ナインは時間がないん
はい、つまらないです。
「燃えろ!!」
レーヴァテインがいくら炎を放ってもフェンの手前で消えてしまう。
「そんな炎じゃ、俺は溶かせないんだな~。」
フェンが右手を軽く上げたように見えた。
と思ったらあたりに冷気が走り氷柱が何本も雅也めがけて飛んでくる。
「邪魔だ!!。」
雅也の炎同様、氷もまた雅也の手前で溶けてしまう。
「あ~厄介だ、炎の妖剣か、まあ、俺の本気には、かなわないかもしれないけどな!!。」
「フェン・・・・そこまでだ。」
低い声が辺りに響く。
何事かと雅也が声のした方を見ると、黒髪の男がいた。身長は雅也より少し高いぐらいで、両目は赤く、歯は黄色かった。
「ボス。今は残業中ですが、なにか。」
フェンは細い目をさらに細めてボスを見ながら言う。
「真朋雅也は『一部』をもっているなんて報告を受けてはいない。それに、お前には続けて任務に出て行ってもらうことになった。ナインと一緒だ。」
(ナイン?どっかで聞いたことあるような)
「任務の内容は?」
「ナインが知っている。」
フェンは欠伸をすると
「あ~、めんどくさい。じゃ、いってくるから、雅也。ちゃんと『力』を抱いてろよ?」
フェンは消えてしまった。おそらく、なにかしらの移動魔法を使ったんだろう。
「久しぶりだな。」
ボスと呼ばれている男は雅也に近づきながら喋り出した。
「会ったことなんてないぞ。」
「いいや、俺は会ったことがある。あぁ、そうか、お前は知らないんだったな。」
一人で納得するボス。
「意味が分からん。」
と文句を言ったがその時すでに、ボスは消えてしまっていた。
「雅也に似てたね、なんとなく。」
「俺、歯、白いぜ!!。」
雅也は勝った・・・という表情を浮かべながらニヤリと笑う。
「そうじゃなくて。手。」
「ん?手?」
雅也が自分の手を見てみると、黒い蛇型といっていいのか、くねくねしている刺青のようなものがあった。
「何これ、アトンのせいかな?」
アトンとは魔精霊のことであるその魔精霊の力をルールブレイカ―と呼ばれる謎の人種は狙っている。って感じだっけ。
「いや、違うでしょ、ずっと前からあったし。」
「え~。そっか?」
「そうだよ。」
「そっか~。」
と雅也は納得したのだが。
「冥界に来て」
といきなり後ろから声をかけ得られた。
(どっかで聞き覚えのある声だ。)
振り向くとよく日焼けした美女が仁王立ちしていた。
「誰すか?」
一分歩いたら、英単語ひとつ忘れるほどの記憶力をもった雅也に声をかけた女は戸惑い。
「は?」
「誰すか?」
絶句。
「いや、誰って、リヴァイアタンですが何か?」
「あったことなくね?」
「いや、あったから、かなり目立ってますから!!。」
雅也は本当に憶えてないのだが、リヴァイアタンには分からなかったようだ。
「え・・・・と悪魔ですよね?」
葵が話に割り込む。
「そうそう。」
「あああああ!!。」
「お!やっと思い出した?」
「そういえば、俺、俺を助けに行くんだった。」
「何それ!!。」
リヴァイアタンが突っ込むが雅也は無視。そのままどこかへと向かおうとするが。
~魔界~
「城下町での仕事は俺がやる。お前らは魔界に行け。」
というアングッシュの一言がなかったら雅也はリヴァイアタンを無視し続けるところだっただろう。
それに徐々にリヴァイアタンのことを思い出してきたらしい。
「そういやリヴァは契約がどうこう言ってたような気がするが。」
リヴァイアタン略してリヴァ。
「おう。そのとおり。さ、速く契約を!!。」
とリヴァは雅也に飛びつこうとするが雅也の目の前に出現した紫色の闇に阻まれる。
「そりゃ無理だ。」
(契約なんて、危ないことはしたくないし)
「何か思ったかい?」
するどいリヴァ。
「いや、特に、何も。」
真顔で返す雅也。
「お!!お前らも魔界に来ちまったのか?」
ついさっき聞いた声。灰色の髪、細い目。フェンというルールブレイカ―だった。
となりには緑のセーターに、ジーンズ、緑の髪、顔には口元以外をすべて覆っている仮面という謎の恰好をしているナイン。同じくルールブレイカ―のはず。
「魔界って結構熱いな。」
フェンは細い目を細めてリヴァに向かって言う。
「神の炎のせいだけどね。」
するとフェンは目を少しだけ大きく開き。
「へ~、洪水を起こさず焼き払ったのか。苦しめて消すつもりだったんだな。」
となりのナインはずっと黙っている。口元は笑ってもない。全く内側が読めない。
あ、ルールブレイカ―ってのは確か。
「まあいいや、お前ら、なんで魔界なんかに来たんだ?魔精霊の回収か?」
「聞かされてないし。」
と雅也は返す。
「探求者を止めてほしいな~って。」
(探求者って・・・・まさか!!俺をとばしたあの人じゃないか)
雅也は葵を見る。同じく葵は見つめ返している。
雅也はリヴァの方に顔を戻し
「なんで止めなきゃいけないんだ?」
「やりすぎだから。」
「何を?」
「探求者ってさ、自分が嫌いな食べ物をどうしてるか知ってる?」
いきなり話題を変えたような変えてないようなリヴァ。
「え・・・残す?」
「もっとひどい。」
「読めてきた。」
と葵。
「探求者はね、嫌いな食べ物の存在をこの世界から消しちゃうんだよ。」
・・・・・。
「つまり?」
「探求者は、悪魔を毛嫌いしている。イコール。」
「悪魔を殺しているってこと?」
「YES。」
「なぜそこだけ英語。」
「あいどんとのう。」
「もういいよ、突っ込まないよ俺は。つまり悪魔を現在進行形で殺している探きゅ・・・じゃなくて茜さんを止めてほしいってこと?」
リヴァはうんうんと頷き
「そう。渡邊 茜をとめてほしいんだ。」
「手伝うか?」
と口を挿んできたのはいつも黙っているお・・・・ナインだった。
「なんでだよ。」
ナインよりかなり背の高いフェンはナインを見下ろす。
「俺、なんとなく分かってきたんだ。たぶん、人間だったら俺だったら、今の悪魔を助けると思う。」
ナインはどこからか謎の大剣を出現させる。よくみると大剣は、水晶のように透き通っていて中身が見えた。大小さまざまな歯車が水晶のような大剣の中で止まっている。
「そいつは・・・デュランダルだが、何故?」
フェンは目を一般人と同じくらい開いて訊く。
「予想するぐらいしかできない。でも、俺の予想と探求者の予想は一致すると思う。だからたぶん俺の予想はあってる。」
「だったら教えろよ。」
今度は目を細めてフェンはナインを見下ろす。
「それはできない。俺の命にかかわることだから。俺にはもう、時間がないんだ。ナインだけに。」
「つまんね~。」
とフェンは首を左右に振りながら叫ぶ。
「んじゃ、ナインはナインだけに時間がナインで探求者と会いたいみたいだし、きょ力するか。でもナイン、気をつけろ、探求者はルールブレイカ―のことも嫌いだ。」
ナインは頷き
「大丈夫だ。俺には分かる。」
「ん?お前予知能力でも持ってんのか?」
「違うよ。」
「今・・・・・。」
葵が無意識に呟く。
「どした?」
まの抜けた声で雅也が訊くと。
「いや。何でもない」
すると雅也は手を左右に振り
「え~。なにそれ?」
「おかしいかな。」
「たりまえ!!。」
雅也と葵、ナインとフェンで話していると
「なんか・・・盛り上がってるけどさ?」
一人残されたリヴァがいつもよりも低い声で言う。
4人は静かになった。(ルールブレイカ―組は無表情で、堕天使組はわずかだけ身構えた)
「速く、しないとさ、仲間が死ぬし。私たちのもとで働いてる人間も巻き込まれると思うんだ。」
「すいません」(堕天使組)
「へ~い」(フェン)
「・・・・・。」(ナイン)
うわ~。中途半端。
え~と、なんというか、そのまあ、また次話でとしか書けない。
では次話で。