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冬空の星は君の瞳に映る  作者: ろーひー
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日常に青春という味付けを

ー好きな人の目を見てまっすぐに「好き」と言うのがどんなにも難しいのかまだ知らなかったー

部屋にこもったじめじめとした肌にまとわりつくような蒸し暑さと庭の檸檬の木に止まった蝉のしきりに鳴くかん高い声に耳をひっかかれ悠斗は目を覚ました。窓は閉め切っていて空気は淀んでいた。どうりで蒸し暑いわけだ、と納得し枕元に充電してある藍色の画面がひび割れたスマホの時間を見る。メガネを忘れていた。メガネをしてスマホを見る。スマホは無機質な書体で12時過ぎを示していた。昼真っ只中である。だろうなと一つため息をし寝ぐせで毛先に統一性がない頭をかきながら布団から出て台所に行き、中学の卒業記念にもらった悠斗とはまるっきし対照的なおしゃれなマグカップいっぱいの水をひと飲みに飲んだ。

三連休の最終日というのに悠斗はずっと家に引きこもっていた。そして今日もまた一日を無駄にするだろうなと思っていた。もっともこんな暑さで外に出る勇気は無かった。自分に没頭できる趣味があるかと聞かれたらすぐに思い浮かばない。強いて言うなら本を読むくらいだ。学校でも休み時間は机に突っ伏して寝るかキラキラの女の子が主役のラノベ小説に目を落とすくらいでいわゆる「陰キャ」である。が、ともだちは人並みにいて学校が特段退屈というわけではない。席の周りに話も性格も合わない野球部、「陽キャ」に囲まれているのだ。半ば仕方ないと諦め早く席替えしたいと毎日思っていた。同じ波長の人には同じ波長の人しか合わないのだ。

今日も両親は仕事で家にいない。

お昼時でお腹もすいていたので冷蔵庫を開けたが卵やら牛乳やらろくな物がなかった。また一つ大きなため息をしテーブルに無雑作に置いてある菓子パンを一つ手に取って口に運んだ。相も変わらず外では蝉がしきりに鳴いていたが、そんなこと悠斗には歯牙にもかけなかった。口に菓子パンを放るたびにこれからどうしていこうかという一抹の不安が心の底で根を張っていた。「どうしたもんかなぁ」と一人愚痴をこぼし最後の一口を押し込みスマホを見た。意外な人から一つメッセージがきていた。幼なじみの希からで、内容に目を落とすともっと意外なものだった。

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