ジョギングおじさんとファッション
ちなみにジョギオの発音は御門とか宍戸みたいに平坦な発音です。〇魂のマダ〇と同じですね。
ジョギオこと所木 武雄39歳 独身。最近、休日の日課にジョギングに加えて新しくお昼会が加わった。一張羅のピチピチのウェアを着込んだ彼は早朝からのジョギングを終え、約束より1時間近く早かったが汗も滴るそのままの足でベンチに向かった。
「あっこんにちは。」
「おう!ジョギオ!!早いな!!」
「ジョギオ……そう、あの悪夢は夢じゃなかったのね。」
(相変わらず梨花さんは容赦ないな。それにしても鈴木さんは凄いな。この幼女2人といる空間に普通に馴染んでたんだから。いや私も友達は少ないが社会人だ!鈴木さんはまだ居ないけど兎に角少しでも彼女たちと仲良くならないと!)
ジョギオは見た目とアダ名は常軌を逸していたが、中身は非常に真面目な至って普通の青年だった。
「2人は小学生ですよね?普段は何をしてるんですか?」
「ちょっとジョギオ何なの!? その変態的な質問は! 凛ちゃんに悪影響だからやめて!!」
(今のでアウトなの!?鈴木さんは一体いつも何を話してるんだ?? やはり僕のようなコミュ障には無理なのか。)
「……鈴木さんはいつも何をあなた達に話してるんですか?」
「おっちゃんはあんまり話さないぞ!基本聞き専だな!!たまによく分からないタイミングで合いの手を入れるぞ!!」
「そうね、おじさんは私たちに質問しないし、凛ちゃんが質問したら答えてくれるグー〇ルアシスタントみたいな存在ね。」
(なるほど、その距離感が重要なのか! よし、私も鈴木さんのように話を聴きながら上手に合いの手を打つぞ!)
「凛ちゃん、もう秋物が出る時期だから洋服見に行こうよ! 早くしないと可愛い服売り切れちゃうよ!」
「いいぞ!!うちは動き易かったらなんでもいいけどな!」
「ダメだよ!凛ちゃんはもっとファッションに興味持って!」
「私もファッションには興味がありますね!」
「「……。」」
(失敗した!!クソっ!!何がいけなかったんだ!!完全に会話の流れを止めてしまった!!しかもあの凛さんまで無表情になってる!くっここまでか…)
「…ジョギオはまず汗腺を摘出しなさいよ。服屋の前に美容外科に行きなさい。」
「…ジョギオはその服以外持ってるのか??」
「……いや、私服はこれと同じ奴が7着だけです。私、俗に言うミニマリストなので。何事もピチッとしていないと気になるんです。」
「いや、別に服のサイズ感までミニマリストにしなくていいから!!」
「ん??ミニマリストってなんだ??」
ミニマリストとは最小限の物で生活する人の総称。服、家具、消耗品などを最低限に抑え、ひとつの物を工夫して多様に使い大量消費が当たり前になった一般的な生活とは真逆の理を遵守する者たちの事。
「――っていう感じかな。」
「うーん、なんか難しいな…それ楽しいのか??」
「楽しいとかそういうのでは無いかな……でも部屋がスッキリしていると気分がいいですよ。」
「あんたは自分の見た目をスッキリさせなさいよ!」
「ふーん、でもなんかかっこいいな!!ジョギオはこだわりがあって!!」
(…かっこいいなんて言われたの初めてだな。几帳面で真面目な性格のせいでこんなピチピチな生活様式になったけど、ミニマリストになって良かった!!それにいつの間にか普通に話せてるぞ!ありがとうピチピチライフ!)
「ありがとう凛さん!これからもピチッとこだわりを持って生きていくよ!!いや更にXSサイズに挑戦だ!」
「えっとー……うん、頑張れよ!!」
「諦めないで凛ちゃん!!ジョギオはLサイズを買え!!」
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