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始まり

ある少年がいた。普通の子で年相応に仮面ライダーが好きでアニメが好きで、そんなありふれた子供。


ただ一つ違ったのは


「デスゲームがやりたい!!!」

「わっ!なによ、突然!」

私の名前は鏡順子(かがみじゅんこ)、星野宮中学校の生徒。で、こいつが田中守(たなかまもる)

守とは幼稚園からの幼馴染、小中でなんの因果か毎回毎回おんなじクラスの隣の席になるんだけど、たぶんこいつのハンドルを握れるのは私だけしかいないとでも教師軍に思われてるんだろう。そう言うのもこいつがとんでもないやつだからだ。特段やばいやつを言うと、

「空が飛びたい!!」

「わっ!え?なに?そら?」

「順子ちゃん空を飛ぼう!」

「へ?」

一ヶ月後

守に呼ばたのでついていってみると

「順子ちゃん見て!」

なんだこのでっかいの

「えーっとなに?これ」

「名付けて!んーそうだな。タケコプター(改)かな!」

へ?は?へ?

それはあまりにもデカすぎた。風力発電に使うような羽を二つ溶接してつけて、あとは機械が縦に並ぶようにして無理やりくっついており、色々とコードとかが剥き出しになっていた。なんというかあまりにもデカすぎてタケコプターというよりタケコプター(バカアホ)という名前の方が正しいんじゃないかとさえ思った。それでこいつは突然

「動かしてみるね!」

「え?ちょまっ」

それで私巻き込んで爆発。

爆発の勢いで羽だけが飛び、住宅街に落ちて何軒かの家を崩壊させた。


そういうことで、誰がどう聞いても「嘘だろ?w」と言うことを本当にしでかすこのバカと毎回一緒にいることで私もやばい判定を受けてしまっている。

本当にとんでもないやつだよこいつ。

だけどそんな守も普段は優等生だ。運動で言えば身体力測定では学校で一番だったし、勉強だって学年テストで一桁台じゃなかったことなんてない。あとイケメンで人気者。落ち着いたどこか大人っぽい印象で生徒全員が守のことを尊敬してた。


でもある時突然、守は狂った。

突拍子もないことをしでかすようになってしまった。

皆が「どうしたの?」と聞いても何も答えない。

いずれ誰も守の奇行に対して関わらないようになってしまった。

それがなんだかとても悲しくて、こいつの奇行に毎度毎度、付き合うようになっちゃったんだよなぁ


「で、今回はデスゲームねぇ。なんでそんなのやろうと思ったん?」

「いやぁ、順子ちゃん流行りに疎いねえ君。今じゃデスゲームは定番ゲームだよ」

「なわけあるか」

「なわけないか」

それにしたってデスゲームて今までそんな物騒なものしたいなんて言ってこなかったのになんで?

「ねぇ、デスゲームよりもさもっと別の事しない?ほら最近出たポチモンとかさ」

「うーん…それもいいけど今はデスゲームの気分なんだよね」

どんな気分だよこいつ

「いやいや、流石にさ人を殺し合わせるゲームをやりたいってのは、ないじゃん?」

「ストレスとか溜まってるなら話聞くし」

「いや、いい」

またこうだ、ダンマリばっか。

「じゃあもういい知らんわお前」

「え?ちょっと、まってよ!」

「なんで?いつもは付き合ってくれるのに」

「限度があるでしょ」

「それに、疲れたんだよお前、迷惑ばっかかけるし」

「私まで悪者扱いされるし!」

「そっか、そうだよね、なんでもいいってわけじゃないよね」

「うん、悪かったよ。デスゲームはしない」

「しないよ」

「私も強く言いすぎたから、ごめん」

「いや僕が全部わるいから」

全部悪いから

じゃあまたね


デスゲーム開始まで残り三週間






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