雲よ、夢物語を

旬になった雲がゆらりゆらり揺れている

群れを成した雲たちは何処へ向かうのか

そう考えている間にも僕は此処に留まる

水も空も風も揺れながら動くのに

僕は未だに此処に居る

いつまでも変わらないような景色

しかし確かに変わり続けている景色

群れが長く長く続いているせいで

何も変わっていないように見えてしまう

群れを成した雲たちは何処へ向かうのか

いつか僕の手の届く所まで降りはしないか

そんなくだらない人の夢物語を

いわしは何か聞いているのだろうか