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Butterfly  作者: 姫
26/45

夢?現実?

寝ていたら舞香の声が聞こえてきた。

「裕哉、撮影に行ってくるから」

裕香は布団の中から返事をした。

「裕哉…?お姉ちゃんなに言ってるの、裕香でしょ」

すると冷たい声が帰ってくる。

「は?アンタなに寝ぼけてるの。気持ち悪い」

「寝ぼけてなんてないよ…」

裕香はゆっくり布団から身体を出して伸びをした。

「はあ~あ…」

そのとき、ものすごい違和感があった。

この身体の感覚…それに今の低い声…まさか!

慌てて身体を見てみると、それはまさしく裕哉の身体だった。

「なんで?なんで裕哉に戻ってるの!?」

パニックになっている裕哉を舞香は冷たい目で見ている。

「付き合ってらんないわ」

そういって部屋を出ていこうとする舞香を裕哉は引き留めた。

「待ってよ、お姉ちゃん!」

「なに、その呼び方…マジで気持ち悪い」

それだけ行って舞香は撮影に行ってしまった。

あのお姉ちゃんは…昔のお姉ちゃんの反応だ…

慌ててスマホを手に取る。

裕哉の頃に使っていたスマホと同じものだ。

カバーもつけず、黒いシンプルなスマホ。

画面のカレンダーを見て、裕香は驚愕した。

「裕香になった日…」

ってことは、裕香になったのは夢?

それにしてはリアルすぎる。

裕香になっていた日々の記憶が鮮明に残っているからだ。

でも夢だったなら、裕香が出会った人物はすべて架空の人物になる。

慌ててリビングへ行き、置いてあったLaLaを開いた。

「華菜ちゃん…玲衣ちゃん…友梨絵さん…やっぱり存在している」

間違いなく奈緒美さんも存在しているはず…それに大学で友達になる美紗たちだって…

今度は舞香の化粧品を手に取った。

自然と手が動き、当たり前のようにメイクをすることができた。

なんで…なんで裕哉に戻っちゃったの…裕香で、ずっと裕香でいたかったのに…

大粒の涙をこぼしながら、裕哉は泣き崩れた。


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