闇を
なんなんだろう。
いったい何回目だろ。
こんなの
闇の中をただひたすら落ちて行く。
いったいどれくらい経ったのだろう。
あ、まだ3分も経ってない。
なんて考えていたら、闇の色が変わってきた。
「これは、アトンの闇だな。」
黒ではなく紫、それがアトンの闇の色。
そして、とうとう、床に足がついた。
「来たんだね。」
「おう、アトン。」
「始めようか、お兄ちゃん。よくあるあれ。」
「おう、あれだな。あれ。」
「あれ?あれってなんだっけ。」
「ああ?あれはあれだろ。」
「ああ、あれだね、よくあるやつ、力を試すってやつ。」
アトンはどこからか紫色に光る剣を取り出し構える。
「ん?お前が剣使うんだったら、俺もレーヴァテイン使っていいだろ?」
「うん。いいよ、お兄ちゃんじゃ勝てないから。」
さらりとムカつくことを言うアトン。そしてそれに乗って、アトンに切りかかってしまう雅也。
レーヴァテインが出す炎がアトンの闇に飲み込まれる。
「くそ、チートやめろ。」
「お兄ちゃんの力だってチートだよ。」
何度もレーヴァテインを振り回すが、すべて受け止められる。
衝撃も、炎も、すべて闇にのまれる。
「お兄ちゃんの苦しみも、全部闇で包んであげるよ。」
「ふざけんなだよ。俺はな、あれだ、過去から逃げないってやつだよ。痛みは、俺の意志を強める。体の痛み、心の痛み、なんでもいい、それが俺の力になる。もう俺は、痛みから逃げない。」
「おお、かっこいい、けど、どんな意志も、力も、この闇は通さない。」
アトンが造り出した闇に飲み込まれる。雅也がどんなに暴れても、闇は微動しない。
「そいつは、どうかなってやつだ。」
闇から、一筋の光。
「なぜ?お兄ちゃんからは、闇以外、感じなかった。虚無の光なんて、そんな。」
「お前が見落としてたんだろ?俺とみんなをつなげる光を。」
「そんなものが、あったなんて。」
「なんて嘘だよ。もらったんだよ。ほ~ら。」
雅也はポケットから虚無の光の欠片を取り出す。
「変態からな、渡されたんだよ。お前を倒せる唯一の方法。」
「なるほど、よし、勝てない戦いはしないもの。」
「ん?」
「まいった。てことだよ、お兄ちゃん。」
「お前の兄になった覚えはないが、いろいろとよろしくな。」
アトンは雅也の闇の中へ消えて行った。
何故、何故、こんなににも短いのだ。
いや~、最近サボってたけど、実はすごい企画があるんだよ。
レイナントを振り返ろうって奴やってました。
では次話で