと困るな」


「・・・言ってみろ」


「うん、まぁ難しいことじゃないよ

レベルアップができるようになりました」


「・・・説明求む」


「了解!

まぁ今まではあくまでも、過去の「グラハルト」を再現してただけにすぎないんだよ

今はいろんな意味でそれが不可能になった

再現する、ということは、そこから先に進まないことも意味している

変化、という可能性をも否定していた状態だったんだ

それが不可能になったということは?」


「・・・なるほど、レベルアップというわけか」


「もちろん楽じゃない

すきるが使えない以上、技は体で覚える必要があるし、魔法も1から勉強だ

でも肉体は以前のまま、魔力も当然ある状態、体がすきるを覚えていることもある

希望が無いわけじゃないよね?」


「・・・ライアンを倒せると思うか?」


「倒す必要がある、魔王復活はもはや確定事項だ

アリサを守るためには、ライアンより強くなる必要がある」


「・・・過去の自分を超える強さ・・・か・・・楽じゃないな」


グラハルトはふと、過去の友人との電話を思い出し、なんとなくそれを口に出してみる


「・・・やるけどな」


「さすが!そうこなくっちゃ!」


「・・・フッ」


なんとなく言った言葉は、まるで過去の友人のような返事を返された


なんとなく・・・そうなんとなく


グラハルトはこの先もなんとなく、なんとかなるんじゃないかと思ってしまう


「・・・目的を整理しよう」


「うん?君が言うならそうしようか」


「・・・俺達の目標はなんだ?」


「アリサを守ること」


「・・・そのための障害はなんだ?」


「ライアン=ローレンス、そして彼が復活させるはずの魔王」


「・・・なぜその二人を倒す必要がある?」


「二人の目的が、この世界の破滅だから」


「・・・なぜアリサを守る必要がある?」


「万物の才能は、人間になら干渉できる

ライアンがアリサに干渉して、その力を利用しようとしないわけがない」


「・・・ならば俺達はどう動けばいい?」


「ライアンはすぐには動かないはずだ

力が体に馴染みきっていないはずだし、魔王の居場所はわかっていないだろうから

だから僕達は、今のうちに全力で強くなる

そしてアリサを守りながら、ヤツらを倒す!」


「・・・改めて考えると・・・」


「うん?」


「・・・欲張りなヤツだな」


「そりゃそうさ、貴族だったからね!」


「・・・貴族にはロクなヤツがいないな・・・」


「ひどいな、その貴族に世話になってたくせに」


「・・・やっぱり殺しておくか?」


「ヤメテッ!殺したら肉体消えちゃうからっ!君も死んじゃうからっ!」


「・・・冗談だ」


「本物の殺気が出てましたケド、それって装備の効果じゃなかったの?」


「・・・5年も生きてればこれくらいできるようになるだろう」


「うん、冒険者1年しかやらなかったからわかんない」


「・・・」


二人の馬鹿な会話がいつまで続いていたかはわからない


気づけば周りの景色は真っ白になっていった




グラハルトが目を覚ましたのは


再び暗い闇の中だった


ただしそれは、先ほどまでいた空間とは明らかに違う


木製の枠の中で、人間一人だけが入れる程度の狭い箱の中だった


なんというか、生きているうちに入ることはない箱の中のような気がする場所だ


つまりは、棺桶の中らしい




「・・・なんじゃこりゃあ!」




有名な台詞を言ってしまったのは、きっと仕方ない・・・

お疲れ様でした、これにて「対話」は終わりです


新たな伏線が出てきましたが、この時点でグラハルトの正体については全てが公開されたことになります


次回からは少し、時間が飛んでいく予定です


この話の1時間後に、人物紹介と若干の補足の話を予約投稿しております

別段読んだところで本編に影響は出ませんし、内容も面白いものではないかと思いますので、読まなくても特に問題ありません


気になる方はそちらもお読みください

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