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ラスト・エクスカリバー『最後の聖剣』  作者: 神威白夜
異世界へ!
9/18

冒険者試験

俺とアルシャは朝早くに起きた。

そして、アルシャが作ってくれた朝ごはんを食べて、早速ギルドに行こうとしたのだが...

アルシャが仕事は昼から始まるというので、せっかくだからアルシャに冒険者試験について、あとは筆記試験の勉強も教えてもらった。

俺はブレインレベルのおかげでアルシャが教えることをすぐに覚えられた。

俺があまりにも覚えるのが早いのでアルシャは少し驚いていた。

それにしてもブレインレベルって本当に便利な能力だよな!

今度レイティアに会ったら感謝の気持ちを込めて思いっきり抱きしめてあげようかな。


そんなことを考えてるうちにギルドのロビーに着いてしまった。

アルシャは、


『また後でね!試験頑張って!』


と言って職場に向かっていった。


そのあと俺は冒険者試験の申込書を書くためにカウンターに行き、申請書と、試験を受けるために必要な資料を書いたり、いくつか質問されたのでそれに答えた、。

そして俺は忘れ物はないか最終確認を済ませて試験開場に向かった。


「いよいよ冒険者試験が始まる!」


試験開場に到着した俺は、試験官を待っていた。

「お待たせしましたヒロム様、試験の準備ができましたのでこちらへどうぞ」


「あぁ」


俺は試験官の男に案内されて、一つの部屋へ入れられた。


「なんだここは?」


部屋の内部が真っ白だ。これは...

コンクリか?

俺は試しに、拳に攻撃力強化をかけて壁を軽く叩いてみた。

しかし壁はとても硬くて割れなかった。

これは鋼鉄並みに硬いな。

軽く叩いたとはいえ攻撃力を強化した手で叩いたんだ。コンクリの壁くらいなら割れているはずだからな。

こんなに硬いものを壁にをだけに使うってことは、試験で何かあるのかな。


「ではヒロム様、試験について説明させていただきます。」


「よろしく頼む。」


「この試験では、魔力と攻撃力、防御力を1度に測ります」


「え?別々じゃないの?

あと筆記試験は?」


「筆記試験?それは誰から聞いたのですか?」


「ギルド職員のアルシャに聞いたんだけど」


「冒険者試験は何度も変わります。

そしてその試験はだいぶ前の試験方法です。

なので、アルシャ氏が教えたことはほとんど間違っています。」


「マジかよ」


筆記試験の勉強が無駄になった。

知らなかったとはいえ、俺に間違った情報を教えたアルシャには

後でもう1度頭を撫でてもらおう。


「では話を戻します」


「どうぞ」


「この試験では、魔物と戦ってもらいます」


「魔物と?冒険者じゃないのに大丈夫なのか?」


「魔物と言ってもダミーのレジスというやつなので、大丈夫です」


「そうなのか。ならいいや」


「レジスは特殊で、相手の魔力を戦闘終了時まで常に計測し、魔力の平均値を出します。そして攻撃されると、その攻撃力を毎回瞬時に測りその平均値を出します。」


「質問なんだけどレジスを攻撃して破壊しちゃったら計測はどうなるんだ?」


「レジスは、かつて覇王様が作ったもので、覇王様より強い人でない限りレジスを倒すことは出来ません。

もしレジスを破壊するほどの力を持っているものがいたとしたら、その人は戦姫に次ぐ2人目のランクSSSになるでしょう」


「じゃあ思いっきり戦ってもいいんだな。因みに戦姫はレジスを壊せたのか?」


「いいえ、戦姫でもレジスを破壊することは出来ませんでした。

しかし、そもそもレジスは壊す必要などないのです。レジスは覇王様が残した形見の1つなので、壊れたら困りますからね。」


「覇王の形見なのか。

それは大切なものだな。」


「それでは次に防御力計測方法を説明します。

防御力の計測は、この特殊ペイント弾を使います。」


「特殊ペイント弾?」


「特殊ペイント弾は、付着した者の防御力が高ければ高いほど色が黒から白になるという特殊なものです。」


「因みに聞くけど、戦姫の

ティナ・アルクスもこの

ペイント弾試験をやったのか?」


「はい、この試験だけは毎回やるものなので変わりません。

当然、戦姫も特殊ペイント弾を使って防御力を測定しました」


「戦姫の場合は何色になったんだ?」


「戦姫は、白色になりました」


「さすがだな。」


「では、説明は以上です。

ヒロム様には早速レジスと

戦ってもらいます。」


試験官の男はパソコンを操作した。

すると、目の前の黒い扉が開いて、魔物らしきものが出てきた。


「おう!いつでもかかってこい!」


「戦闘開始!」


「先手必勝!てりゃっ!」


「ブォン!」


「おっ、よけられたか!

なら...身体強化!

それと攻撃力強化!」


「ブォ...ブォッ...!」


「よし捕まえた!今度こそくらえ!

おりゃあ!」


バァンッ!


「なっ!レジスが破壊...された!?」


「え!?レジスは壊れないんじゃなかったの!?」


「レ、レジスが壊れたということは、

あなたは防御力を測らずとも、既にランクSSSにふさわしい実力を持っているということ...」


「覇王の形見壊しちゃってごめんな」


「いいえ!いいのです!覇王様と同等の力を持つものに出会えたのですから!」


「それなら良かった」


「では早速ヒロム様がランクSSSになったという報告を!」


「え?防御力の計測は?」


「私が先程言ったようにヒロム様は既にランクSSSの条件を満たしているので測らなくていいかと。試験が早く終わった方がヒロム様にとっても良いことではありませんか?」


「確かに試験が早く終わるのは俺にとって嬉しいことなんだけど、やっぱり防御力も測りたい」


「まぁそういうことでしたら測りますけど。どうして測りたいのですか?」


「冒険者登録が終わったら戦姫に挑戦するために闘技場へ行くつもりなんだ」


「なるほど。戦姫に挑むのですね」


「あぁ、だから防御力を測って戦姫の攻撃を耐えられるかどうか確かめたい」


「わかりました、では測りましょう」


「おう!」


「では腕を出してください。ペイント弾を打ち込むので」


「打ち込む!?痛くないよな?」


「大丈夫です!このペイント弾はすごく柔らかいので、割れた時のペンキが肌につく瞬間の冷たさ以外は何も感じません」


「それなら、大丈夫だな」


「ではいきます!」


パンッ!


「あれ?ペンキは?」


「おかしいですね。もう一度打ってみましょう」


「あぁ。頼む」


「ではいきます!」


パンッ!


「やっぱり色が着かない。

その銃ちゃんとペイント弾は

入ってるのか?」


「はい!ちゃんと入れました!

でもペンキが着かないですね...

あ!もしかすると...」


試験官の男はポケットから何かを取り出した。


「なんだそれ?」


「これはペイントレーダーと言って、ペンキを感知する道具です。

これも覇王様が作られたものです。

もしかするとヒロム様も覇王様と同じで付着したペンキが無色透明になっている可能性がありますので調べます。」


「なるほど。じゃあ調べてくれ」


「はい、では早速」


ギルド職員の男は俺の腕にペイントレーダーを近づけた。

すると...


ピコンッピコンッ


「やはり、無色透明になっていましたね!素晴らしいですヒロム様!」


「いやぁそんなに褒められると照れるなぁ」


「これで試験は全て終了です!お疲れ様でした!」


「あ、待って!魔力って測られたのかな?」


「魔力ですか...

ちょっとデータを見てみますね。

もしかしたらレジスが壊れる前に測ったヒロム様の魔力のデータが残ってるかもしれないので。」


「頼む」


ギルド職員の男はしばらくレジスとパソコンを調べていた。

そして数分後...


「さすがですヒロム様!」


「え?どうした?」


「魔力は...なんと覇王様より上です!」


「マジかよ!」


「僕は幸せものです!覇王様を超える力を持った人の冒険者試験にたちあえるなんて!」


試験官の男はとても感激していた。

でもこれは、ワールドブレイカーの力なんだろうな。

俺の素の力じゃないから素直に喜べないや。


試験が終わり、俺はロビーで冒険者カードを発行してもらった。

俺の冒険者カードを発行したギルド職員の女性は何故か『あの!握手してもらってもいいですか!』と言ってきたので、とりあえず握手をした。


「今日はいろいろあったな。

けどここからが本番だ!」


そう、冒険者になるためだけに冒険者試験を受けたんじゃない。

闘技場で戦姫に挑戦するために冒険者カードが必要だったから冒険者試験を受けて冒険者になったんだ!


「待ってろティナ・アルクス!

お前を倒して、俺の修行を手伝って

もらうぞ!」


あっ!

1番大切なことを忘れるところだった!

まずはアルシャに頭を撫でてもらわないとな!

それから戦姫に挑みに行こう。

ある意味アルシャに頭を撫でてもらうことの方が戦姫に挑むことよりも重要なことだからな!




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