敬語おじさんとスパイ
スパイ憧れます。
鈴木が到着すると早速凛ちゃんが口を開いた。
「おっちゃん! うちスパイになりたい!!」
「スパイ? 凛ちゃんそれって……家族がテーマのあれ観たからだよね?」
「そう!! 梨花すごいな!!」
「はあ……作者はまたやる気なのね。こいつに学習能力はないの??」
凛ちゃんがまたしてもお昼会に爆弾を持ち込んできた。梨花は頭を抑えながら穏便に解決する方法を探しているといつになく鈴木が切り込んだ。
「凛ちゃん、それは子供が活躍する物語ですね?」
「ちょっと、おじさん!! なんでいきなり中央突破しようとするんですか!? 元ディフェンダーならサイドラインから慎重に攻めろよ!!」
「活躍するぞ!!もしかしておっちゃんも知ってるのか??」
「ええ、実は結構好きなんですよ。」
「待って待って!! 凛ちゃんそこまでだよ? 髭とかナッツとか超能力とか話に出したら駄目だからね!!」
私の予想が確かなら、梨花さんは別の作品と勘違いしてますね。その作品は超能力ではなくスパイグッズを駆使して戦いますからね。
「??、梨花勘違いしてると思うぞ?」
「えっじゃあ、なんの話してたの??」
「それは勿論、家族がテーマのスパイ映画、ス〇イキ〇ズに決まってるだろ!!」
「いや知らない知らない!!どうせまた古い映画なんでしょ??」
「いえ、平成の作品ですから比較的新しいですよ。」
「おじさん基準で喋らないでください! 今は令和ですよ!? そんなこと言ってると時代に取り残されますよおじさん!!」
しかし、やはりあの映画でしたか。これまでのスパイ映画の根底を覆し、2人の子供の姉弟が、プロのスパイである親を助けるためにスパイグッズを駆使して戦うというものでしたね。一見意味不明な展開ながら、コメディタッチにテンポ良く話が進む為、気がつくとストーリーは理解できないのに見入ってしまう不思議な感覚があります。子供なら尚更派手なスパイグッズと異常に耳に残るメインテーマで非常に楽しく見れる作品だと思います。正直、メインテーマだけは聞いた事があるという人は多いと思いますね。シリーズ化もされて世界的大ヒット作ですからね。
「うちのお父さんがあの映画が好きで休みの日はたまに見てるんだ!」
「凛ちゃんお父さん大丈夫?? 疲れてるんじゃない??」
「うちもスパイになって、靴から火を出して空飛んだり、衛星放送とインターネット通信が出来るけど多機能すぎて時計の機能が入れられなかったスパイウォッチが欲しい!!」
「よくわからないけど、コメディ映画なのはわかった。」
懐かしいですね。夢のある建物やスパイグッズが豊富に登場するのも見る楽しみでした。化粧台の化粧品がキーボードだったり、隠し通路や隠れ家があったり、多機能ハイテクサングラスとか電気ショックガムとか非常にバリエーション豊かでした。マシーン好きの男の子には何かしら突き刺さるでしょうね。
「おじさんは虫型偵察ロボットがほしいですね。ネクタイもしめて貰えるのでとても便利そうです。」
「あっわかる!! 可愛いし、うちも欲しい!!」
「くっ全然分からない!! おじさんそれpr〇meにありますか?? 見ないと凛ちゃんと話せないから!!」
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どんなシリーズでも3は鬼門ですね。