入学試験3
キャラ増えた、管理大変、めんどくせ
うん、5・7・5とかなにやってんだろう
そのうちキャラ表とか裏設定とかネタバレが無い程度に作ります、主に自分のために・・・
学園長が試験開始を宣言した
「き・・・緊張しますわ・・・」
「どんな試験内容なんだろう?」
アリサとレディは試験のことを考えて緊張しているようだった
関係ないはずのグラハルトまで、普段より構えた雰囲気をだしている
「試験内容は毎年変わるくらいは知っておるじゃろう!
去年は正直やりすぎた!!!
去年も受けた者には謝っておこう!すまん!!
大事なことなのでもう一度言っておく
すまん!!!!
それを踏まえて今年の第一試験は・・・」
そこまで言ってから間を空ける
それと同時に、不正の処理をしていたハズの教師達が集まっていく
「教師陣から証明書を奪うことじゃ!
制限時間は開始の合図から3時間!
ルールは相手を殺さなければ何でも有り!
奪った証明書を今ワシがいるこの場所に持ってくれば一次試験突破じゃ!」
ざっとルールを説明すると、教師陣が両手に何かを持ってそれを掲げた
そして一人の女性(よく見たらさっきぼっちゃんの相手をした人だった)が、よく通る声でさらに説明する
「私達が持ってる証明書には限りがあります
その枚数は一人20枚
参加する教師は十八名
よってこの場で一次試験を通過できるのは三百六十名となります!」
ちなみに会場はざっと千人以上の人間がいる
単純計算でも三〜四人に一人しか通過できない計算だ
それを悟ったらしい参加者は、皆一様に殺気だってゆく
会場は一気に緊張感が高まり、今にも戦いが始まりそうだ
「もちろん教師陣も殺さない程度ですが抵抗します
一人で戦うか、仲間と戦うか、自分で決めてください」
仲間と戦えば当然勝率はあがるだろう
だが例えば20枚しか持っていない教師に三十人で向かったら?
余った十人は誰にするのか?どうやって十人を決めるのか?
しかし一人で戦って勝てるほど教師は弱くは無い
仲間を見極め、必要最低限の人数で全員に分配ができる相手を選ぶ必要がある
実はこの試験はそれを試す試験だった
もちろんそれ以外の方法もあるので、合格さえすれば評価の対象になるが・・・
次第に受験者は周りの人間を見回し、値踏みを始める
隣のヤツは倒すべきか仲間にするべきか?
むしろ自分はどう見られているか?
うまく利用されやしないか?逆に利用できないか?
全員が疑心暗鬼になりかけている中で、全く意に介していない人物達がいた
ある人物はこう言った
「簡単じゃねぇか!三百六十人になるまで潰しあって、三百六十人で教師をボコりゃいい!」
別の人物はこう言った
「ふふふ、手に入れたヤツを倒せば楽だ・・・」
ある人物は
「俺が教師全員に勝てばいいんだな!」
だがそんな連中がいる中で、誰もがその声を聞き取った
「なんだ、簡単ね」
周囲の人間は一斉にそちらを振り向く
声の発生源はアリサだった
「甘く見ないほうがよろしくてよ
ここの教師は正に一騎当千と呼べる猛者ばかり
・・・ちなみに一番強いのは左から三番目の方ですわね
彼は・・・」
バサァっとマントを翻す音がレディの言葉を遮った
グラハルトが出口に向かおうとして、わざと音をたてたようだ
「・・・この分なら・・・大丈夫そうだな」
そう言ってグラハルトは出ていってしまう
レディを含めた近くの人間は、あまりの言葉に硬直している
その中でアリサは再びよく聞こえる声で話した
「・・・レディの分もとってきてあげる」
レディはアリサに向かって軽く笑いながら返す
「あら、それは助かりますわ
ではあなたの背中はまかせていただこうかしら」
ニヤつく二人の美少女は今か今かと開始の合図を待つ
それを見ていたかのように、学園長は話し始めた
「準備は整ったようじゃな!
それでは!始めるぞい!
一次試験開始じゃ!!!」
言うと同時に学園長が空に向かって炎を飛ばす
炎は空高く昇っていき、パァンと小気味良い音をだして弾けた
――――――――――
開始の合図が弾けるのと同時に、アリサは誰よりも早く飛んだ
それは高くではなく、早く・鋭く・まるで矢のように人々の上を通過していく
わき目もふらずにアリサから見て左から三番目の男、長剣を携えた、金髪を短く清潔に揃えた美男子に突っ込む
「む!」
教師はそれに反応し、長剣で迎え撃つ
アリサは常人には見えない剣速で、グラハルトからもらった双剣「グロウス」を何度も振り抜く
(軽い・・・しかも空気の抵抗を感じない
・・・何より自分の腕みたいに扱える!!)
「むっ!くっ!ぬぅ!」
アリサの剣を防いでいるあたりやはり教師は強かったようだ
だがアリサの手数に押されて反撃できない
なによりグロウスから伝わるありえないほど重い衝撃が、彼の行動に制限をかけている
あと十分持てばいい方か、などと教師が考えていたときにそれは起こった
「む!?」
アリサの背後から無数の氷の矢が飛んでくる
しかもその数が、普通では考えられないほど多い
このままでは自分はともかく彼女がまずいと思った教師は、ひとまず後ろに飛ぼうとした
そして気づいた
アリサ自身が邪魔になって見えなかった部分には、氷の矢が「無い」ことに
騙されたと思った時にはもう遅い
証明書が入れてあった袋は浅く切られ、中からひらりと落ちる証明書
アリサはそれを剣で突き刺し、氷の矢が無い範囲に飛び込む
「むむむ・・・」
教師は追いかけようとしたが、すでに後ろに飛んでしまったうえに前方から氷の矢が飛んでくる
「ぬん!!」
気合い一喝
教師の周囲は一瞬空気が膨張し、爆発のように空気を弾き飛ばす
氷の矢は弾けた空気に巻き込まれ、教師の周囲にあったものは全て吹き飛ぶ
先ほどの二人はと言えば・・・
「一次試験・・・」
「突破ですわ!!!」
「むぅ・・・」
「ホッホッホッ、おめでとう二人とも」
証明書はすでに学園長の手に渡り、二人の合格を許した後だった
――――――――――
まさかの速攻攻略に、受験者は誰もが呆気にとられていた
さきほどの自信ありげだった者達でさえ黙っている
やがて最初に復活したのは、「みんな倒す」と言っていた男だった
「喝!!!」
ビリビリと空気が震え、受験者はみな一斉に目を覚ます
まだ試験中であり、自分がいつ倒されてもおかしくない中で呆けている暇は無い
「すげぇ!すげぇすげぇぇえええ!!」
気合いを入れた張本人はまだ叫んでいた
「すげぇ!あんなヤツがいるなんてすげぇ!
いよっっっし!
気合い入ってきたあああぁぁぁ!」
やがて彼の周囲は凄まじい熱気が漂い始める
彼が暑苦しい性格ゆえの錯覚では決して無い
体は赤く変色し、髪は炎のように揺めき、口から蒸気のような白い煙を吐き出し始める
「炎鬼族・マキア!いざ参る!!!」
ある人は言った
「ブハハハハ!あの姉ちゃんやるじゃねぇか!
オレも目立たせてもらうぜ!!」
そう言って彼は手に持っていた巨大な槌を大きく振り上げる
「おぉぉりゃああぁ!トールハンマー!!!」
彼の槌が地面に向かって降り下ろされ、接触する
瞬間、響いたのは爆音
まるで雷が落ちたかのように轟いたその音の発生源では、「本当に」雷が落ちていた
地面は軽くへこみ、近くにいた受験者は吹っ飛び、一部が焼け焦げ、全員が感電して痺れていた
「ブハハ!雷撃のバスカー!痺れてぇヤツからかかってきな!」
ある人はこう言った
「参ったね、あんなに早くちゃ奪うスキも無い・・・
ま、おかげで教師に向かうヤツが増えて助かったけど」
そういう彼の手には証明書が握られている
そして彼の隣ではなんとか教師といい勝負をしているグループがいる
どうやら盗んだようだ
「ふふ・・・、彼女達をうまく利用できれば、このグレイ様が学園のトップになれる・・・ふふふ」
波乱の一次試験
ここで活躍した今の五人は、今後この学園でさらなる波乱を巻き起こしてゆく
だが彼らはまだ、スタート地点にも立っていない
毎日100人近い方々が読んでいただいているようで感謝感謝の毎日でございます
今後も頑張って少しでも読みやすくできるようにしていきますので、よろしくお願いします