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ジョギングおじさんと突っ込み2


皆が到着するまでのしばしの時間、梨花が緊張しているジョギオに軽く説明する。


「今日は先生が来るらしいから、突っ込みとしては初心者向きかもね。わかりやすく変態だからそこに焦点を当てれば難しくないと思う。逆におじさんと凛ちゃんは天然が入ってるから不意打ちされる可能性がある。心してかかりなさい!」

「……はい!師匠!」


(大丈夫だ!先生ならいつも思っている事があったし、梨花さんの突っ込みとも似ていた点もあった。おじさんと凛さんさえ上手く対応すれば問題ないはずだ!)



「おっ梨花はやいな!!ジョギオはいつもだな!!」

「こんにちは、梨花さんにジョギオさん。先生楽しみで寝れなくて寝坊しちゃったわ。」

「おや、皆さんお揃いですね。お待たせしました。」


凛ちゃん、先生、鈴木が到着すると場が賑やかになった。皆が思い思いに話したり食事を始める中でジョギオは1人神経を研ぎ澄ましていた。目線を一瞬梨花にやると、凛ちゃんと話しながら鋭い眼光でこちらを見ている。


(師匠に試されているのか? そうだな。自分から飛び込まないと始まらない! とにかく先生の会話に突っ込みを入れよう!)


「そういえばうち昨日、クラスの子に告白されたんだ」

「えっ凛ちゃん告白されたの? それでどうしたの?」

「よくわからないから断った! 梨花や先生、おじさんと遊んでる方が楽しいからな!」

「そっかあ、良かった!……で誰?」

「そうね。先生も誰か気になるわ! わたしの凛ちゃんに唾を付けようなんて愚行に至った子には、少し特殊な教育的指導が必要ね!」


(ここだ!!策を弄する暇は無い!俺は内気を辞めるぞ!!シショウー!!)


ジョギオは一切の躊躇なく思いの丈を言葉に乗せて先生に向けて放った。


「愚行八、オ前ノ存在ダァ!! 特殊八、オ前ノ性癖ダァ!! 」


「…………えっ?何??下手なラップ??」

「…………どうしたんだジョギオ? 今日変だぞ?」

「…………ジョギオさん、無理はよくありません。1度帰られた方がいいのでは。」


(何故だ!!思ってた反応と違う!! 緊張してなんかカタコトになってしまったけど……。師匠どうすれば!?)


ジョギオの視線に気付いたのか梨花が小さく息を吐いてから口を開いた。


「まあでも、ジョギオの言う通りね。花島は一応先生なんだから言葉には気をつけなさい。」

「そうね。確かにジョギオさんの言う通りね。ごめんなさいジョギオさん。」

「なるほど、ジョギオさんはあえて慣れないラップで注意を引き、先生を止めたのですね。流石です。」


一命は取り留めたものの瀕死に近いジョギオをみて梨花がわかり易いアシストをする。


「先生は凛ちゃんの事どれくらい好きなんですか?」


ジョギオもこの質問の意図を感じ取り一瞬2人の視線が交錯した。梨花の鋭い眼光にジョギオも再び覚悟を決める。


「ふふふっどれくらいかと言うとそうね。例えば凛ちゃんの頭皮の匂いを毎日完璧に嗅ぐために病院で鼻孔スプレーやビタミン剤を処方して貰っているわ! そして叶うなら凛ちゃんの頭皮の一部を人中(鼻と口の間の溝)に移植したいわねっ!!」

「頭皮を嗅ぐな!!」


ジョギオの突っ込みに少し驚いた後に花島は落ち着いた口調で話す。


「…………何となく事情は分かったわ。でも足りないわ。梨花さんお手本みせてあげて」


悔しそうなジョギオを横目に梨花が前に出る。


「仕方ないか。花島……お前は移植の拒絶反応で死ね!!」

「これよ!!流石、梨花さん!!」

「やかましいわ!…あとジョギオは居残り特訓ね!!」

「はい!!師匠!!」


今度は悪役令嬢で短編書いてみました。よかったら見て下さい。



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