表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/16

第11話:遺物は語る、開祖は「高校生」!? 〜蘇りの魔法と、魔力駆動のアッポーウォッチ〜

【 1. 喋る鉄の板:再生される音声 】


 「キンコーン」という軽快な電子音。

そして、妙にノリの良い『アニソン』という音楽。


 驚いているオトハの耳に、また信じられない音が聞こえて来た。


「やっほー、聞こえる?」


 宝物庫の静寂を切り裂くように、アッポーウォッチの画面から「軽すぎる調子の男の声」が響き渡ったのだ。


『あー、あー。テステス。……お、起動した? これを動かせたってことは、キミ、転生者だね?』


 その場にいた全員が凍りついた。

ガジェットは腰を抜かし、キキョウは反射的に杖を構える。


 だが、オトハだけはスピーカー部分に吸い寄せられるように耳を寄せ、その「音が出る仕組み」に目を血走らせていた。



【 2. 英雄の正体:高校生・黒田さとる 】


『ぼくの名前は黒田くろださとる。どこにでもいる普通の日本人さ。高校に行こうと自転車で登校してたらさ、トラックにドカンよ。気づいたらこの世界に転生してたってわけ』


<……やっぱりね。トラック、転生の王道だわ>


 サクラが呆れたように、しかし懐かしそうに呟く。


『いいかい。ここは剣と魔法のファンタジー世界だけど、一つだけ言えるのは「現実」だってことだ』


 しっかりと言葉が聞こえるのは、オトハだけ。

彼女は時計に耳を近づけて、言葉を追った。


『死ねば本当に死んじゃう。ゲームみたいに生き返らない。……僕は幸い、転生して魔法が使えるようになった。しかもチート級だった。だから、この連合王国を作って、人々が幸せになれる場所を作ってみたんだ』



【 3. 蘇りの魔法と、再会の約束 】


 メッセージの声は、少しだけ悪戯っぽく、しかし真剣なトーンに変わる。


『さっき、死んだら終わりって言ったけど、どうも「蘇りの魔法」ってのがどこかにあるらしいんだよね。もしキミがそれを手に入れたら、僕を呼んでよ。もう少しこの世界で遊びたいからさ。……ま、その時までこの時計は貸してあげる。充電は魔力でいけるように改造しといたから。じゃーねー!』


 プツッ、と音が切れた。画面には再び、デジタルな時計の数字だけが浮かんでいる。



【 4. オトハの覚醒:未知の技術への挑戦 】


「……黒田、さとる……。今日からアンタはサトルくんって呼ぶわ」


 オトハが震える指でウォッチの表面を撫でる。


「サクラさん。この中には、さとるさんの『魂』じゃなくて、『音』が閉じ込められていたんですね? 魔力を波形に変えて保存して……。なんて……なんて変態的で素晴らしい設計なのっ!!」


 オトハの萌えが爆発する。


「蘇りの魔法なんてどうでもいいです! 私はこの『板』の中にどうやってあんな膨大な情報を詰め込んだのか、その設計図を暴きたい!!」


<あらら、まあ、オトハじゃそうなるわね。でも、さとるを復活したら、また面白い魔道具の話をきけるんじゃないの?>


「蘇りの魔法、みんなで探しましょう!」


「オトハ、何を探すっていったの?」


 オトハは、時計を巡って起こった一連の現象を説明した。


 その場にいたキキョウ、カイル、ガジェットには断片的にしか、音声が届いていなかった。

そこで初めて全員が理解した。


「そうですか!オトハさん、いやオトハ様。あなたは我が祖国の開祖様の願いを叶えるために、尽力いただけるのですね。ありがとうございます」


「ありがと、おとは」


「ねぇ、オトハ、本当にそれだけなの?他に何があるの?はっきり言いなさい」


「いやーーーー何だったかしら?」


 ボキボキボキ


 キキョウが指を鳴らし始める。これが始まるとキキョウが鬼モードになる時だ。


「ひ、ひぇ」


 キキョウの後ろで、カイルの小さい悲鳴が漏れる。

ガジェットは死んだふりをした。


「分かりました。サトルくんが蘇ったら一緒に魔道具作るのよ」


「また、あんた、そんなこと」


「えへへ」



【 5. 王子の視線:届かない言葉 】


 一方、カイル王子は「蘇りの魔法」という言葉を聞きながら、じっと自分の手を見つめていた。


 本当は、キキョウに伝えたいことが山ほどある。

でも、喉の奥で言葉が詰まって出てこない。


 長年、心を閉ざしてきた彼にとって、感情を外に出すことは、何よりも高い壁だった。


 ガジェットが「開祖様の遺志を継ぐ方々が現れるとは……」と涙ぐんでいる横で、カイルはただ、オトハと話し合うキキョウの横顔を、盗み見るように見つめ続ける。

(いかないで……もっと、おはなし、したい……)

 

 心の中では叫んでいるのに、彼が口にできたのは、震えるような小さな吐息だけだった。

読んでいただき感謝です!


「魔法力ゼロの少女が、歪んだ愛で世界を解体する」

その軌跡を、ぜひ最後まで見届けてください。ご一読ありがとうございます。


**「面白そう」**と少しでも思っていただけたら、

下の【☆☆☆☆☆】と【ブックマーク】で応援いただけると、執筆の魔力が爆上がりします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ