今夜のおかず
ねえねえ母様。
なあに坊や?
かくれんぼしようよ。
いいわよ。でも2人じゃさびしいわね。
そうだね。おなかもすいたし、だれかさがしてこようかな。
♦
「はあ、弱ったな。道がない。」
俺は失恋のショックで半ばやけになってこの樹海にきた。
一本道の樹海でマイナスイオンに包まれて癒やされようくらいだったのが、
いつの間にか迷い込んでしまった。
「ここで遭難だけはかんべんだな・・・・。」
ちょんちょん。
俺は振り返る。
「おにーさん、迷子??」
「ああ、きみは?」
「ぼくのおうちすぐ、そこだから。とまっていきなよ。このあと雨ふるし。」
渡りに船である。
「じゃあお邪魔させていただこうかな?」
こどもについて行くと、ログハウスのようなきれいな一軒家が見えてきた。
「かあさま。かあさま、お客さんだよ!」
「まあまあ、ずいぶんお疲れで。どうぞお座りくださいな。」
こどもの母は40代手前くらいだろうか。髪を後ろに縛り、割烹着姿。
顔の線はほそいが着やせするタイプなのか。ふくよかさをもっているようなタイプだった。
顔立ちは切れ目の美人である。
「すみません、迷ってしまって。。」
「この後は雨ですから、どうかお泊まりください。」
「おにーさん、お風呂はいったら?くさいよ。」
「こら坊や。失礼致しました。お風呂がわいておりますので、どうぞお入りください。」
子どものお風呂に連れてかられる。
「ここに寝間着おいておくからね。」
純白の高そうな服だ。
「いいのかい?」
「いいよいいよ!あ、おにーさんお風呂からあがったらあそぼうよ。ご飯まで時間あるし。」
「おう、何して遊びたい?」
「かくれんぼがいいな。うち隠れる場所たくさんあるからさ。」
風呂にはいる。
今時珍しい五右衛門風呂だ。
「はあー生き返る。」
♦
風呂からあがった。
「お風呂いただきました。ありがとうございます。」
母親が台所で包丁で野菜をきっていた。
「あらあら、ごゆっくりしてくださいな。」
「ねえねえおにーさん、母様!かくれんぼしようよ!」
「いいけど、きみのお母さんは料理中だよ。」
「大丈夫ですよ。いつものことですから。」
「じゃあ僕はあっちで数数えるからね。よかったらもういいよーっていってね。」
すたすたいってしまった。
「元気なお子さんですね。」
「そうなのよ。でも父親を早くになくしてね。それでも元気に育ってくれてね。あの子が
いるとさびしくないわ。でもね。。。」
母親は俺の首もとに腕を絡ませてくる。
「私もまだまだ女としての欲求をすてたわけでないの。あなたのような素敵な殿方から来るとついね。。
」
「いや、俺はその・・・・。」
ざく。
「え・・・・・?」
背中に包丁が突き刺さる。
「うわああああああああああああああ!」
痛みでのたうち回る」
部屋の向こうからは
「もういいかーい?」と聞こえる。
「まあだだよ-。」
母親は答える。俺のことを何度も何度も包丁でぶっさしながら。
「ぐは、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」
「もういいかい?」
「まあだだよ。」
血が止まらない。
「た、、、すけて、、、。」
「もういいかーい?」
「まあだだよ。」
母親は斧を取り出し、俺の両腕をそぎ落とす。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「大丈夫よ。まだ、死なせないから。」
両足も切り落とす。
「もういいかい?」
「まあだだよ」
「うぐぐぐぐ・・・・・。」
「ワタはね、苦いから取り出さないとだめね。」
ナタを取り出し、腹を割かれた。
「大丈夫。私、死なないようにするの得意だから。」
既に大量に出血している。
手際よく、ワタが抜かれてぼりバケツに捨てられていく。
「心臓はね。炒めるとおいしいの。」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
そこで俺の意識はなくなった。
♦
「もういいかい?」
「もういいわよ、坊や。」
子どもが台所にはいっていく。
「あ、母様みーつけた。」
「あらみつかっちゃった。」
「おにーさんは??」
「あそこよ。でもね。なんだか何も話してくれないの。」
「そうかああ。じゃあ仕方ないよね。今夜もいただくしかなよね、母様。」
♦
ねえ、かあさま。
なあにぼうや。
今日もかくれんぼしようよ。
いいわよ、でも二人じゃさびしいわね。
じゃあ、遊び相手探してくるね。
きをつけていってくるのよ。なるべく、肉付きの多いお友達をつれていらっしゃいな。