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鶴の恩返し

作者: 柚緒駆

 しんしんと雪の降る冬の夜、戸を叩く音がします。お爺さんとお婆さんが顔を見合わせていると、外から若い娘の声が。


「この雪で難儀しております。どうか一晩、宿をお願いできませんでしょうか」


「おお、それは可哀想に。どれ、いま開けますからお待ちなさい」


 お爺さんが戸を開ければ、そこには美しい娘が一人。


 と、突然娘は懐から何か包みを取り出して床に叩きつけました。散らばるのは金銀珊瑚の宝物。


「拾えジジイ! 喜べババア! 我こそは今朝方ジジイが罠から助けた鶴! これで恩は返したぞ! フハハハハハハッ!」


 娘はそう叫ぶと鶴に姿を変え、空に飛んで行ってしまいました。


 しかし鶴は知りませんでした。今朝、罠にかかっている鶴を助けたのは、隣に住む双子の弟の方だったことを。


 意味もわからず幸運に見舞われたお爺さんとお婆さんは、そのまま死ぬまで楽をして過ごしましたとさ。


 めでたしめでたし。

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