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第10話:王宮の秘宝は「アッポーウォッチ」!? 〜二日酔いの堕天使と、鳴り響く爆音アニソン〜

【 1. 謝罪と再会:明日への約束 】


「オトハさん、キキョウさん! 」


 王宮を後にしようとした二人の背中に、執事長ガジェットの必死な声が届く。

彼は深々と頭を下げ、留守中の冷遇を詫びた。


「ガジェットさん、気にしてませんよ。オトハは王様の後ろの時計しか見てませんでしたから」


「時計といえば……お約束のオーパーツですが、明日の午後、改めてお越しください。準備を整えておきます」


 時計という言葉を聞いて、ガジェットに飛びつくオトハ。


「さぁ、今から行きましょう。時計ちゃん、待っててねー 」


「国家の秘宝ですので、私でも簡単に持ち出せないのです。王様の承認を得ていますので、明日にはご覧いただけると思います」


「分かりました。ガジェットさん、ありがとうございます。ほら、行くわよ。オトハ」


「えーー、時計ちゃんが――― 」


 キキョウがガジェットにすがりつくオトハを、引きはがす。

仕方がないので、荷物を運ぶ浮遊魔法でオトハを浮かせて宿まで運んだ。



「キキョウさん、これ、何の刑罰なのでしょうか? 」


 宿に帰ると……、

リリアが、宙に浮かされたオトハを指さして尋ねた。


「いつものオトハ病よ。今度は王宮で駄々をこねて大変だったわ」


「あぁ、それは恥ずかしいですね」


 心の底から同情した表情を見せるリリア。


「でもオトハさんの、魔道具への執着は見習うべきものがあります。私ももっと勉強しなくちゃ」


 リリアは、すいとーるくんのお陰で、今では午前中にすべての仕事が片付いている。

お陰で日中の殆ど、魔道具の勉強に割けるようになった。


「だいぶ、勉強もはかどっているわね。でも、こうなったら人間終わりよ」


「は、はい。気を付けます」



【 2. 宝物庫の対面:期待外れの「鉄の板」? 】


 翌日、寝不足を感じさせないテンションで城へ乗り込むオトハ。

なぜかそこには、耳が聞こえるようになったばかりの王子カイルも同行していた。


 宝物館に入ると、小箱を1つ渡された。


 そこに収められていたのは、オトハが想像していた「重厚な歯車時計」ではなく、**「腕に巻ける薄い鉄の板」**だった。


「これが時計?ネジも、ゼンマイも、針もありませんが…… 」


 オトハは戸惑いながらも、小さな工具でその表面を丁寧に剥がしていく。

中から現れたのは、見たこともない複雑な回路が刻まれた「黒い薄板」だった。



【 3. 王子の初恋、あるいは勉強の日々 】


 オトハがオーパーツに没頭して一週間。


 カイル王子は劇的な成長を見せていた。

彼は毎日、宝物庫に通い詰め、キキョウと言葉を交わす。


 昨夜勉強したばかりの新しい単語を使って、懸命に想いを伝えようとするカイル。


「キキョウ……これ、すき。これ、きれい」


 慣れない言葉で一生懸命な王子の姿に、ガジェットは涙し、「このままキキョウ様が城にいてくれれば」と願わずにはいられなかった。



【 4. 二日酔いの破壊神、降臨 】


 依然として行き詰まったままのオトハ。

そんなオトハを救ったのは、キキョウの何気ない一言だった。


「魔力を流したら、何か起こるのかしら? 」


「それ、試してみる価値があります!では、さっそく試しましょう」


 オトハが無造作に右手を出してくる。

 まるで「お手」という時の飼い主と犬のようだ。


「ちょっと、アタシ犬じゃないわよ」


「いいからいいから。キキョウさん、始めましょう」


 いつものようにオトハのペースに巻き込まれていくキキョウ。


 キキョウとオトハが手を繋ぎ、回路へ魔力を流し込んだ瞬間――。


<< キンコーン! >>


 軽快な電子音が響き、黒い板に鮮やかな**「林檎の絵」**が浮かび上がった。


「な、なにこれ!? 鉄の中に絵が、光が……!? 」



<……あー、頭痛いわ。ユヅキの持ってきた酒、強すぎたわね…… >


 突然、虚空から不機嫌そうなサクラの声が響く。


「サクラさん! ずっと消えてたから心配したんですよ! 」


<消えてないわよ、二日酔いで寝てただけ。……それよりオトハ、面白いものを持ってるわね>


「これ、連合王国の放物庫にあったものなんです」


<へー、それアタシのいた世界にあるやつよ。……アッポーウォッチね>



【 5. 開祖の正体:アニソンの響き 】


「アッポー……? 時計なんですか、これ」


<ええ。そこ、押してみて>


 オトハが促されるままに画面に触れると、スピーカーから聞いたこともないテンションの音楽が流れ出す。


<……ほほう、この音楽。アニソンじゃない。かなりのオタクとみたわね>


「アニソン? 何ですか、それは」


<持ち主に聞きなさいよ>


「いえ、これは連合王国を作った開祖が持っていたらしいんです」


<へぇ……この国の開祖ってことは……つまり、この国の始まりを築いたのは、アタシと同じ**『転生者』**だったってことね>


 鳴り響くアップテンポなメロディに呆気にとられるオトハとキキョウ、そしてカイル。


 歴史が覆される轟音が、静かな宝物庫に響き渡った。

読んでいただき感謝です!


「魔法力ゼロの少女が、歪んだ愛で世界を解体する」

その軌跡を、ぜひ最後まで見届けてください。ご一読ありがとうございます。


**「面白そう」**と少しでも思っていただけたら、

下の【☆☆☆☆☆】と【ブックマーク】で応援いただけると、執筆の魔力が爆上がりします!

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