『スケグルの波』
グントとシィグが優秀なおかげで、物語がサクッサク進みます。どっかのウイチと違って。
スケグルは、グートレルとレイパーロの国境の近くにある町。だがしかし、そこに住んでいるのはレイパーロから襲って来た波の人間だ。波の人は、正に波の様に襲って来て、偶の人はなす術無くやられてしまったのである。
「...確かにスケグルでは誘拐が日常の一つだったけど、まさか超気の奴隷にさせられてたなんて...」
グントとシィグはスケグルに戻って来た。
「シィグはよく無事だったな」
「子供は労働力になんないからね」
「誘拐は一種類では無いからな」
「いや、ここに居るのは波の人間が殆どだよ、だから偶の人は誘拐出来ない。それにミアレチョキからわざわざくるのは奴隷商ぐらいだよ」
「やはりシィグは賢いな。尊敬する」
「古い考えに捉われて無いだけだよ」
「あ、爺さん!」
「おお、シィグか。てっきり国家反逆罪で捕まってると思ってたわ」
「初めましてかな。俺はヤケダ・グント、シィグと共に革命の火種を付けに来た」
「シィグの子守りは大変じゃろう。ワシはオーク・パロンじゃ。スケグルの事なら何でも聞いてくれ」
「あんたに聞きに来た訳じゃ無い」
「俺はあなたに聞きたい事がある」
「何でも聞いとくれ」
「率直に聞く、スケグルで起きてる誘拐についてどこまで知っている?」
「革命を起こすのか。ワシが知ってる事は10年前から起きてて、その誘拐された人が何処でどうどいつにどのくらいで売られてるかまでじゃ」
「詳しく教えてくれ」
パロンによると、その奴隷達は一度チョウグという場所に連れてかれ、そこで金持ち達が通常では考えられない程の高値で買い、ミアレチョキでこき使われているという。
「...本当物知りな爺さんね」
「伊達に経験は積んで無いからな。古い考えにも助けられてるよ」
「......」
(とても仲が良さそうだな)
「ありがとう、パロンさん。ちなみにそこに公安組織は絡んでるのですか?」
「絡みに絡みまくってるさ。なんせ誘拐してるのは軍人だからな」
「おっと、これは中々大変そうだな」
「超気の武器もあるぐらいだ。国民には革命が必要だよ。頑張ってくれよ」
「そんぐらい分かってるよ」
「面白く思えて来たな」
「まあそうかもね」
「そいじゃ、頑張っとくれ」
「...軍人が関わっているのなら国家レベルの誘拐だが、何故だ?」
「本当頭が硬くて堅いわね。私はもう分かったよ」
「ならば教えてくれないか」
「古い常識で考えてるからよ」
「素直じゃ無いな」
「よーく言われる」
「...グートレルがミアレチョキに奴隷を売り付け、さらにミアレチョキが金持ちに売る、か」
「ギャッァァァ!!!」
「何だ!大丈夫か!?」
「大丈夫でしょ。いつもの事だから」
「俺は行く!!」
「はあ、まあ一応付いてくよ」
スケグルの南、国境に一番近い区域だ。
「大丈夫か!?」
屈強な男達が一人の男を捕らえていた。
「グレン・ディストロ!!!」
「シパロット!!」
グントとシィグが一瞬で攻撃を仕掛けた。
ダァァンガァァァァン!!!
「グラード!」
男は難無く攻撃をいなした。
「邪魔が入ったな。処せ」
「グラディ!」
男の部下が巨大な偶像を呼び出した。
「でぁぁぁぁ!!!」
偶像と共に殴りかかって来た。
「グード!!」
グントが防いだ。
「シィグ!俺があの男を助ける!」
「オッケー、こっちは任せろ!」
「グラディ!キッコウグウ!!」
「スィーロパウロ!!」
二人がついに本気を出した。
「グレン・ディストロ!!」
「ファウグ!!」
ダァァンン!!
「その者を解放して貰おう!」
波の男が三人の男等に捕まっていた。
「お前は俺等が誰だか分かってんのか?」
「偶の軍人だかミアレチョキの捨て駒でも関係無い。誘拐野郎!グレッディ・アドゥ・ガウ!!!」
「ゾウア・ディンチョウキ!!」
ギゥァァァァァンン!!!
「チアゼ!大丈夫か?歩けそうだな、走って逃げろ!!」
「は、はい!!」
グントがスパッと男を助けた。
「逃がす訳無い!ジアラッチョウ!!」
「グード!!そこを右に行け!!」
「ドドレッド・チョウザ!!」
「3対1はどう足掻いても勝てねぇんだよ!!チョギャラディ!」
「そう思うか?古い考えだが、一応言っておく。超気が偶に勝てる確率は存在しないに等しいぞ。グレッディ・バードバン・ヅェア!!」
グォォォゥドォォォォォン!!!!
グントの偶像が拳を地面に叩きつけた。
「おっと、チッ、逃しちまったじゃねぇか!!」
(これでもあまり効かないか!少しピンチだな)
「だがさて、お前は今3対1だ!いくら偶だろうが勝ち目はねぇ!」
「...そうだな。折角だし教えてくれないか、なんで軍人が誘拐をしているか」
「俺等はそこまで知らねぇよ。俺等はあいつに雇われたプロの”運び屋“だ」
(やはりこいつ等は軍人では無いか)
「俺だって聞きてぇ事あるぞ。お前は軍人じゃねぇのに何でそんな強いんだ?」
「俺はミアレチョキでとある師匠の本、17年間修行して来た」
「ん?俺達は情報通だが、そんな強い師匠とかいう奴聞いた事無いぞ」
「そうだろうな。師匠はディン超気人だからな」
「「!!!」」
ディン超気人。それは、簡単に言えば同じ超気人種でも、超気人ととても仲が悪い人達だ。
「成る程ね〜。ささっ、お喋りはこんくらいにしといて、さっさと墓に行け偶人!!」
「ジアラッチョウ!!」「ドドレッド・チョウザ!!」
「グレン・ディストロ!!」
ドゥォォグァァァァァン!!!
一方その時、シィグは軍人と戦っていた。
「あなたは偶の軍人さんね。理由を教えてくれない?まあ見当は付いてるけど。」
「さっきも言ったろ。邪魔したからには処す」
軍人がグラディも言わずに偶像を呼び出した。
「パラパロン!!」
ズゥァザァァァァン!!
シィグが打ち寄せる波を起こした。
「グード!」
「シェパウロ!!」
シィグが偶像を波で包み込んだ。
「キッコウグウ!!」
バァァザァァァン!!
波が全てかき消された。
「...強いわね。でもようやくまともに闘える敵が来てくれて、嬉しいわ!!スィーロパウロ!!!」
「グレッディ・バードバン・ヅェア!!!」
グァァァンバァァン!!!
「く、本気で潰しに来たわね」
「やはり弱いな。相性有利で行けると思ったのか?愚かが。グレッディ・アドゥ・ガウ!!!」
「シルラーパー!!」
シィグが波で壁を作った。
ドッッグァァァンンン!!!
「ムダだ。グラード!グラード!グラード!!」
ドォォンガァァングォォンン!!!
「キツ!死ぬ!」
「まだ余裕そうだな。ダイアグラード!ディングラード!」
ダァァァァッッダァァン!!!
「あー、(バタッ)....」
「安っぽい演技だ。グァンバ・コグ―」
「今!シーパレストフィーロ・パー!!!」
ザァァァブァァァァァァァンンンン!!!
超巨大な波が軍人を飲み込んだ。
ザザザザァァァァ!!
そのまま、グント達の方まで猛スピードで流れて行く。
「グント〜!!!」
「シィグ!グード!!」
「ギャーアァァァ!!」
ドザッッバァァァン!
「そっちはどうだ!あの人は助けたぞ!」
「何も聞き出せなかったよ!グーロッド!!」
ダァァン!!
「あぁもう敵は一人で十分だ!ドドレッド・チョウザ!!」「ディン・チアゼ!!」「ウルブルム・ルイ・チョウザ!!」
「早く始末しろ。グラディ」
「グッドーリッブ・ヴァヂョウキ!!」
ヂャャャァァァァン!!!
「シィグ!全員と戦っても相虎になるだけだ!だから先ずは軍人だ!グレン・ディストロ!!」
「フィーロ・パー!!」
「グード!」
ヴァァァァンン!!
「顧客を守れ!!ジアラッチョウ!!」「言われなくとも!ゾウア・ディンチョウキ!!」
「俺が捌く!グラード!!」
ドガァァン!!
「ホウセロット・レパー!」
「グレッディ・アドゥ・ガウ!!!」
バァァァン!!
「シィグ!挟み撃ちだ!」
「雇われたからには守る!ドドレッド・チョウザ!!」
「グード!」
グザァァン!!
「行くよ!グント!!シーパレストフィーロ・パー!!」
「グレン・ディストロ!!」
「苦いか、ディンザロッド・グート―」
グォォォゥドォォォォォン!!!!
「ぐぁぁぁ...」
「シルラーパー!」
シィグが軍人を封じ込めた。
「くっそ!!ヒッゾウ・チョウキ!!」
ズァァァン!!
「グレン・ディストロ!!」
「チョギャラディ!!」
「グラード!」
グゾァァァンンン!
「シルラーパー!」
シィグが運び屋二人を閉じ込めた。
「く、あぁぁ!!ディン・チアゼ!」
「キッコウグウ!」
ガァァァァン!!
「あぁ...」
「シルラーパー!」
こうして、誘拐犯全員を捕まえた。
「さぁ、教えてもらおう。何故こんな事をしてる!!全部!知ってる事全て!」
「......」
「教えろ!」
「言いまくっても言わないと思うけど?グント」
「ならば力ずくで喋らさせる!」
「そう感情的にならないで。無理だったら私がやるよ。私波使えるし」
「......」
「こいつ等は罪の無い人間を誘拐して奴隷にさせてるんだぞ!!」
「.........」
「こっちも一応不法で住んでるんだけどね」
「それは受け入れないグートレルが悪い!」
「そう?」
「......分かった。全部話してやる」
「あれ?喋っちゃうの?」
「何でも良い、全部聞かせて貰おう」
「.....グートレルはな―」
「レイパーロ国に戦争を仕掛けようとしているんだ」
「「「!!!!!」」」
丁度今日年取りました。なんか言い方悪いな〜。今日が誕生日なので間違っては無いと思うけど。物は言い様って面白いですね。ちなみにケーキはお好み焼きの容量でひっくり返しました。オレもケーキみたいに逆立ちしたです。