敬語おじさんとプロローグ
初めまして津慈です。見て頂いてありがとうございます!
それはある無駄に大きな公園の人気のないベンチでの一幕。ベンチに座るおじさんに快活そうな幼女が話しかけた。
「おっちゃん、プロローグってなんだ?」
「プロローグというのは序章の事ですよ。物語の導入で見ている人を引き込むためにあえて脈略のない意味深なセリフを言ったり、いきなりオールキャストを出したりする作者の承認欲求の温床ですね。」
「おじさん何いきなり際どい話してるんですか!? 批判コメントされるんでやめてください!!」
2人の会話に目つきのキツイ幼女が吠える。
「うーん、そうなのか……うちらもした方がいいのか??」
「そうですね。この作品は日常系で異世界でもありませんし、チートキャラも悪役令嬢も出ませんからやるべきかも知れませんね。」
「あんたらメタ発言いい加減にやめろ!!」
尚も息を切らして吠える幼女に構わず話は続く。
「じゃあ、うちは前世に受けたおじさんへの恩を返すため転生した設定だ!! これで幼女がおじさんと友達になるなんていう作者の気持ち悪い妄想の補強にも繋がるからな!! 一石二鳥だ!!」
「非常に合理的でカタルシスを感じる設定です。ならここでは「どこかでお会いしましたか?」など初対面ではない風な発言が必要ですね。」
「そんな無意味な会話されたらフラストレーション溜まるわ!! 大体こんな読後感ゼロの作品にカタルシスは必要ない!!」
おじさんと快活そうな幼女はまるで突っ込みなど聞こえていないかの様に会話を続ける。
「なら私は生まれながらの世界的な大富豪で週末にこの公園で大衆の生活を学んでいる設定にしましょう。そして最後に優秀な人材にだけでネタばらしをして自分の企業に勧誘するという展開です。」
「すげー!! 斬新な展開だなおっちゃん!!」
「いや、その展開凄い見覚えあるんだけど!世界ま〇見えテレビ特〇部の外国のテレビ番組コーナーのやつだろ!!」
ここまで読んでいただければ理解出来ただろう。この物語はおじさんと幼女の交流を描いたハートフルコメディ作品ではなく、無秩序ギャグコメディ作品であると。
「梨花は……突っ込みキャラはいじらない方がいいな。」
「ですね。突っ込み担当はあっさりシンプル系がいいですね。」
「もういや……」
今日もおじさんと幼女の会話は周りを巻き込みながら進行していく……。
――そして物語はまだ初々しい3人の出会いの場面から始まる。
なんか初期と作風変わっているのでプロローグ追加してみました。基本1話完結なので途中からでも気軽に見て下さい。
あとプロローグみたいに無秩序になるのは第2章からなのでご理解ください。