敬語おじさんとサッカー
書いてて楽しいけど、やっぱりおじさんは転生させないとダメなのか。
「おっちゃん!サッカーって知ってるか?」
「未開人じゃないんだから知ってるでしょ」
サッカーですか。勿論知っていますよ。実はこう見えて高校生の頃はサッカー部でしたからね。
「おじさんはディフェンダーです。」
「知りませんよ。勝手に守ってて下さい。」
「うわー!おっちゃんは確かにディフェンダーっぽいな!」
「私たち小学生と毎週会話しててかなり攻めてると思うけど。」
守る事は攻める事です。梨花ちゃんの感想は芯を食っているかも知れませんね。
「つまり表裏一体ですよ梨花ちゃん。」
「なんですか?急に話しかけないで下さい。気持ち悪い。」
「おっちゃんサッカー教えてくれよ!」
「凛ちゃん、こんなおじさんに教わる事なんてないからやめよ?」
サッカーはボールとの距離感、これを掴むことが大切です。つまりボール常に意識しながら行動する。これが上達の鍵ですね。
「目をつぶってボールを足で感じて下さい。最悪手を使ってもいいです。」
「手は使ったらダメでしょ。」
「なんか…ボールって意外と丸くないんだな」
いきなりそこに気がつくとは。正しく凛ちゃんは天才肌ですね。
「そこまでわかれば簡単です。蹴って、走ればいい。」
「広げた割にアドバイスが雑」
「おお!なんか上手くなった気がするぞ!!」
「凛ちゃんがちょろ過ぎるだけなのか、本当に天才なのか私にはわからない。」
サッカーは蹴って走るスポーツです。上達するのに近道はありません。ひたすら反復練習の繰り返しです。
「凛ちゃんサッカー上手くなってどうするの?部活はいるの?」
「いや、テレビでやってたから」
「サッカーの試合なんてやってた?」
「ううん、クイズ番組に元サッカー選手が出てて、答えが面白かったから!」
「その理由でサッカーしたくなる感情がわからない。」
何事でも一流と呼ばれる方には計り知れない魅力がありますからね。凛ちゃんはそれを感じ取ったのでしょう。
「おっちゃんディフェンダーやって!」
「ダメだよ!死んじゃうよ?」
流石に死にはしませんが、仕事前に疲れる事はしたくありませんね。
「凛ちゃん、おじさんはここに座ったままディフェンダーをします。意味はわかりますね。」
「おじさん!!ああ、抜いてやる!」
「…ほう、そっちですか。読んでいますよやり直しです。」
「くそ!!」
「あの、勝手に話進めないでくれますか!!」
イメージトレーニングとはとても高度なトレーニングです。凛ちゃんの感性ならできると踏みましたが恐れ入りました。
「ふー今日はこんなもんかな!ありがとうなおっちゃん!」
「いえ、なかなか骨が折れましたね」
「おじさん動いてないよね?」
「また、サッカーやろうな!」
「そうですね。私も久しぶりのサッカーは楽しかったです。」
「私にはおじさんは座ってご飯食べてるだけに見えたんだけど。」
スポーツとはいいものですね。見るばかりでしたがこれからは体も動かした方がいいかも知れません。今日の仕事終わりにスポーツショップにでも寄りましょう。
「私はどんなスポーツが似合いますかね」
「えっ、ゲート…いやゴルフとか」
「うーん、階段登り!」
なるほど参考になります。あと凛ちゃん、階段登りはスポーツではありませんよ。
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次回は先生出す予定です。