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tears  作者: T-99
B side2 神崎 舞~心の日記
21/23

02

 神様はなんて残酷なのだろう……。希望をうちくだいていきます。昨夜あまりの足の痛さに気を失い、気が付けば、ベッドの中。足は動かない。恐れていたことがついに現実になってしまいました。

 もう一度リハビリをする気力はありません。歩ける保証はどこにもないのだから。友達もみんな、すぐにわたしを忘れていく。わたしは一人ぼっちに逆戻り……。


 

 塚本くんだけには、この姿はみられたくなかった。だけど、塚本くんは来てしまった。いつも願いは届かない。励ましてくれる塚本くんの言葉がつらい。一人にしてほしかった。

 事故の傷口を見せると、一瞬塚本くんの顔色が変わるのがわかりました。これでよかった。わたしなんか相手にしないで、高校生活を楽しんでほしいから……。

 それなのに塚本くんは、わたしに語りかけました。わたしと同じで、本当の両親を知らない。孤独を抱えている。「一緒に受け止めるから」と言ってくれた。わたしは、強い人間じゃない。足が悪くなり一目だってきにして、その反動で明るく振舞っていただけ。涙をながす塚本くん腕に飛び込みたかった。

 でも、涙がこぼれそうになるのを必死で抑えながら、その手を払いのけました。これ以上迷惑をかけ、甘えることはできない。塚本くんの負担にはなりたくなかった。学校にいけなくなるわたしのことは、時とともに忘れていく。前の友だちがそうであったように。これでよかった。


 


 

 結衣が塚本くんのボールを渡してくれた。

『試合を見に来てくれ』とかかれた魔法のボール。

 ごめんなさい。応援はいけそうにありません。


 


 

 わたしの人生はここまで。

 足が不自由なぐらいでと怒られそうだけど、わたしは十分がんばったと思う。

 わたしより不幸な人はたくさんいる。

 でも、幸せな人もたくさんいる。

 どうしてわたしだけこんな運命なのだろう……。

 考えてもどうしようもないことばかり考えてしまう。


 


 

 希望がありません。

 また一人で、孤独にたえながらリハビリを続けることはできそうもありません。

 たすけてください神様……。


 


 

 また置いてきぼり。

 動けないまま年だけとり、高校すら卒業できない。

 パパも結衣もわたしがいないほうがきっと幸せ。


 


 

 限界です。

 人生に終止符を打ちます。

 こんなわたしをどうか許してください。


 


 

 どこからおかしくなったのだろう? あんなに幸せだったのに……。


 


 

 パパ、ママ大好きだよ。


 

 結衣、あなたの本当のお姉さんになりたかった。


 

 林くん、美紀、知美、由美……、みんなせっかく仲良くなれたにごめんなさい。


 

 塚本くん、本当にありがとう。


 

 日記も今日で最後にします。


 




 

 さようなら。





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