アスタリア到着
アスタリアに着いたはいいとして、何をすればいいかわからない。
あとここはアスタリアのどこなんだ?
修行をしようにも何をどう修行すれば能力が強化されるかわからない。
異空間を出発する前にレイティアから、
『習得レベルというものは初めて見たので、どう修行すればレベルが上がりワールドエンドを習得できるのか。神である私にもわかりません』
と言われた。
ワールドエンドを習得するまでは
身体強化と攻撃力強化を使えばなんとかなるらしい。それに、身体強化と攻撃力アップは、俺の成長に合わせてレベルが上がっていくみたいだ。
でも、どうしたら成長するのか。それもレイティアはわからないそうだ。
まったく...なんて使えない神なんだ。
とりあえず、ここはアスタリアのどこなのか、それとアルヴァロンはどこにあるのか知っておく必要がある。
だから俺は情報収集も兼ねてアスタリアを観光することにした。
「さぁて、どこ行こうかなぁー」
まぁ、今は何も情報ないしとりあえず
あの存在感溢れるでかい建物に行ってみようかな?
案内所とかだったら助かるんだけどなー
数分後
「こんにちは!ギルドへようこそ!本日はどのような要件でしょうか?」
猫耳のお姉さんだ。可愛いなぁ
レイティアとはまた違った可愛さがある!
あ、そういえば俺はこの国の言葉が理解できる。
なぜ俺が異世界の言葉を理解できるのかって?それは、レイティアにテレパシーの使い方を教えてもらった時、ついでにアスタリアにある全ての国の言語を頭に入れられたからだ!
だから俺はどこの国の言語でも理解できる!そして今この可愛い猫耳お姉さんと喋れる!
これはブレインレベルをくれたレイティアに感謝だな!
「俺、今日ここに着いたばかりで、ここについて何も知らないんだけど、色々教えてもらえないかな?」
「そういうことでしたら、あちらに個室がありますので、そこでこの国についてお話し致します」
「あぁ、よろしく頼む」
俺たちは奥にある個室に向かった。
猫耳お姉さんと個室...
コホンッ!べ、別に変なことなんて考えてないぞ?本当だぞ!?
「では何について説明致しましょう
か?」
「そうだな、俺はこの国だけじゃなくて、この世界についても知りたい」
「アスタリアに存在する全ての国について教えて差し上げれば宜しいのですね?」
「そうだな、教えてくれると助かる。」
「それでは早速、この国のことから...」
「ちょっと待ってくれ」
「なんでしょう?」
「名前を教えてくれないか」
「名前?私のですか?」
「あぁ、因みに俺の名前は剣 広夢だ」
「私の名前は、アルシャ・ライゼルでございます。よろしくお願いしますヒロムさん」
「よろしくアルシャ『ちゃん』!」
「『ちゃん』はやめてくれると助かります」
アルシャは、少し恥ずかしそうだった。
「じゃあ、アルシャ」
「はい、なんでしょう?」
「敬語やめることはできるか?」
「え、えぇっと、それはつまり...」
「そう、敬語をやめて欲しいんだけど」
「そ、それはなんというか...」
「じゃあいいやアルシャ『ちゃん』!」
「あ、あの!『ちゃん』はやめてください...」
「なら、敬語やめてくれるかい?」
「そ、それは馴れ馴れしすぎると思うのですが...」
「じゃあアルシャちゃ...」
「わかりました!わかりましたから!
もう許してください...グスン」
「よし、じゃあ今から直してみよう!」
「はい...じゃなかった!わ、わかったよぉ...」
「あと俺の呼び方は...そうだなぁ。広夢くんと呼んでくれ!」
皆は疑問に思っているだろう。なんで俺がアルシャを泣かせてまで、敬語を辞めさせたいのか。
それは!猫耳なうえにお姉さんキャラでしかも超可愛いという完璧な設定のアルシャに敬語で喋られるとなんか残念な気分になるからだ!
コホンッ!全世界の男に問おう!
猫耳のお姉さんに名前を『くん』付けで呼ばれながら楽しくおしゃべりしたくない奴はいるか?いないだろう!
そんな奴いたら俺がぶっ飛ばしてやる!
てなわけて、アルシャと楽しくおしゃべりしたい、『くん』を付けて名前を呼ばれたいからってのが理由だ!
「そのぉ...それは強制なの...?」
「あぁ、強制だ!もうこれ以上何も頼まないから、敬語をやめて、そして広夢くんと呼んでくれ!!」
「もう何もないんだね?じゃあわかったよヒロムくん...///」
「か、可愛い...」
おっしゃー!!呼ばれたぞ!広夢くんって呼ばれたぞみんな!
「な!何を言ってるの!?」
「冗談だよ、そう怒るなって」
「冗...談なんだ...」
なんだかアルシャが悲しそうな顔をしている。
「いや、そういう事じゃなくてな?
もちろんアルシャは可愛いぞ!?」
「また何を馬鹿なこと言っているの!もうっ///」
口ではそう言ってるがアルシャの顔が明らかにさっきより明るくなった。
機嫌を直してくれたみたいで良かった!
「あ、それでアスタリアのこと教えてくれるんじゃなかったのか?」
「あ!そうだった!」
アルシャは慌てて資料を持ってきた。
「この国には5つの国があるんだけど、まずはここ、カスティカについて説明するね」
「おう!」
「この国カスティカは、アスタリアの中で最も魔物が多い国なの」
「魔物?」
「うん、大昔に伝説の騎士アーサー様が魔物を全て倒したんだけど、数年前また魔物が復活してしまったの」
「マジかよ」
「それでね、他の4つの国は、魔物を遠ざける、アルジオン鉱石を持っていて魔物が近寄らないんだけど、この国にはその鉱石がないから魔物がどんどん集まってきて...」
「そのアルジオン鉱石を他の国から分けてもらうことは出来ないのか?」
「何度頼んでも分けてくれないのよ...
イルミ様が必死に頼んでいるのに...」
「イルミって?」
「この国の女王、イルミ・カスティカ様だよ」
「なるほど」
「それで、魔物が多いからイルミ様が魔物対策としてギルドを作って、冒険者達に魔物退治を頼んでるの」
「ギルド?」
「ギルドは、冒険者に依頼をする場所。私達ギルド職員は冒険者の相談に乗ったり、何かあれば全力でサポートする。そして冒険者達に依頼を受けてもらうの。冒険者は受けた依頼の難易度が高ければ高いほど成功報酬が高くなる。」
「冒険者か。かっこいいな!俺やってみたいかも!」
「冒険者はそんなに甘くないんだよ?あと冒険者になるには試験を受けてもらう必要があるの。その試験の評価によって冒険者のランクが決まる。
でも、最初ランクが低くても魔物と戦っていけば、ランクが上がることがあるの」
「試験...ランク...
試験って何やるんだ?」
「えっとね、魔力試験、戦闘試験、筆記試験の3つだよ」
「なるほどな、ランクはどういう感じなんだ?」
「ランクは上から、SSS、SS、S、A、B、Cと6個あるの。でもSSSランクはこの世界に1人しかいない、それも化け物みたいに強いの」
「へぇ!あってみたいな!どんな奴なんだ?」
「ティナ・アルクス...あの人はこの国最強の冒険者。皆はあと人のことをこう呼んでいる...最強の戦姫『ヴァルキリー』と」
「さて、カスティカの説明は終わったので、次の国の説明を...」
「あ、今はいいや!ちょっと、ティナって奴に会いたいから探してくる!
また改めて教えてくれよー!」
「あ!ヒロムくん!もうっ!」
ティナ・アルクス...『ヴァルキリー』
この国最強の戦姫
そいつに鍛えてもらえれば俺もすぐに強くなれるはずだ!
早速会いに行ってみよう!