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Butterfly  作者: 姫
21/45

裕香が水着に着がえたら

裕哉が渡された水着は、オフショルダーの水着だった。

谷間が見えず、袖までついている。

「へー…」

こんなのもあるのかと感心してしまった。

着たらどんな感じになのか、少し楽しみな気持ちになった。。

友梨絵は定番の花柄の普通のビキニ、

玲衣はフリルのついたビキニ。

三者三様、いろんな水着を紹介するところはさすがファッション誌といったところだろう。

ところが、ここで新たな問題が発生する。

水着になるということは、全裸になるということ。

部屋にいるスタッフ全員が女性なので、

友梨絵も玲衣も平然と裸になって水着に着替えている。

下着になら何度もなっているが、裸は抵抗があった。

「裕香、時間ないから早くして」

「は、はい!」

怒られてしまい、慌ててしまう。

そうだ、ここから先はタイトなスケジュールといっていた。

躊躇っている暇などない。

さりげなく壁をむいて素早く水着に着替えた。

胸元は大丈夫だが、お腹が見えているのとおしりの形がはっきり見えてしているのは

予想以上に恥ずかしい。

「はい、撮影までこれ羽織って」

UVのパーカーを渡されたので、それを羽織る。

日焼けだけは絶対にしたらダメだと言われていたのを思い出した。

しかし、裕哉的には、日焼けよりも水着姿から逃れられるほうが最優先。

前を締めたので、とりあえずお腹は隠すことができた。

幾分恥ずかしさもなくなり、髪などを整えられ、

3人はスタッフとともに目の前に広がるビーチへと移動した。

ここはちゃんと水着を紹介しなければならないらしく、

立ち位置からポーズなどの指示が細かく出た。

「じゃあパーカー脱いでそこに立って」

再び水着だけになる。

そこまで移動しているとき、裕哉が恥ずかしがって緊張していることに

友梨絵が気づき、声をかけてくれた。

「水着着て雑誌に載れるってすごいことだと思わない?だってスタイルよくないとできない仕事だもん」

そこに玲衣も加わってくる。

「ね!だから思いっきり楽しもうよ、裕香ちゃん」

なんて優しい2人なんだろう。

一生懸命、気をほぐそうとしてくれる。

この2人と一緒にいて、これ以上気を使わせるわけにはいかない。

ここでやっと気持ちが切り替わる。

「ありがとう」

裕哉が笑顔で返すと、2人とも「うん」と頷いた。

もう迷わない、精一杯仕事をこなすんだ。

スイッチの入った裕哉は、カメラマンの指示通りにポーズをとった。

表情も自然と笑顔になる。

それは友梨絵と玲衣が一緒だからかもしれないが、

途中からは水着ということが気にならなくなり、

いつもと同じ…いや、いつもより楽しい撮影になった。


水着の後は温泉の撮影。

そのまま温泉の脱衣所へ移動する。

なんでも夕方5時から一般のお客さんが入るので、

その1時間前までに撮影を終わらせないといけないらしい。

時計を見ると今が3時なので、あまり時間がない。

今度はタオルの下にベアトップの白い水着を着ることになる。

これは見せるものではないので、3人とも同じデザインのものだった。

ただ、Eカップの裕哉だけLのサイズになっていた。

一度裸になったからか、時間がないかから、

さっきほど恥ずかしくなく着替えることができた。

タオルを巻き、髪が濡れないように留めてもらって準備完了。

先にお風呂場に移動する。

「早く入りたいね~」

いつもの感じで玲衣が言ってくる。

けどそれは裕哉も同じ意見だった。

撮影というのは置いておいて、温泉は好きだから。

むしろ、温泉を嫌いな人なんているのだろうかと思ってしまう。

そんな話をしていると、中にスタッフも入ってきた。

ここはタイアップの部分なので、特に細かい指示もなく、大浴場の中に3人で浸かった。

「あー気持ちい…」

友梨絵が本音を漏らすと、玲衣が突っ込んだ。

「あーって、友梨絵ちゃんオバサンくさい」

「だって温泉はいると自然に出るじゃん!」

そんなやり取りを見て、裕哉は笑っていた。

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