【第1章】 第8話 異種族との遭遇
【第1章】 第8話 異種族との遭遇
4人パーティーは順調だった。ついに俺が40レベルに到達したとき、もう周辺の狩場は行き着くし、その後俺たちは8歳になっていた。
この3年間で、もう俺たちは家族同然となった。北の主、赤眼の巨大グレイベアーを討伐したときは、8歳にして俺たちのパーティーは大人と肩を並べるくらい、村での名声を得ていた。
ただ問題もある。まず、俺はレベル40になったのが7歳の時で、そこから1年間レベルがあがっていない。そして、魔法についても実はビット以降知っている者がおらず、新しいものを覚えていない。スキルも一緒で、もうずっとアタックとルナスラッシュばかりつかっているのでアタックのスキレベは65、ルナスラッシュは25となっているが、変化に乏しい。パーティーに確かな手応えを感じつつも、今後の発展、その展望を考えていかないといけない。実はそう思って半年前、パーティーメンバーに話したことがある。
禁断の森へいってみないか?
え?何いってるの?あそこは立ち入り禁止でしょ?
聞いてほしい。俺たちはこれまで順当にやってきた。個々の力も十分だと思う。これ以上成果をあげるには、新たな挑戦が必要だと思うんだ。
は?何いってるの?安全に狩をして、おいしいお肉が定期的に手に入って、これ以上なにがいるのよ?
大人にも認められて、このままこれを続けていけばいいじゃない。禁断の森なんて、危なくていけないわよ。
時々思っていたが、ライフはそんなに強くなってどうするんだ?俺たちは食べるために狩るんだ。強くなることが目的じゃない。
…あぁ、そうだな。
気まずくなったのだ。
そう、その通りで、彼らは強くなる必要はないのだ。食べるために狩るだけで、強さはその副産物なのだ。
でも、俺はそうじゃない。みんなと違って10歳には強制入園がまっている。
もし、でくるならもっと強いモンスターと戦って、早くレベル51になってしまいたい。
そうすれば、少し安心できる気がする。
翌日、再びパーティーと話し合うことにした。
いい加減にしろ!そうやってパーティーを危険に巻き込むな。そんなに行きたいなら、1人で勝手にいけ。ちょっと頭を冷やせ。
…やばい、叱られた
リーダーなのに遠慮なしだな。まぁそこがいいところだが。もう、1人で行ってみるか。父母には心配されないよう、黙っておこう。
さてと、道具屋で買い物だな。
ヒッヒッヒ、ライフ久しぶりだね。何かほしいのかい?
2分間透明になれる薬3本と、魔力回復するポーション10個ちょうだい。
あいよ、割り引きして4万8千シルバーね。
それでも、透明薬だなんてソロでもするつもりかね。
逃げる時にあったほうがいいでしょ。
まぁねぇ…はい、どうぞ。
よし、そろったな。そのとおり、ソロします。所詮目的が違えば道も違うさ。禁断の森へレッツゴー!
俺は南の出入り口を出る前に、透明薬を飲んだ。
効果は2分間、出口をでてすぐに北へいき、あった、森の入り口だ。薬の効果が残っているうちに、森へ入るぞ。レベル40になり、足が圧倒的に速くなった。何と2分以内に禁断の森へ入ることができたのだ。
禁断の森は、ゴブリンの村やオークの村など、モンスターの群れが住んでいると言われている。ついでに倒していくか。見つけたオークの村を壊滅させ。俺は少し調子にのっていた。
あった、あの岩の辺りだな。
モンスターも長く生きていると、強くなることがあるらしい。俺が狙っているのはオークの中でも10年以上いきたものが名前付きでしゃべれるオークとなるらしい。この岩の辺りは、俺が隠れながらオークを観察することができる絶好の位置で、俺はここからオークの村を見張った。そう、何も闇雲で狩にきたのではなく、何に狙いを定めるのか、俺は酒場で人に話を聞いたり、情報屋にお金を払って情報を得てきている。
そして、なぜそんなオークを倒すのかというと、一つは当然レベル上げ、もう一つは嘘か本当かわからないが、そのオークが雷魔法を覚えるための何かを稀にドロップするらしい。それは一つで1000万円で売れると言われているが、俺は自分に使うつもりだ。
おっと、あの口の動き、あのオーク少し怪しいな。
お、狩かな森の奥へいっているぞ。
つけることにした。
なるほど、というかオークが持っている武器がいつもの棍棒からでかい気の根っこみたいなのを担いでるな。
…一目でわかるぞ、酒場のやつらはいままで何してたんだ。
よし、倒してみるか。
狙いのオークが1体で外出したときを狙って、透明薬を使う。背後からルナスラッシュ!全身を使って大振りの1発、切った剣閃にオーラがかかる。
ズバン! ぎゃおおお
くそぉ、人間め!このギャラバン様に切りかかったことを後悔させてやる。
ドスン!
オークが闇雲に持っている木の根で辺りを押し潰す。
俺は薬の効果が残っているうちに、
ファイアーランス!
ズバズバズバズバ
複数のファイアーランスがオークの背後に突き刺さる。
ぐぁぁあ。ぶぉん
木の根がこちらに飛んでくるも…残念、既にお前の懐に移動ずみだ!
ルナスラッシュ!ルナスラッシュ!
ズバン!ズバン!
ぐああ。おのれ、ぴー!
オークが指笛を吹いて仲間を呼んでいる。
その隙に
ルナスラッシュ!ルナスラッシュ!
ズバン!ズバン!
強烈な2撃を首にお見舞いしてやる。
ごおおおん。
崩れ落ちて死んでしまった。
…ドロップはなし。肉のみだけどとっている暇はなし。
薬が切れたな、すぐ移動しよう。
俺は再び岩場に隠れながら、見張ることにした。
ん?あれは何だ?
オークの村にヒョウ?
村の中に、二足歩行のヒョウがいる。オーク達は何だかへりくだっている様子だ。お、何か引きずられてきた。あぁ、俺が倒したオークだな。
ちょっと声は聞こえないが、たぶん俺が殺したオークのことで、会議してる感じか。その時、ヒョウがオークの死体に手を入れて、何かを取り出した?魔石?
石はビリビリと雷を帯びている。
もう少し近づいてみるか。
よし、オクロイド、次はお前がオークの長となるのだ。
雷を帯びた石がオクロイドと言われるオークの身体に入っていく。
くくくくく、力だぁ!ヒョウゾウ様、ありがたくちょうだいいたす。
よし、ひとまずこれからお前らは兵士とともにギャラバンを倒したやつを探せ。俺は1度獣人の国に帰り、制服の準備が出来つつあることを伝えてくる。
オークはいま何体いる?
150体ほどです。
それなら、次にくるときは兵士と獣人の仲間も連れてこよう。
なるほど、帰る前に倒すしかないな。