敬語おじさんとそうめん
たまに食べたくなりますよね。
今日変わらず暑いですね。こんな日のお昼はさっぱりした涼しいものがいいですね。
「おじさん、それなんだ?」
「凛ちゃんそうめん知らないの?」
「うちのお父さんそうめん嫌いなんだ。子供の頃3日に1回そうめんだったらしくて見たくもないんだって。」
確かに私も子供の頃はそうめんの良さを理解出来ませんでしたね。お父さんはなかなかに苦労されていたようです。
「お父さん実家そうめん工場なの?」
「ううん、焼き芋屋さんで今はVTu〇er」
「なるほど。では凛ちゃんはそうめんを初めて見たんですね。」
「ううん、テレビでは見た事あったぞ!」
「えっ焼き芋屋さんとVTu〇erスルーなの!? 衝撃的すぎてそれどころじゃないんだけど!!」
確かにそうめんは夏になると需要が上がりますから、CMは見ませんが番組では取り上げる事も多いですね。
「おっちゃん!めんそのまま食べたらダメだろ!!」
「なんで、普通だよ凛ちゃん?」
「そうめん何だから竹と水でアレするやつだろ?!」
「なにそれ?」
梨花ちゃんは知らないようですね。確かに実際に見る機会は少ないですし、労力もかかりますからね。
「それは流しそうめんですね。」
「はあ?おっちゃんそうめんなんだから元々流すだろ?」
「えっ?ごめん意味わかんない。」
「だから!水で"送る"からそうめんだろ?」
「ん??」
「ぎゃああああ!!そうめんのそうを"送"って字と思ってる凛ちゃん可愛いすぎ!!ありがとうございました(?)!」
「先生、いきなり湧かないで下さい!!邪魔です!!」
なるほど。凛ちゃんは送めんと思っていたのですね。確かに素麺という漢字には自分が麺の原初と自慢されている様な不公平感がありました。言葉をただ受け入れるのではなく自分なりに解釈しようとする凛ちゃんは素晴らしいですね。
「凛ちゃん、先生が今すぐ流しそうめん食べさせて上げるわ!」
「本当か!直ぐにできるのか!?先生すごいな!!」
「ふふふっ凛ちゃんが私を見てる!!そうめんって最高!!」
「そうめん関係ないだろ!!」
先生はとても生徒思いですね。生徒のためにそうめんを買いに行きました。さぞ学校では慕われる方なのでしょう。
「そうめん買ってきたから流すわよ!!」
「買ってくるの早すぎて怖い!そして荷物多くない?!」
「じゃあ、今から先生の腕にそうめん流すから食べてね!!」
「そして意味不明な流しそうめん始め出した!」
「うーんちょっと距離短いな」
「凛ちゃんこれ距離の問題なの??」
自分の体を使い生徒に学びを与える姿勢。実に素晴らしいですね。今度、学校に寄付を行いしょう。
「足を使えばいいのではありませんか?」
「…えっ足ですか?」
「おじさん普通にセクハラですよ」
「もちろん私は紳士ですから席を外しますよ。」
「足で流しそうめんする発想の人が紳士とか言わないで下さい。」
お昼も食べ終えました。凛ちゃんの反応は気になりますが私は先に失礼しましょう。
次回に続く
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次回は先生暴走します。