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第一話 第ニ皇子エミル

亀更新です。

 大陸暦1530年―――


 大陸に存在する強国の一つに挙げられるフォーゲル帝国。帝国宰相を務めている男ヨハンは、眉間にシワを寄せ苛立っていた。その原因は、自身の執務室の中を落ち着きなく歩き回っている一人の偉丈夫である。


「いい加減に部屋から出て行ってもらえませんかね?

気が散ります。あと、溜まっている仕事を終わらせてください」

 

 苦言を呈された男、フォーゲル帝国現皇帝ゼクス・フォーゲルは真剣な面持ちで己の右腕に問いかける。

「ヨハン、我が妻と子の身を案じている俺に、もうすぐ父になる俺に対してかける言葉が本当にそれで良いのか、今一度考えてみてくれないか」


「貴方は、既に皇子と二人の皇女の父親です。初子ならともかく、今回で四人目です。落ち着いてください」


「それでも、母子ともに無事に産まれてくるのか心配するのが人の性だろう。お前には、人の心がないのか?」


「貴方に振り回されること数十年、そんなものはどこかに置いてきたのでしょう」


 皇帝とその臣下という立場にある二人が軽口を叩き合えるのは、そこに確かな信頼があるからだろう。そんなやり取りを続けているうちに、


「コンコン」

執務室のドアがノックされる。

「入れ」


「失礼します、つい先ほど皇子様がお生まれになりました。」

部屋に入って来た侍女がそう告げた途端、

「よし、今から顔を見に行く、案内せよ!

そうだな、ヨハンお前も付いてこい!ハッハハハ〜」


 さっきまでの落ち着きのない姿とは打って変わって、威風堂々たる皇帝の姿がそこにはあった。


「では、ご案内します」

侍女の案内に従い、目的の部屋に入ると、多くの侍女に囲まれ赤子を抱く女性の姿があった。


 赤子の名はエミル。帝国の第二皇子として、世界を荒らしていく男の誕生はごくごくありふれたものであった。


五年後―――

 

 第二皇子エミル・フォーゲル。彼に対する評判はあまりよろしくない。他の王族とは異なり、勤勉さは欠片もなく、自由奔放。お目付け役や教育係達から日々逃走している。能力は並以上だが、怠惰で無気力。こんなものだろうか。貴族達から皇位継承から程遠いと思われ、本来なら貴族たちの壮絶な権力争いの末に決まる後見人さえも決まっていない。


 そんな甘い蜜がでない男、エミルは今日も自身の部屋で寝転んでいた。

 何故、ここまで無気力な性格になってしまったのか。それは、彼が一歳のときに起きた誘拐事件に端を発する。

 (この世界があと三十年で滅びるなんて言われてもなぁ・・・)


 彼について一つ情報を加えよう。エミル・フォーゲル、現在この世界の行く末を唯一知る人間である。

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