「突風」
強風で有名な地方なんだ。
「遠州の空っ風と
かかぁ天下」
って言ってね、
冬場の風が強いのと
奥さん達の気が強いので
有名なんだ。
…今日の現場は新築中の
個人住宅。
込み入った住宅街の中、
トラックを
一旦、仮に路駐して…。
「ちょっと!そこ、邪魔!
今から
私が車を出すんだから!!」
って、意地の悪そうな、
気の強そうなキツい感じの
隣のオバチャン。
(ちぇっ、
今、どかすとこなのに。)
…ま、気を取り直して
作業に入る。
隣の家が近いからね、
気を遣うよ。
現場は足場をネットで
囲っては有るけどさ、
何せ風が強いから、
ゴミでも飛ばして
隣家の敷地にさ、
入ったりしたら
やっぱ大変じゃん?
そこら辺は
「出来る職人」としては
気を遣う訳さ。
昼になって、コンビニへ
弁当、買いに行かなきゃ、
そう思ってさ、
トラックに乗り込もうと、
その時、、、、
びゅうーって風が吹いて
隣の家のベランダから
何か飛んで来て!!!
?洗濯物?!!
「おっ??」
って、避ける間も無く、
俺の顔に!!!
(えっ?!パ、パンティー?)
し、ししかも勝負系???
(ハート)
思わず握り締めたね…。
ヒョウ柄金ラメ紐付き…、
「キャー!すみませーん!」
2階のベランダから、
隣の若奥さん?が
顔を覗かせて、
(び、美人だー!/////)
…被りたい衝動を
抑えるのに
どれ程の
精神力が要ったか、
マニアでなくとも、
男ならば
理解してもらえる、
…と信じる。信じたい。
普段、真面目に一生懸命、
残業して働いて…、
神が俺に与えてくれた、
小さな、いやいや、
大いなる至福の一時、
千載一遇のチャンス!
つい匂ってしまっても
誰もこの私めを、、、、
…責める事は…、
出来ますまい。
(ちぇっ!洗剤の臭いか!)
残念だ、 (なんで?)
(待てよ…、これは!
…ボールド?
しかも液体の方だ!
いや待てよ、
アリエールと云う可能性も
ありえーる…。)
慌てて出て来た
美人の若奥さん、
男子足る者、
言うべき事は、
…勇気を出して
言わねばならない、、、、
言わなきゃ伝わらない!!
「すみませーん!」
「いえ、全然大丈夫です、
(キリッ)
あの、あの、もし、
もし宜しかったら、
譲って頂く訳には
いかないでしょうか、
全部でなくとも、
…例えば…、そう、
半分とか!!」
「えっ?全然いいですよ?」
「ま、まじすかー!!!!!」
「ええ、義理の母親の
ですけど、
ばあば、
逆に喜びますわ。フフ。」
…あのオバチャンの??…
…オーマイガー!!
…要らないがー!!
…穴が有ったら
入れてみたい
ちなう、
入りたい…。
うー、…赤面なう。
…ウソみたいな話だと、
思われるかも知れないけど
…実は本とにウソなんだ。
…でも
似た様な事が有ったんだ。