敬語おじさんとフルーツバスケット
お昼会に到着してから"今日は何かが起こる"梨花はそんな予感を感じていた。しかし、何かしらいつも起こるため気にする事はなかった。
「おっちゃん、この前学校でフルーツバスケットしたぞ!」
「レクリエーションでやったね!ふふ、凛ちゃんが何言っても動いてて面白かったよ。……あと花島が変態だった。」
「だからやるぞフルーツバスケット!!」
「いや、おじさん入れても3人じゃ無理だよ!」
フルーツバスケットとは、基本ルールは参加者に何種類かのフルーツ役を与え、人数より1つ少ない椅子を円にして座れなかった者がフルーツを呼び、その役の者が立って椅子を奪い合うゲームである。しかし、所謂なんでもバスケットという質問してそれに当てはまる人が動くルールがより深く浸透している。凛ちゃん達がやっていたのもコレだった。少数でも行えるがルール上、人が多ければ多い方が盛り上がるため梨花が反対したのもそれが理由だった。
そんな話をしている3人に忍び寄る変態がいた。
「ひひひ、話は聞かせて貰ったわ!!先生も電撃参戦よ!!」
「お前、この前のクラス会でフルーツバスケットの参加資格剥奪されただろ!! あのFBIの惨劇を忘れたのか!!」
というのも花島はフルーツバスケットの際に凛ちゃんを集中攻撃して毎回座る前に椅子に頬擦りしていたため、委員長からレッドカードが飛び出し、クラス会で吊し上げられ保護者会に連絡する寸前まで至った経緯があった。梨花のクラスではこれを「フルーツバスケット椅子頬擦り事件」略して「FBI」と呼んでいる。
「そんなもの学外では関係ないわ!ここは治外法権地帯なのよ!それに私が参加しないと頭数が足りないわ!!ふふふっ選びなさい! フルーツバスケットが出来ず凛ちゃんに悲しい思いをさせるか、私というレッドプレイヤーをメンバーに加えるか!!」
「梨花ー? 早くやろうよ!」
「ちっ! いいわ花島の参加は認める。でも少しでも妙な動きをしたら即レッドカードよ!!」
どうやらフルーツバスケットを始めるようですね。この東屋なら確かに可能ですが、やはりゲームをするには人数が少ないです。凛ちゃんが楽しみにしていますし、あと何名か補充したいですね。
「おや、今日は皆さんお揃いですね」
「むむむ、なにやら盛り上がっておいでですね」
「やったあ! ジョギオとムシズもフルーツバスケット参加な!!」
そんな時に限ってタイミングよく汗だくのジョギオとほふく前進しているムシズが現れた。凛ちゃんはこのおじさんの電撃参戦に興奮している。
「いや、このフルーツバスケット半分腐ってるんだけど!?」
「梨花ちゃん、腐りかけが1番美味しいといいます。ある意味これは食べ頃のフルーツバスケットですよ。」
「おじさんと変態並べて何が食べ頃!? こんなもんに可食部ないわ!!」
これでメンバーは揃いましたね。私、凛ちゃん、梨花ちゃん、先生、ジョギオさん、ムシズさんの6名。一体何が起こるのか楽しみですね。
「あーあ、今日はハズレの日か。ジョギオは突っ込み手伝いなさいよ!」
「はい!師匠!」
……次回に続く
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