学園生活一年目・魔法とは?
第三章スタートです
蒼犬さんの出番がさらに減る!?
冗談はともかくとしまして、今後は今まで無節操に出ていたフラグの回収だったりとか無かった説明をいまさらしたりだとかがメインになっていきますので、話の進行スピードはさらに低下していきます
今まで語られなかった設定などを明らかにしていく予定ですので、かなり長くなるかと思いますが、お付き合いいただければと思います
では本編をどうぞ
魔法学園
そこでは文字通り魔法を教えているが、学園と呼ばれる通り魔法以外も教えている
一般教養はもちろん近接戦闘、魔法を使わない遠距離攻撃、索敵の技術と重要性や戦術指南などの戦闘に関わるものはもちろんのこと、直接戦闘に関わらない・・・ある意味では直接戦いを終わらせる手段として政治や人身掌握術、果てはトレジャーハントのやり方といった領域まで教えている
4年の過程があるとは言え、それだけの内容を全て教えるだけの施設となるとかなり広大な面積が必要になる
戦時の拠点としての運用も考えられて設計されているため、学園の敷地内はかなり広い
下手な村なら収まってしまうほど広大な面積にあって、学生の数は全校生徒合わせて四百名前後、教師や職員を含めても六百人程度しかいない
校庭らしい場所では魔法の練習をしている生徒達がいる
闘技場らしい場所では一対一で戦っている生徒もいるし、それを応援している生徒もいる
しかしほとんどの生徒は、教室の中で教師の話を聞いている
当然アリサ達も同じように話を聞いている
壇上に立っているのは二次試験のときのエルフの教師だった
「え〜、つまり〜魔法とは〜・・・」
彼は間延びした声でゆっくりと講義をしている
あまりにもゆっくりしているので、頭がふらふらしている生徒が多い
「・・・〜なので〜、ここの魔力式は〜・・・」
さすがに彼の口調で説明するわけにはいかないのと作者的な理由で、わかりやすく解説させていただく
ちなみに内容はこの世界において解明されていない部分を含むが、現代知識を使っている部分がそれにあたる
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この世界における魔法とは魔力によって発生した現象全般を指す、細かな分類こそあるが基本的に魔法とはそういう意味だ
では魔力とは何か?
答えはある種の物質である
原子と言ってもいい
この物質は無味無臭で空気と同じ重さと質量であり、空気中に無数に存在する塵やホコリ等と同レベルで世界中に充満している
魔力の特徴は主に三つ
一つは意思による干渉が容易であり、簡単に言ってしまえば思った通りに動かすことができるということである
ただし干渉できるのは自らの体内に取り込み、自らの魔力となったものだけだ
二つ目はあらゆる物質と結合することが可能であり、自らの魔力と結合させた場合にはその魔力を操作して物質を操作できることが可能になる
もちろん操る対象が大きかったり重かったりすればそれなりの量が必要になる、魔力で物を掴んでいると思ってもらうのが一番わかりやすいだろう
物によっては結合することで、結合前とは全く違う物質になることもある
そして三つ目
最大の特徴とも言えるその性質こそが、「魔法」と呼ばれる最大の理由だ
魔力は上記二つの性質を残したまま、あらゆる物質に擬態することが可能なのである
擬態と言っても見た目だけというレベルではない、性質も特徴も全てが変化する
水素と酸素に変化して結合すれば水になり、その水に自らの魔力を結合させれば操作できる水が完成する
全てを自らの魔力で行えば魔力の性質によって操作性はよくなるが、魔力保有量や効率的な運用といった面から、強力な魔法を運用する場合は周囲の魔力を変化させて自らの魔力は操作や細かい部分に使用するのが一般的だ
なので簡単な魔法ほど意のままに動き、強力な魔法ほど操作に融通が効かない
しかしこのままを理解できる現代人ならともかく、この世界の人間達は残念ながらそこまで理解できてはいない
なので使用方法は主に三つにわかれる
魔導術・精霊術・紋章術
魔導術は上記の理屈のまま使用する方法で、最も一般的だが最も理解されていない使い方である
この道を研究した人間だけが高みへと登れるが、到達できる存在は決して多くない
精霊術は文字通り精霊の力を借りるのだが、理屈自体はあまり変わらない
間に精霊という仲介者が入るだけだ
ただし精霊は原子などを理解しているらしく、明確にどんな現象を起こしたいかを伝えることができれば、精霊が適切な魔法を使ってくれる
そのぶん使用者のイメージ力によって効果は大きく左右されるし、使う魔力も余分に必要になる、精霊によって相性の良い悪い(相性によっては全く使えないこともある)があるなどのデメリットも多い
しかしそれを考えても、イメージさえしっかりしていれば使えるということもあって使用者は多い
最後が紋章術
これは人間族の使用者がほとんどだ
過去の研究者達が積み上げてきた研究の結果、意味がわからなくても紋章が描ければとりあえず使える、という魔法だ
魔力を使って特定の図柄を空中に描くと、魔導術と同じような効果が得られる、という現象を応用している
水を出す紋章、結合させる紋章、渦巻くような動きをさせる紋章等が配置まで含めて決まっており、それぞれの紋章に必要なだけ魔力を込めることで相応の結果を発生させる
紋章を描くとは言っているが、何も毎回指でなぞる必要はない
要は魔力を正確に図形にできれば良いので、必要なのは記憶力とその形に魔力を操作できる集中力だ
ただし込めた魔力の量によって効果の増減こそあれど、効果そのものが変化したりはしない
また紋章が一つ違っただけで全く違う効果になったりするので、使うには相応の注意力も必要になるなどもある
ゆえに使い手は正確に、かつ大量の魔法陣を覚える必要がある
結論を言えば使い勝手は精霊術に比べると悪い
ちなみに詠唱なのだが、魔法は魔力を込める際、特定の言葉に反応して、その性質に少なくない影響を与えることがわかっている
別に言わなくても使えるのだが、ものによってはほとんど効果がなくなるようなものもあるので普通は詠唱する
現在ある詠唱は過去の研究者達が考え出した、最も効率的かつ効果が高くなる組み合わせと言われているが、まだまだ研究中というのが現状だ
以上が魔法の説明となる
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「・・・〜というわけです、え〜最後まで〜起きていられた人は〜実技試験の〜ときに〜ちょっと優遇してあげますね〜」
教師の言葉からわかるように、いまだに起きている生徒は少ない
7割以上の生徒が夢の世界へ旅立ち、現実へ帰ることを拒絶している
教師が怒っていないあたり、おそらく毎度のことなんだろう・・・
ちなみにアリサパーティーはマキア以外全員起きている
バスカーが若干怪しかったが、気合いで最後まで耐えきったようだった
マキアは10分しか持たなかった
全体から見てもトップ争いできる速さだ
イビキをかかなかっただけ幸運だったと言えよう
途中イビキがうるさかった生徒の一人が、頭上から滝のような大量の水を浴びせられ「これが〜紋章術ですよ〜」と実演されてしまうワンシーンがあった
その後の説明で本来なら水圧で相手を押し潰す魔法だと説明された時は、全員の顔が蒼くなった
マキアがイビキをかいていたら危なかったかもしれない
「ま〜、今日の講義は〜このへんで〜
寝るのはいいですが〜授業を妨害するようなら〜、威力を上げざるを〜得ませんね〜
何がとは言いませんので〜、何がとは〜聞かないでくださ〜い」
教師の顔は始終笑顔だったが、生徒はきっと盤若のように見えていたに違いない・・・
「・・・面白い授業だったね」
アリサは相変わらず空気が読めなかった
というわけで魔法の説明の回でした
補足をさせていただきますと、技術的なスキルである例えば衝撃波を出すとか高速で何度も攻撃するとかという現象は魔法ではありません
魔法ではありませんが、肉体とか武器とかを強化したり魔法を使っての行動をしますがそれはあくまでも武器や肉体を使っての行動ですので魔法ではありません
ただし武器が当たったら爆発したとか武器から光が飛び出すなどは魔法による現象ですので、魔法となります
つまり魔法によって攻撃したのか武器によって攻撃したのかという部分で、魔法と技術が分かれていると思ってくださいまし
技術的な使用は特に詠唱を必要としませんし、発生も早いものが多いです
例
グラハルトの使った閃光剣フラッシュブラスター→あくまでも光の矢による攻撃なので魔法攻撃
バスカーのトールハンマー→雷を纏わせた「鎚」による攻撃なので技術
わかりにくくてすいません・・・