バルムンク
ムンクの叫びじゃないよ
「ふ~ん、そっかそっか。でも、俺もがんばんないといけないからな。雅也君。死んでくれないかな。」
ガブリエルは笑顔で言う。別に冗談じゃない。殺すから殺すと言っているだけ。
「やれるならな!。」
そう言うと雅也は勢いよくガブリエルに飛びかかる。
しかし、ガブリエルは余裕たっぷりの表情で雅也の妖刀を妖刀で受け止め。
「バルムンク。」
と自分の妖刀の名前を呼んだ。
その瞬間。教会内がいっきに凍りついた。
氷の中に雅也の姿はなく雅也はガブリエルの背後に回っていた。
「速いね。うん。速い。」
「さて今日は燃えるゴミの日だ!!レーヴァテイン!!」
雅也は妖刀の名前を叫ぶ。
「炎を操るよう妖刀か。厄介だな、バルムンクの氷を相殺できるんだっけ。」
~Side 9~
その頃変態たちは。
15階建のビルくらいの光の塊と戦っていた。
「気をつけろ探求者!グラムの力じゃ光は防げない!。」
光の塊から巨大な腕が伸び探求者(茜)を殴りつける。が腕を持ち上げても茜の姿はない。
茜は灰色の髪のルールブレイカ―、フェンの後ろに立っていた。
「遅いよ。そういうことはもっと早くね。」
茜はニヤリと笑うがフェンは笑ってない。
「あっそ、でも早くあの魔精霊のかけらをどうにかしないとな。」
その時、フェンの仲間のルールブレイカ―のナインが仰向けに吹っ飛ばされていた。
茜は大儀そうに自分の妖剣グラムを振ると。ナインが消えて、茜の横に出現した。
「グラムに切れないものはないってか。」
フェンは頭を掻く。
「まあね。ナインだっけ?立てるかな?」
「これくらい、たいした痛みじゃない。」
ナインは立ち上がり魔精霊のかけらの方を向く。口元以外を覆っている仮面をつけていて前が見えないはずなのだが不思議な力で補っているらしい。
「デュランダル。」
ナインが握っている水晶のような物でできていて中身が透けている大剣の中身。幾つもの歯車が回り出す。
そして大剣から大量の電気が溢れてくる。
「いっけえええええええ!。」
大剣が生み出した膨大な量の電気が空気を裂いて魔精霊のかけらめがけて飛んでいく。
すると魔精霊のかけらは自分の体をくねくねと変形させ、大砲のような形を築く。
どう見てもその姿は。
「なんか撃ってきそう。」
と葵が呟いた。
葵も茜も変態も堕天使である。
魔精霊のかけらから真っ白の光が放たれてデュランダルの雷を相殺。
「規格外。」
と茜が呟く。どうやらじぶんが思っていた以上に魔精霊が強かったらしい。
不意に辺りが寒くなったり熱くなったりとおかしくなった。
「ん?なんだありゃ。」
「光の教会が。」
「・・・・・。」
光の境界があった場所に炎柱と氷柱が立っていた。こちらも規格外の大きさでその柱の周りを何かが飛んでいるのが見える。飛んでいる何かたちはぶつかったり離れたりを繰り返していたりする。
「おい、リヴァイアタン。お前悪魔なんだから妖剣については詳しいだろ。あの氷をだしてる妖剣ってなんなんだ。」
フェンが怒鳴る。
「あれは・・・・・ありえないけど、たぶんバルムンクだと、思う。」
声が震えているリヴァイアタン略してリヴァ。
「いったい誰が!翼がはえてるし。たぶん堕天使か天使のどちらかだ!。」
ナインが叫ぶ。そんな時、空気が読めない魔精霊のかけらが姿を変え巨人になりナインたちをつぶすため拳を振り上げる。
下ろされた拳をナインが大剣で受け止めようとするが受け止めきれずにナインが地面にめり込む。
「茜!あの妖剣に雅也は勝てない!早く助けに!」
リヴァが叫ぶ。
「は?でもバルムンクは氷を操るんでしょ?だったら炎を操るレーヴァテインに勝てるはずがないじゃん。」
茜は疲れた顔で言う。
「そうじゃない!あの妖剣には!魔精霊の光の四分の一が!」
これには少しだけ驚いた茜は今目の前にいる魔精霊のかけらがを指でさし
「こいつは何分の何?」
「ぱっとみ45分の2くらいだな。」
とフェンが会話に割り込む。
「なるほどね、そりゃあっちの方が問題だ。」
そして茜は姿を消した。
「さて・・・・どうするかね。」
フェンが降参だとばかりに首を振る。
「任せろ。」「この変態に任せなさい。」
変態とナインの声がかさなる。
「よし、じゃあふたりに任せて、俺は援護するからな。」
フェンは頭を掻きながら手に氷の塊を出現させる。
「デュランダル!。」
歯車がぶつかり合いながら回り再び雷を放つが魔精霊のかけらはそれをかわそうともせずに受けた。
魔精霊は無傷。
「んじゃ、こいつはどうかな?」
と変態が魔精霊のかけらの目の前に立つ。
変態の体から無色の霧が溢れてくる。
その霧に触れた物は
色を失っていく。
魔精霊に霧がぶつかる。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
と魔精霊のかけらが咆哮して倒れる。
「お、効いた効いた。」
変態がうれしそうに呟く。
そして魔精霊を蹴りつける。
「魔精霊、俺の力で死す!。最高だな。」
そして無防備な魔精霊の体に
巨大な氷が突き刺さった。
魔精霊は叫び声もあげずに消滅。
「へへ、俺の手柄だな。」
横取りしたのはフェン。
「な~、俺が倒すところだったのに。」
その時辺りが目をつぶっていても眩しすぎる光で照らされた。
~Side M~
「うおおおおおおおおおおお!!。」
雅也は咆哮をあげてガブリエルを斬りつける。
ガブリエルは雅也の剣を受け止める。
鍔迫り合い。
間合いを開ける。
雅也がガブリエルを斬りつける。
という動きが繰り返される中。
教会に籠っていた悪魔や堕天使たちは悪魔王を殺すべく城に向かっていることを雅也は知らない。
「俺にはね、魔精霊の光もあるんだよ。」
ガブリエルの前に光の矢が現れ雅也めがけて飛ぶが雅也も魔精霊の闇を使い光を相殺する。
「へ~、闇を使えたんだ。それは知らなかったよ。やっぱり君をここで殺す選択は間違いじゃなかった。」
「誰がお前なんかに!」
雅也は斬りかかるがガブリエルにかわされる。そして無防備な背中に向かって光の矢が飛ぶ。
が
光の矢が動きを止めた。
「なっ。」
ガブリエルは絶句する。
雅也はゆっくりと振り返る。
「あぶねぇ。」
ため息とともに漏らす。
「そっか、その霧、神に逆らう力だね。見たところ時間操作だ。違うかな?」
「そうだぜ。」
「ん~、素直なのはイイね。うん。」
ガブリエルはにこりと笑う。
「でも、素直だからって殺さないってことはないよ。」
ガブリエルはバルムンクを振り下ろした。今まで見たことのない巨大な光の球。
(あんなのに当たったら、俺、死ぬんじゃね。むしろかわしても死ぬんじゃないのだってあんなにでかいし)
「粉々に!!消えろ!!」
光の球が落ちてくる。
「負けるのか?俺。」
独り言。
「いや、負けたくないしな~。かわすかな。でも時間を止めたところで俺の時間操作にも限界があるし。距離とかの限界もあるし。うん、負けたな。みんなの希望を守りたいんだけどな。」
雅也の頭にあるイメージが浮かぶ。
自らの命と魂を削りながら皆を守る姿が。
「そうだ!!俺には意志の力がある。限界なんて俺の意志で越えてやる。」
雅也の体から黒い霧が出る。神にのみしか干渉できない時間を操る力。神抗能力。
「無駄だよ雅也くん。神抗能力にも限界があるんだ!!たとえ光の球の一部をとめても!他の部分が地に当たれば衝撃で君も死ぬ!!。」
「無駄じゃねえよ。」
「おや・・・・これはこれは。規格外。いったいどうやってこんなことが。」
雅也の体からでた霧は辺り一面を覆うほどの大きさになっている。
「意志の力だ!!」
雅也の意志の力が光の球を止め。光の球に流れている時間のみ急速に動き出す。
どんどん光の球はしぼんでいき、消滅した。
「へ~、神抗の力の限界を超えるなんてね。驚きだ。でも、今ので全部使っちゃったよね!」
そのとうり。と言いたいが言う気はない。
「黙ってるってことはそうなんだ。じゃ今度はどんな力を使っても止められないように。」
ガブリエルの目の前に出来て行く巨大な球を見る。
「さっきのと比べ物にならない。でかすぎる。」
今度こそ終わりかと雅也は思った時、目をつぶっても眩しすぎる閃光が魔界中に広がった。
~・・・・・~
雅也は傷ついていた。しかしあの光を受けて傷がついたで済むことはおかしいと直感で感じて誰かが自分をあの光の中から助けたと悟る。
(だとしたら・・・その人は致命傷を。)
雅也は眩しすぎる光のせいでくらんでしまっているぼやけた視界の中から自分を救ったと思われる人を見つけ腕かどこかの部位を掴む。
(なるべく。神抗能力の消費を抑えたい。これだけ近ければあと1時間は持つ)
そしてくらんだ目が元に戻ってくる。
雅也を助けてくれた人は
ん~、こんな感じで短くちまちまと更新していこうかな。
はい、んで、あっさり負けちゃった雅也ですね。いや~これからどうやればいいのか・・・・まあいい。忙しい中読んでいただき誠に普通です。
感謝はしてます。
「わ~い」(棒)
というのは冗談で午後の紅茶に砂糖を入れて飲んで祝ってます。
では次話で