決戦前 目覚め
・・・・目を開けると眩しい光が入ってくる。
久しぶりの外、闇と戦ったりアセンションしていたわずかな時間が、まるで、何カ月もかかっていたように体が重い。
「ここは?」
真朋雅也は体を起こす。
「悪魔城だ、OK?」
変態が返事をする。
「OK。で、今何時?」
「は?」
「だから、今何時?」
「お前・・・・そりゃ、今はいつ?って聞くのが普通だろ。」
「何言ってんだ、俺が俺の中で戦ってたのは長くて数時間しか経ってない。」
「そりゃ、お前の中、こっちは、一か月、お前が倒れてから時がたってる。」
「は?」
変態は、壁にかかっているカレンダーを指でさす。
たしかに、一か月以上たっていた。
「はああああああああああああああああああああ?」
~その後~
食事中。
「で、まだガブリエルは身動きが取れないんだな?」
なんだかよく分からないが、天界を攻めるには、2か月準備をする必要があるらしい。
「じゃあ、その間に、魔界を救えるかな?」
ここのにいた、人|(堕天使、悪魔、天使)の動きが止まった。
「何を言ってるんだ?そんなの不可能に決まってるじゃないか。」
とリヴァ。
「いや~、できなくはないかな~。」
と悪魔王。
「そっか、頑張れよ。」
と変態。
「手伝う?」
と葵。
みんなが同時に言ったのでよく聞こえなかったのだが。雅也は
「おお、そっか、ありがと。」
そして
「ごっさま。」
と食事を終わらせ、今は外にいる。
「不可能、ね。」
心?精神世界?の中で、アセンション、つまり、天使になることだが、その行為を、今まで誰もやってこれなかったこと、みたいなことを言っていた。つまり、それまで不可能と言われてきたことを、やってしまった。つまり、魔界を今の地上のように、正常にすることも可能だ。リヴァだってそれを望んでいる。一応、俺はリヴァの契約者・・・・らしいしな。と、雅也は自分に言い聞かせる。
負けれない。
勝てなくても、勝たないといけない。
「よ。」
「リヴァ。」
リヴァは大きく手を振っているが、そんな距離でもない。
「ねえ、君、堕天使じゃなくなったね。」
「え??いや、その、だな、い・・・あさwdwっぁあだだ。」
「あははは。めずらしく動揺してるね、まあ、君が人になったのかはしらないけど、契約が変わってしまったんだ。」
「契約が変わった?」
いつものリヴァは何処に行ったのか、いつになくまじめな表情。
「そう、契約の形がね、今まで見たことがない物に変わってしまった。」
リヴァは自分の腕を見せる。
「魔法陣?」
「堕天使と契約したならこの形、人と契約したならこの形、と決まっているんだ。それが。」
「見たこともないものに変わっている。」
「そう、何が起きてるんだか。」
「たぶん、それは天使と契約したときに出る魔法陣だ。」
「天使?それじゃ、君は。」
「天使になったんだよ。」
「天使名は?」
雅也はしばらく何かを思い出すかのように目をつぶってから一言。
「マスティマ。」
「マスティマ(敵意・憎悪)ね。君らしいくないな。」
「ああ、俺は変わらないといけない、じゃないと何も救えない。」
雅也はもう1度、リヴァに訊く。
「俺は魔界を救えるか?」
「・・・・・できなくはない。かな。」
「不安にさせないでくれ。契約者だろ?」
「大丈夫、君は人とも契約してたんだろ?だったら、ネフィリムが君についているし、私は君の味方だよ。」
「ありがとな。」
魔界には月がない、だが日はある。今、頼れる光は、魔界の天井に張り付いた不気味な火山が出す光。
「ヒューヒュー。」
ん?と雅也が声のした方を見ると、変態が立っていた。
のだが。
次の瞬間、変態の体が宙に浮いた。受身を取ろうとする変態。
雅也は、手を広げ魔力を流す。空中に大量の魔力が流れる。その魔力が形を築いていく。そして空中に幾つもの魔法陣が描かれる。
「その古代魔法、天使が使っていた!?」
リヴァが驚くのも無理はないだろう。この魔法は、天使だったころのルシファーの記憶を探り、習得したのだから、ルシファーが堕天使になったときに、使えなくなった魔法。天使専用の古代魔法。
『ヤハウェの柱』
いや~、なんだかんだで、夏休み、ほとんどの方は楽しんでいるでしょう。
作者は・・・・・・なんでもないです。はい。
とりあえず、では次話で!!