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初雪の日③

車で10分もしないうちに下組のあたりに到着した。


「ちー、下組は何軒くらいお家があったかな?」


「えっとね…12軒かな?」


少ないから丁寧にどけることができそうだ。


「じゃあ、どんどんやっていこうか!」


「おー!」


そう言ってちーと一緒に歩き出す。


一番最初は近藤さんのお家。


「すいませーん。町役場からの依頼で雪を片付けに来ましたなんでも屋雪平ですー。近藤さんいらっしゃいますかー?」


玄関まで行ってそう大きめの声を出すと奥から人が出てきた。


「はいはい、あら雪平さんじゃねーかい。なじだね?元気けぇ?」


「あ、近藤さんちのおばあちゃんこんにちは。元気ですよー。元気なので今年も雪を雪平がどけに来ましたよー」


「ほーかい、ありがてぇなぁ。今日はどこさ回る?」


「今のところだと、下組のみの予定ですね。」


「じゃーあんた、あれさ、終わったらうちにこらっしゃい。茶菓子くれー出すっけこらっしゃいて」


「わかりました。まずは雪片付けちゃいますねー」


ほ、方言が強い。


数年前こっちに来た時にはおばあちゃんたちの言葉はほとんど呪文のようだったが、結構なれてくるもんだ。


なじだね?はどーだい?みたいな意味で


こらっしゃいは来なさいって意味。


どちらかと言えばまだ初級編だ。


「あれ!?ちーちゃんも来とったんか。ほんとにめんこいのー。おばあちゃんと後で大福食べよーな。待っとるっけ」


「うん。楽しみにしてるねばーちゃん」


めんこい=可愛いという意味らしい。


ちーもこっちの言葉に慣れてきたなーと思うよ。


さて、お茶の時間までに終わらせておかないといけない約束もできたので、さっさとやっちゃいましょう。


①まずは家の前の雪をまとめる。


②次に屋根の上の雪を落とす。


③そして、それらの雪を田んぼの上にドーン!


これが例年の雪の片付けかただ。


まぁ、今年も変わりはしないんだけどねー。


家に危害を加えないように集中をして、魔法を使う範囲にある雪をしっかりとイメージして…


まとめる!!


雪は雪平のイメージ通りの範囲でまとまり空中に漂う。


それを誰もいなさそうな田んぼの方へ移動させて落とす。


家の前の雪は完了だ。


次は屋根の雪だな。


屋根の雪の方が神経を使う。


間違って屋根まで動かしてしまったら大変だからしっかり集中。


まずは屋根からゆっくり落としていって…


それをさっきの雪と同じ方へ移動させて…


「よし。一件目終わり!」


「雪平おつかれ。あと11軒ね」


「まぁ、気楽にやってこっか!」


とりあえず、完了報告をおばあちゃんにしてから行きますか。


「おばーちゃーん!雪下ろし終わったから次に行ってくるねー」


「へぇ終わったんかい!助かるわー。頑張ってらっしゃいなー」


そう、おばあちゃんにも挨拶を終えて次の家に向かっていく。




2時間後…


「雪平おつかれ。下組コンプリート」


「いやー、おつかれ。ちーも寒い中サポートありがとうね」


「ちーは地図見て案内しただけ、何もしてない」


「いーや、ちーは僕がめんどくさがって逃げ出さないように見守っててくれたから」


「確かに、ちーえらい。雪平にちゃんと仕事させた」


「そ、そうだね。じゃあ、一旦役場に行こっか」


表現が日に日にストレートになってきて、切れ味が増している気がする。


それはそれで個性として見守ってあげよう。


さて、耳栓あったかな?


車に用意してある耳栓を持って町役場に入る。


「雪平さん!ありがとうございました!これで、一旦下組は大丈夫だと思います!また降り始めてきたらよろしくお願いします!!」


わーすごい耳栓あってちょうどいいかもこれ。


「了解です。今日は他のところは大丈夫そうですか?」


「そうですね!他のところはまだ若いもんがいますから大丈夫だと思います!次のメインとしては雪まつりの時期にお願いしたい!」


「わかりました。でも、今年も僕は作品は作らないですからね?」


「そこをなんとかお願いできませんか!」


「いやです!僕はズルして勝とうとは思いません。それに雪像は雪だるまが一番好きなのでそれでいいです。じゃあ、今日はお茶の約束があるのでまた連絡くださーい。」


そう言ってひらひらと手を振りながら町役場をあとにする。


遠くから雪だるまでもいいですからーと聞こえてきた気がするが気にしない。


近藤さんちのばーちゃんを待たせるわけには行かないからね!


「雪平は小泉さんに冷たいよね」


「僕は嫌なものは嫌っていうタイプだから、断ってるだけだよ。たまたま小泉さんが言ってくる内容のほとんどが嫌なものに当てはまるだけさ」


「それって嫌いなんじゃないの??違うの??」


「んー?たぶん違うんじゃないかな?さ、ちーも近藤さんち行くよ!」


「うん!」


どうも唯織です。

方言がではじめました!

完全に地元の言葉をもとに書かせてもらいました。

作中でそのへんは全部解説ではないけど通訳したいと思うのでご安心を…

正直おじいちゃんおばあちゃんはもっと方言が強い気がする。


ゆるーい感じで今後もお願いしますm(。>__<。)m

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